SEO勝負はギャンブル! 個人ブログは人を見てコツコツ長期戦略で

僕は2004年1月より、22年間ウェブメディアの運営に携わり続けています

個人ブログの運営から、企業のウェブメディアの編集長、そしてフリーランスとして数多くの媒体での執筆(北野啓太郎プロフィール)。

本記事では、これまでの経験を踏まえ、今後のウェブメディア運営・集客についてお伝えします。特にブログ向け。個人のいち意見ではありますが、ぜひご覧ください。

北野啓太郎
メディア戦略は様々! 僕の今の考えです

Google検索アルゴリズムのアップデートには抗えない

検索窓

ウェブメディアを運営する方にとって、GoogleやYahoo! からの検索流入は無視できません。ユーザーが「〇〇とは」などの疑問を検索し、それが記事訪問の入り口になるからです。

対してGoogleは、ユーザーにより良い検索結果ページを表示するために、検索順位を決めるアルゴリズム(プログラム)を頻繁にアップデートしています。

僕自身、メディア運営者の体感として、2017年まではウェブサイトを真っ当に(ふつうに)運営している方にとっては追い風でしかありませんでした。

なぜなら、それまでの検索アルゴリズムのアップデートは、ズルをしているウェブサイトを排除するのが主な目的だったからです。通称「ブラックハットSEO」を駆使し、アルゴリズムをハックする手法への対策です。

そのため、新しいアップデートがリリースされるたびにズルを駆使しているサイトの検索順位が落とされ、真っ当に運営しているサイトが相対的に上位表示されるようになったのです。

僕は個人サイトや企業メディアを運営しながら、「Googleコアアップデートが来た! また順位が上がるぞ」と喜んでいました。事実、アップデートのたびに検索順位が上がり、それに伴いPV数(ページビュー)もどんどん伸びていったのです。

 

2017年 WELQ問題

WELQ(ウェルク)

転機は2017年
この年のコアアップデートで様子が変わりました。

この時期、ブラックSEO対策を駆使する大手企業が現れるようになり、物量でGoogleの検索結果を半ば乗っ取りました。大量生産された低品質な記事も多く、その中には「肩こりの原因は守護霊や怨霊の仕業」などトンデモ医療の記事も上位表示されるようになり、社会的な問題となったのです(詳しくは “WELQ問題” で検索してください)。

結果、同年・2017年に「Google医療健康アップデート」が発動され、医療や健康に関する記事については権威性などが重視されるようになりました。

それ以前は、個人の闘病記を綴ったブログなども交えた彩りある検索結果ページだったのですが、このアップデートをきっかけに病院・大学・政府のウェブサイトばかりが検索上位を占めるようになったのです。

僕が運営する子育てブログ「パパやる」でも、その打撃を受けています。それまで人気のあった妊娠出産に関わる記事は、軒並み検索順位を大幅に下げました。医療に関わる記事ですからね。

Googleはさらに、健康・医療分野以外にも権威性や専門性などを求めるようになりました。個人ブロガーでは太刀打ちできないジャンルが次々に出てきたのです。

北野啓太郎
これまで右肩上がりだった検索流入数が、いくら新規記事を書いても下がっていく恐怖に見舞われました

 

2020年 新型コロナウイルスによるパンデミック

コロナウイルス

そして、2020年には更なる打撃が。

コロナによる世界的パンデミックが起きた直後、2020年5月にコアアップデートがリリースされ、幅広いジャンルで大きな順位変動が起きました。Googleはこれまで以上に、より一層信ぴょう性が高い記事を上位表示させるようにした訳です。

とはいえ、Googleは記事に書かれた情報の正誤判断はできません。

そこで、大企業・病院・政府などがより優遇されるようになったのです。

つまり、個人ブロガーがいかに正しい情報を発信していたとしても、上位表示を狙うのが厳しくなったのです。僕が運営していたブログも、あらゆる記事で検索順位を著しく下げました。

北野啓太郎
この時期、検索順位チェックツール「RankTracker」とにらめっこしながら、過去記事のリライトに注力しました

 

Google コアアップデートに対応しきれない

医師

今後も、Googleの検索アルゴリズムはアップデートを繰り返すことでしょう。

現時点での最新情報は「E-E-A-T」です。Googleは、2022年12月に検索品質評価ガイドラインを更新しました。

E-E-A-T とは

  • Experience(経験← new
  • Expertise(専門性
  • Authoritativeness(権威性
  • Trustworthiness(信頼性

■参考リンク
品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加

また、2017年からGoogleが検索品質評価ガイドラインで提示しているのが「YMYL」です。こちらも「E-E-A-T」とあわせて、SEO対策を行う上で重要な指針です。

YMYL とは

  • YMYLは、Your Money or Your Life の頭文字
  • Money(お金)
  • Life(医療、健康)
  • これらのジャンルにおいては、「E-E-A-T」をより重視

■参考リンク
Google General Guidelines

まとめると、2017年まではズルをしているサイトの検索順位が落とされるので無問題。それ以降は、いくら高品質な記事を書こうとも、大企業・政府・病院・権威ある専門家などに太刀打ちできなくなったのです。

つまり、Google検索アルゴリズムのアップデートには抗えないSEO対策はしきれないのが現状です。

北野啓太郎
ニッチを狙えば個人でも上位表示は狙えますが、いつまた狭められるのかが不安……

SEO勝負は投機的なギャンブル

サイコロを振る手

Googleのことを「」という人がいます。

神の一手により検索順位に変動が起き、個人も大企業も命運を分つからです。例えば「〇〇 おすすめ」で検索したときに、1位に表示されるのと、10位に表示されるのとでは、売上・利益は雲泥の差になるでしょう。

まさに命を握る存在に等しいのです、Googleは

 

ウェブサイト運営者にとって、集客は課題です。

その集客を、対応しきれないSEO対策に注力するのはいかがなものでしょうか。それは投機的なギャンブルといえるのではないでしょうか。

不確実なところへ、労力をどんどん投下

Googleのアルゴリズム攻略に目を光らせ、必死に取り組んでいく。その先には結果が伴わないかもしれないけど、やらないと結果は出ない。だからやる。

それは「買わないと当たらない」と言いながら、宝くじを買い続ける行為に似ていると感じます。

宝くじだと一攫千金を手に入れて、その後は悠々自適な生活を送れるかもしれませんが、SEOの場合は、一時的に検索順位が上がったとしても長続きさせないといけないのですが、それは困難です。

 

私ごとですが、僕は2017年と2022年のGoogle検索アルゴリズムのアップデートで順位を大きく下げ、なんとか復活させようと取り組みました。

  • 過去記事のリライト
  • 検索流入の無い記事の削除
  • アクセス解析を重視(Google アナリティクス、検索順位チェックツールなど)

僕の目線は、Google。

Googleに対しての取り組みを強化したのです。特にコロナ禍が始まってからのおよそ3年間はその意識が高かったです。専門的な話になりますが、カニバリが怖くて新規記事を投稿することに不安になっていた時期もあります。

でも、結果は不発。
我ながら失策だったと言わざるを得ません。

経験値は得られましたが、時間を無駄にしてしまいました

北野啓太郎
限られた時間、何に使うかの決断は重要ですね。もし違う選択をしていたら……

Googleではなく、ユーザーを見る・対話する・交流する!

「どうぞ」「いいね」と対話をしている人

SEO対策は大事ですよ。
でも、僕が運営するブログに関して、それを意識しすぎるのはやめました。

Google サーチコンソールやアナリティクスを確認したり、Googleが公開している「Google 検索の基本事項」や「検索品質評価ガイドライン」にできる限り遵守するなど、SEO対策は基本的なところだけに留めます。

その上で、ユーザー(読者)に向き直そう思います。

目線をGoogleではなく、ユーザーに。

 

目線をGoogleに

  • 検索キーワードや検索ボリュームを重視
  • 競合調査をし、ライバルを上回る記事を書く
  • 攻略法を日々探り続ける

目線をユーザーに

  • 笑える記事
  • 役に立つ記事
  • 愛のある記事

 

対応しきれないSEO対策への注力は「まるで宝くじを買うようなものだ」とお伝えしましたが、ユーザーへの向き合いはギャンブルではありません。育みです。

人との関係は、一か八かではありませんし、アップデートで吹き飛んだりはしません。

今後は、一人ひとりのユーザーさんと向き合いながら、長期視点でコツコツと育んでいきたいと思います。

それこそが僕が生み出せる自分オリジナルの付加価値であり、ユーザーさんにとっての価値になると考えています。思えば当たり前のことですが、「なんとか復活できるはずだ!」とGoogle攻略を意識して迷走していたのが良くなかったですね。

北野啓太郎
遠回りをして初心に返ってきた気分です

 

以上、今、僕が考えているウェブ戦略です。ブロガーさんやウェブメディアを運営されている方の、何らかのヒントになれば幸いです。

最後に、僕がなぜユーザー視点の考えへ至ったのかについて、そのきっかけとなった書籍や人との出会いをご説明します。

【参考書籍・記事】僕がユーザー視点の考えへ至った理由

愛されるWebコンテンツの作り方
成田 幸久・著『ユーザーと「両想い」になるための愛されるWebコンテンツの作り方』

5年前、2017年に読んだ本にこんな一節があります。要約してご紹介します。

仏像を作っても、制作者が魂を入れなければ単なる木や石でしかありません。ユーザーは、木や石がほしいのではありません。それが仏像だから、意味を見出し、心を動かされるのです。

 

愛されるコンテンツに注入すべきは、

 

愛のないコンテンツに未来はありません。愛(信頼関係)を育むためには「自分を知り、相手を知り、相手に尽くす」ことが必要最低条件です。

 

5年前、これを読んだ僕は大変共感させられたのですが、「愛」と「志」にコミットせず、攻略法に走ってしまったわけです。

儚いですね……。

攻略は上手くいっても、それは一時的。まるで焼畑農業のように攻略しづつけないといけません。

それよりも、自分オリジナルの畑をしっかり耕し、付加価値を高め、アルゴリズムに翻弄されない長期的な潮流や参入障壁を築くべきだったのです。

 

ライフハッカー 鴨志田農園さん取材記事をiPhoneで閲覧している

自分の畑の付加価値を高める重要性や、ビジネスの長期潮流・参入障壁の考え方については、フリーランスライターとして別媒体で取材・執筆させて頂いた方々から大きな刺激を受けました。

■ライフハッカー
農業は「脳業」。稼げる農家になる戦略を考える、鴨志田農園・鴨志田純の仕事術

■I am(アイアム)
ブログ、Twitter、YouTube、Instagram……メディア戦略は目的設定から始めよう!MBインタビュー第1話

■ダイヤモンド・オンライン
【マネー緊急対談】「誰かの問題を解決したから、お給料がもらえる」それがお金の本質

北野啓太郎
僕が取材・執筆した記事です。大変良いお話をいただきましたので、ぜひご一読ください!

 

4冊の本の背表紙

また、上記「ダイヤモンド・オンライン」での対談企画(全6話)の取材・執筆を請けさせていただくに際し、これらの本を熟読しました。全て素晴らしいのですが、特に奥野一成さんの本ではビジネスの本質が綴られていて、まさに人生の教科書! 個人的には2022年度に読んだ本の中でのナンバーワン&ツーです。

投資をするしないに関わらず、ぜひ読んでいただければと思います。心からのおすすめ本ですので。

北野啓太郎
まずは「教養としての投資」から、ぜひ!

 

これまでを振り返ってみると「僕は自身、多くの人からの影響や応援を受け続けているな」と感じます。そもそもアルゴリズムをじっと見るのではなく、じっと見るべきは人でしたね。

冒頭にも書きましたが、メディア戦略は様々。今回は、僕の今の考えをお伝えしました。

北野啓太郎
余談ですが、本記事のタイトルは「YMYL」なのでしょうねw (「ギャンブル」や「長期」など、含まれるキーワードがお金系)

 

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