ぜひ・是非、どっち? 基本はひらがな、是か非を問うときは漢字で

「是非ご覧ください」
「是非お立ち寄りください」
「すごく美味しいので、あなたも是非!」

これらの是非の使い方、僕はかなり誤用に近いと考えています。

ぜひには、ひらがらの「ぜひ」と漢字の「是非」がありますが、発音は同じでも本来の意味は異なるのです。

ひらがなの「ぜひ」の意味

ぜひ・是非の意味
新明解国語辞典 第八版(三省堂)より
意味(副詞)他人はどうあれ、自分の気持ちとしては、そのことの実現を強く希望する様子。

ぜひの用例

  • 「ぜひお願いします」
  • 「君には、ぜひ聞いてほしいのだ」

漢字の「是非」の意味

意味いいか悪いか(について、あれこれ論じること)

ぜひの用例

  • 「……の是非を改めて問う」
  • 「是非を論じる」
  • 「反対するならば是非もない(=やむを得ない)」

新明解国語辞典 第八版(三省堂)より引用

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三省堂
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北野啓太郎
補足です。是の意味は「良いと認められること」「正しいこと」、非の意味は「道理(道徳)に合っていないこと」です

完全な誤用ではありませんが、基本はひらがなの「ぜひ」表記で

つまり、同じ発音であっても「ぜひ」と「是非」とでは、意味が全く違うのです。

たとえば、「是非来てください」だと、「是が非でも、どんなことがあっても、とにかく来てください!」といった、キツい意味合いになってしまいます。

他にも「きてくださいね、是非〜♪」なんて表現も見かけますが、これは楽しいお誘いになっていません

絶対に使えない誤用という訳ではありませんが、お誘いをしたりおすすめしたりする際に「是非」を使うと、強制的なニュアンスを含んでしまうので要注意です。

是非というのは、是か非かを問うたり論じたりする際に使う言葉なのです。

なぜ、こうした使い方が散見されるのか? それは、スマホやパソコンで簡単に文字変換ができるので、つい漢字にしてしまう方が多いからだと思います。しかし、ほとんどの場合においては、ひらがなの「ぜひ」で大丈夫です。

北野啓太郎
「是非」は、使う場面がほとんどありません。基本は「ぜひ」でOKです!

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