テレワークが増え、副業奨励の波もますます大きくなっています。
そこで大事なのは、環境に左右されず、短時間で、どれだけ仕事をこなせるか。いままで以上に、集中力が問われる時代となりました。「もっと集中力をアップさせたい!」と、切に思う方も多いでしょう。
〝集中力 = 意志力〟ではありますが、意思の弱さはテクニックでカバーできるとご存知でしたか?
24歳からフリーランスとしてン十年自宅作業を続け、多いときで30数本の仕事を同時進行させてきた私から、今すぐ実践できる集中力テクニックをご紹介します。
本業はトラベル・ジャーナリストですが、ライフハック本を読むのが趣味なので知識豊富。様々活用しながらテクニックを身につけてきました。
今回のテーマは、うっかりマルチタスク禁止。
この記事を読めば、集中力を発揮して、より多くの自由な時間を手に入れられるでしょう!
【シングルタスク】仕事中はスマホOFF。これ、集中力発揮の鉄則
テレワーク(在宅ワーク)は、通勤に時間を取られない分、仕事場に乱入してくる子どもたちや気になる家事・雑事がハードルとなって現れます。
でも、それ以上に集中力を散漫にしてしまうのが、スマートフォンの存在。
ヒトは集中できていないときほど、スマホでメールチェックをしたり、SNSの投稿を見たりしがちです。なぜなら、メールやSNSのチェックが仕事の延長と思えなくもないからです。
子どもたちとのお喋りや家事などは、気分転換になります。でもスマホは、「うっかりマルチタスク」になるので危険!
いまだ〝電話をしながら部下に指図するボス〟のような、一昔前のデキるヒト信奉者もいますが、さまざまな研究機関が「マルチタスクは生産性を下げる」と証明しています。
また、2つ以上のデバイスを同時操作することは、集中力を低下させるだけでなく、鬱のような精神的問題を引き起こすリスクを高めるという機関もあるほどです。
仕事中のスマホはマルチタスクだと思っていない人は多いですが、スマホは一番リスキーなアイテムだと認識を改めましょう。
【ポモドーロテクニック】集中のシングルタスクを会得するにはタイマーを使え
1点集中のシングルタスクは生産性を40%アップする、といわれています。
とはいえマルチタスクをやめれば、簡単に集中力が高まるものでもありません。
シングルタスクで集中するテクニックとして有名なのが、「ポモドーロテクニック」です。
25分間仕事して、
5分間休憩。
このセットを繰り返します。
人間の集中力が持続するのは約30分という理論から生まれたシステムです。多くの人が実践している方法なので、効果的といえるでしょう。
私の場合、気分がピリっとしないときや逆により集中したいときには、15分刻みを実践しています。
モチベーションが上がらないときは、5分刻みもありかと。
やる気が起きないときに「とりあえず5分やってみる」というテクニックにも繋がり、5分で片付くことの多さにも結構驚かされます。
5分続けて気分が乗ってきたら、そのまま25分間作業してもいいですし、休憩を入れ忘れなければ、何時間か集中して作業ができることもあるでしょう。
また、片付ける仕事は、細分化しておくのがポイント。
たとえばプレゼン資料を作るなら、大きく分けて調査 → 資料 → 構成 → 作業 → 整理調整 → 完成 など。それぞれをさらに細かく分けることもできます。
各プロセスを、25分や15分といった時間内に終わらせるイメージで取り組むことが肝心です。
仕事のボリュームと時間配分をつかむトレーニングにもなりますし、これを把握すると計画倒れしないプランを立てることもできるようになります。
【タスクシフト】飽きずに集中力を維持
でも、ずっと同じ仕事を続けていると、飽きてきますよね。
飽きてくると、疲労を感じ、集中力が散漫になります。
これを回避するには、脳を飽きさせないことです。いろいろなタスクを次々とこなすことで、シングルタスクを飽きずに続けることができます。
資料に目を通す作業をしたら、得意先への挨拶状を書く仕事に移行するなど、まったく違う種類のタスクに切り替えるのがベストです。
テレワークで自宅作業をしている方なら、「30分デスクワークをやったら、次の30分はエクササイズをする」とか、「場所を変えたり、動きを変えたりしてこなしていく」とか。そこまでの変化が難しければ、「企画書を書いたら、経費の精算をする」とかですね。
そうすることで、集中力を長時間キープできます。
特に「午後からだらけちゃって……」という悩みを持った方は、ぜひ試してみてください。
私は20分間の昼寝をはさんで、午前中のタスクサイクルを再開しています。朝から夜まで同じタスクをするよりも、効率はグッと上がります。
まとめ
「タイマーを使って仕事するなんて……」
と、思う方もいるかもしれません。
タイマーは、あくまで時間感覚をつかむための道具です。「あと10分でこの作業を終わらせないと!」と思えばグッと力が入ります。夏休みの最終日に宿題が捗るのと同じではないかと、私は思っています。
4週間ほどタイマーを使って作業をしてみると、時間の感覚がつかめてくるでしょう。
とはいえ、私も四六時中タイマーに追われるのは嫌なので、逆にストップウォッチで時間経過を観測しています。せっかく気分が乗って原稿を書いているフロー状態を中断したくないからです。フロー状態とは、集中力が特に高まり没頭している状態のこと。この特別な状態のときは、そのまま作業を続けています。
集中できる時間は個人差がありますし、そのときの体調や気分によっても大きく違うものです。自分が集中できる時間をコントロールできるようになると、仕事の効率の上げ方が分かります。
最後に、今回のポイントまとめた図をご案内します。ぜひ実践し、環境に左右されない集中力を手に入れてください。
■参考資料
『SINGLE TASK 一点集中術』/デボラ・ザック、『自分を操る超集中力』/DaiGo、『ハーバードメディカルスクール式 人生を変える集中力』ポール・ハマーネス他、『ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45』鈴木 祐 など