初めてのデジタル一眼レフカメラが欲しくて調べて行くうちに、ドーンと大きく立ちはだかった壁。
先日「NikonかCanonか?はじめてのデジタル一眼レフカメラ選び」という記事で書きましたが、それはまさに結婚相手を決めるほどの決断でした。
ニコンかキヤノンか?
なぜ、そんなに悩むのか? それは一眼レフの「レンズ」はメーカー互換性がない! しかもフルサイズ一眼レフ用となればレンズの値段は1本あたり数万円〜百数十万円と高価。一度足を踏み入れたらホイホイ乗り換えできません。コンデジのように本体単体の機能で選ぶのではなく、自分にとって「どのメーカーとお付き合いして行きたいのか」を決める必要があります。
自分は最初、Canonと決めていました。理由は安易で、ショールームの華やかさ、機種によってサイズや紙質までこだわるカタログのデザインのセンス、そして自分の周りにいるプロのカメラマンさんにCanonユーザーが多い、など。そんな要因から、漠然とCanonに対してのブランドイメージが高まっていたからです。
……で、数ヶ月悩み抜いて買ったのは?
Nikonです! D600 ダブルレンズキット (amazon) を買いました。
- 【ボディー】Nikon D600 (amazon)
- 【ズームレンズ】AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR (amazon)
- 【単焦点レンズ】AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (amazon)
自分と同じようにD600とキットレンズで一眼デビューした方、単焦点レンズもぜひ手に入れてください。明るさにビックリです!薄暗い場所で撮影する場合、F値3.5とF値1.8では写る世界が全然違います。単焦点はズームがないので不便ですが、自分の足で被写体に近寄れる環境であれば、単焦点レンズの方が画質はキレイだと思います。
また、明るい場所で撮影する場合においても、良いポイントがあります。F値が小さい方が背景ボケが楽しめます。
メーカー決定の決め手は?
Nikon、Canon共に、フルサイズ機は3つのラインナップで展開しています。
Nikon(ニコン)
- フラッグシップ機(最高級機)- D4(50万円以上)
- 中級機 – D800 / D800E(30万円前後)
- エントリーモデル – D600(20万円前後)
Canon(キヤノン)
- フラッグシップ機(最高級機)- EOS-1D X(50万円以上)
- 中級機 – EOS 5D MarkⅢ(30万円前後)
- エントリーモデル – EOS 6D(20万円前後)
*かっこ内の価格はボディーのみの価格。レンズは含みません。
最高級モデルのフラッグシップ機は、初一眼レフカメラの初心者が手を出すものでは無さそうなので除外。まずはエントリーモデルでの比較を行いました。
Canonの6Dは『世界最軽量』『Wi-Fi機能搭載(*1)』など、軽やか華やかなイメージがあったのですが、よくよく調べてみると『ファインダー視野率が97%』『動画撮影時に音を確認するヘッドフォン端子がない』『SDカードスロットが1ヵ所しかない(*2)』など、自分にとって「ちょっとそれは辛いな…」と思える部分が見えて来たんです。
対してNikonのD600は、『ファインダー視野率100%』『ヘッドフォン端子あり』『SDカードダブルスロット』と、気になる問題がクリアしていました。しかも、D600は6Dにはない『内蔵フラッシュ』があり、またオートフォーカスもD600の『フォーカスポイント39点(内クロスタイプセンサー9点)』に対して、6Dは『フォーカスポイント11点(内クロスタイプセンサー1点)』と、D600の方がカメラにとって大切な機能が大きく上回っていたのです。
6Dの方が勝っている部分もあります。D600が『ISO感度6400まで』に対して、6Dは『ISO感度25600まで』と凄い数字が出ています。暗所については、6Dが強いと言えるでしょう(ただ、6Dはオートフォーカスが弱いので、それISO感度がどこまで活かせるのか不安も感じました)。
そうなれば、Canonにする場合、ワンランク上のEOS 5D MarkⅢを選ぶ事になります。
そこで、「エントリー機でもしっかりとしたカメラ作りをしているNikonは、ユーザーに対してすごく真摯なのでは?」と思ってしまった訳です。エントリー機という特に限られた予算でカメラを作るにあたり、キャッチーな機能で初心者の気をひこうとせず、武骨で真面目なモノ作りをしているニコン社員達の姿が脳裏に浮かんだのです。
正直、Nikonはオジサンっぽいイメージがあります。(笑) 若者はCanonみたいな。
しかし、Nikonの「プロモーションは不器用だけど、真面目な物作りをしている」という、自分の中から沸いて出た勝手な印象に心揺さぶられ、Nikonを選ぶ事にしました。
これからはNikon一筋です!
*1. SDカードスロットには、Eye-Fiと普通のSDカードを入れています。Eye-Fiにjpg、SDカードにRaw(生データ)を保存するように設定。Eye-FiはWi-Fi(無線)でスマートフォンやパソコンに画像の転送が出来ます。またEye-Fiの上位モデルではGPSも付加する事が可能。これでCanon 6DのWi-Fi機能に匹敵する事ができます。
*2. フラッシュは、逆行で撮影したい時に役立ちます。内蔵フラッシュのおかげで、別売りのストロボを持ち歩かなくても、ある程度の対応は可能です。また、将来的にストロボ(スピードライト)を追加購入した際は、内蔵と併用し2つの方向からフラッシュを当てるなど、より高度な使い方が楽しめるようになります。
早速、ハードな環境で試し撮り。
撮影は、 3月6日渋谷eggmanにて。SUNSET the Platinum Sound主催のレゲエ・イベント「Dancehall Flex」で行いました。暗くなったり、照明で急に明るくなったり、さらに対象物も激しく動き回っているという、ハードな撮影環境。そんな中でも、パキッとした一瞬を捉えることが出来ました。
Special Thanks, SUNSET the platinum sound !!
最初でこんなに撮れるなんて感動です!
これまでうまく撮れずに悩んでいたクラブやライブハウスなどの暗所撮影。本機ニコンD600購入前は、コンパクトなミラーレス一眼流行の先駆けとなったデジタルPENの初代機 EP-1を使用していました。PENは明るい場所での撮影はバッチリだったのですが、暗いところでは難しかったんです。
今回はF値の小さい単焦点の50mmのみで撮影しました。でも、そのうちに望遠でF値が小さい明るいレンズが欲しくなったりするんでしょうね。望遠で明るいレンズというのは、より高価なんです。
ファーストインプレッション。最後に使用感など。
D600は軽い!もちろんコンデジやミラーレスに比べれば重いのですが、これまでデジタル一眼レフカメラに抱いていたズシッとくる重みではありません。グリップを握って片手に持ったまま数時間いても、特に腕の疲れは感じませんでした。
写真のように、付属のカメラストラップを手首に掛けて手のひらにクルッと1回巻けば、ハンドストラップのようになります。手首にも重量を預けることができるので、握力が辛くなるという事もなかったです。
「どうせ一眼レフなんだから、重くてもかまわない」と思っていたのですが、D600を一晩使ってみて、重量というもの大切だなと思いました。
あと、絞り値(F値)、シャッタースピード、ISO感度へのアクセスが容易。これは他の一眼と比べたわけではなく、D600を使ってみての感想です。ファインダーを覗きながら、親指と中指でグリグリと素早く露出調整できるのは素晴らしかったです。
それとバッテリーの持ちは充分と、価格.comなどでは評価されていたのですが、Eye-Fiを使うと一晩100枚程度の撮影とiPhoneへの転送でバッテリーが無くなりました。これはEye-Fiの問題であって、これまでのPENでも同様です。Eye-Fiを使う方は予備バッテリーを持っておいた方が安心だと思います。
次は動画撮影にもチャレンジしてみます。
Nikonの一眼レフは動画の撮影も可能です。少し前に買った、Canonのデジタルビデオカメラ「iVIS HG M52」(Swingin’ Thinkin’ レビュー記事)との2台体制で、ムービー制作にもチャレンジして行こうと思います。
以下、ニコン公式のD600を使ったサンプルムービーとそのメイキング映像です。D600の微速度撮影機能も駆使した美しい映像を、1080p HD画質、フルスクリーンでぜひ見てください。
ニコン vs キヤノン
ニコン vs キヤノン!どちらが強いのか? をショートムービーにした作品です。何の参考にもなりませんが、機種選びの際に見つけて面白かったので紹介します。メイキング映像をみると、すごい大掛かり。楽しそうです。
<最後にひとこと>
ようやくカメラ選びから解放されました。相棒も決まったし、これからはしっかり撮影して行きます。写真は楽しいですね!
また、もし自分とおなじく初一眼レフの購入で悩んでいる方いましたら、ぜひ前回の記事「NikonかCanonか?はじめてのデジタル一眼レフカメラ選び」と合わせて読んでみてください。皆さんそれぞれの納得したカメラ選びを!!