大阪へ行って来ました。
NG HEAD vs JUMBO MAATCH、DeeJayクラッシュ「COMBAT」を観戦するためです(イベントの内容についてはこちら)。
両者に戦いっぷりについては、開催翌日にレポート記事を書きました。クラッシュ前後の観客のコメント、戦い抜いた両者への楽屋インタビューなどを行わせて頂いています。近日どこかで公開されると思いますので、ぜひそれを読んでくださいね(公開されたらTwitter @KeitaroKitano でもシェアします)。
さて、ここ個人ブログでは、私、北野啓太郎の個人的な想いや感想を書かせて頂きます。
大阪の旅で思い出した、忘れていた想い
僕は、いま東京で暮らしています。かつてはロッカーズアイランドが運営するレゲエ専門のメディア「ROCKERS channel」の編集長を務めさせて頂き、心身ともにダンスホールどっぷりの生活を送っていました。
しかし2016年5月、ROCKERS channelを退任し、現在はフリーランスとして幅広い業界で活動しています。これまではレゲエ関係の仕事が100%でしたが、最近の仕事は「育児」「IT」関連が大半を占めるようになりました。レゲエは時々、といったところです。
そんな生活を送るなか、僕自身の意識が少し変化しました。
器用に生きる方法を考えたり、
あらるゆる行動にコスパを意識したり、
リスクヘッジを考え、守りに入ったり……。
何かと合理化を意識するようになったのです。それはそれで良いことだと思います。でも僕は、あることを忘れていたことに、今回の大阪の旅で気づかされました。
それは、チャレンジスピリッツを忘れては行けない、ということです。
NG HEADさんとJUMBO MAATCHさんのDeeJayクラッシュ。いわゆるタイマン対決を見て、男として挑戦することのかっこよさを痛感したのです。
戦い抜いたNG HEAD、JUMBO MAATCHの想い
COMBAT開催前、イベント主催者さんより「DeeJayクラッシュの解説文」「COMBATのプロモーション文」のご依頼を受け、書かせて頂きました。そんなことがあったので、僕のなかでは早い段階から、「どんな戦いをするのだろう?」「今、両者はどんな気持ちなんだろう?」などと考えていたのです。
そして、いよいよ切られた決戦の火蓋。
DeeJayクラッシュは、力の差がステージ上で明らかになることがしばしばありますが、今回の戦いに関しては、正直互角。お互いに一歩も退かず、攻撃を繰り返し続けたのです。決戦後、フロアでお客さんに取材を行ったり、レゲエ関係者に感想を求めたりしましたが、「〇〇が圧勝」という意見は誰からも聞くことができませんでした。それだけ両者が凄かったからだと思います。
大変恐縮ながら、イベント主催者さんのご好意で、僕は打ち上げの夕食会に参加させて頂きました。
打ち上げではJUMBO MAATCHさんが少し遅れて来られたので、たまたま席の空き加減なのですが、NGさんとJUMBOさんが同じテーブルに着くことはありませんでした。また、皆で談笑していましたが、NGさんとJUMBOさんが会話することもありませんでした。
その後、別会場で行われたCOMBATのアフターパーティーへ移動。
そこでも、NGさんとJUMBOさんは、お互いそばにはいるのですが、ふたりが会話している場面を見ることがありませんでした。そして時間は深夜4時半すぎ。ようやくおふたりがバーカウンター付近で話を始めたのです。
記事上の写真は、そのときの写真です。
戦い抜いたふたりの緊張がようやく解け、ちょっと顔もほころんでいるように見えました。
「何度も幽体離脱しそうになった」
先の打ち上げ夕食会の場で、JUMBOさんが僕のそばに座ってくださったので、今回の戦いについて色々お話をうかがいました。
DeeJayクラッシュの対戦中、何度も意識が飛びそうになった。意識が身体から抜け出し、自分を斜め上から見ているような感覚に襲われた、と。その度に、自分を引き戻し、戦い続けたとのことです。
また中盤で、「よっしゃ、キタ!」と、NG HEADにカウンターアタックを喰らわせることができるチャンスが訪れたのですが、そのときの心境は「チャンス到来」という思いがある反面、「ここでミスったらヤバい」とネガティブな気持ちも湧き上がり、常に緊張が解ける瞬間は無かったとおっしゃっていました。
僕たち、少なくとも僕は、こんな経験をしたことがありません。かつて、地元の岸和田だんじり祭りに参加していた頃は、団体プレイではありますが、「この瞬間にかける!」という経験をしたことはあります。でも、自分一人でそれを背負った経験はありません。
JUMBO MAATCHさんも、NG HEADさんも、経歴20年以上の大ベテランです。
今さら、そんな辛い想いをしたり、リクスを取ったりしなくても……とも思うのですが、彼らはチャレンジしました。本当にかっこいいと思いました。
もっと、本気で生き抜きたいですね。
本当に素晴らしいものを見させて頂きました。心よりリスペクトです!