2011年11月5日に死去したスティーブ・ジョブズ。彼のあとを引き継いだApple社のCEO、ティム・クック氏がゲイである事を正式に告白しました。
米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は30日、経済誌ブルームバーグ・ビジネスウイークへの寄稿で自身が同性愛者だと公表した。同氏は公表理由を「社会的差別と闘う性的少数者に勇気を与えたい」と説明した。
(中略)保守派の多い米南部州などでは同性婚の禁止など性的少数者を敵視する動きがある。クック氏はこうした動きへの懸念を表明するとともに、アップルが文化的な多様性や性的平等を重視する企業であることを強調した。
アップルCEO、同性愛を告白:日本経済新聞より一部抜粋
レゲエ関係者は今後どうする?
ティム・クックがゲイである事は、Appleファン間では知られた事実でした。スティーブ・ジョブズが闘病中、代理としてティム・クックが陣頭を取る事が決まった際、僕は「ジャマイカ人やレゲエ関係者はどうするのだろなぁ」と思っていました。
しかし、特にこれと言った騒ぎはなく、今に至りました。
ジャマイカでは、男性同士の性行為は法律で禁止されています。それ以前に、キリスト教やラスタファリアンの教えにより、ジャマイカ人の大多数は同性愛者に対して非常に批判的な意識を持っています。こうしたことから、ジャマイカではオカマの事をBatty ManやBatty Boyと蔑み、オカマを攻撃するレゲエミュージックも沢山あります。ちなみにBattyとはパトワ(ジャマイカ語)で、尻の事です。
反面、ジャマイカの男性は沢山の女性にモテること「男らしい」と賞賛する傾向にあり、女性(GYAL / ギャル)をネタにした曲が無数にあります。
日本のレゲエシーンにおいても、それに倣う傾向にあります。
レゲエ関係者の中には、iPhoneやMacを愛用している人は沢山います。今後どうなるのでしょうか? Apple批難、iPhone、Macの不買へとつながって行くのでしょうか?
ティム・クックの発言が与える、レゲエシーンへの影響が気になるところです。
早速、いろんなご意見いただきました。
知らなかった。ただ、僕はレゲエ好きですけど個人の意志としてゲイに対して特別な感情は一切ないので、Mac買わないとかそういう影響はないかな。 ┃ Apple社CEOのティム・クックが、ゲイであることを告白。レゲエ関係者はどうする? http://t.co/3rKJoeK2UE
— Takuya Koroku (@coroMonta) 2014, 10月 31
ガラージハウスが好きな人が皆ホモなワケではないし、この問題はセーフでしょう。⇒Apple社CEOのティム・クックが、ゲイであることを告白。レゲエ関係者はどうする? http://t.co/DpnoLyV55W — H.Neekuni (@nee247) 2014, 10月 31
バティマンやった! | Apple社CEOのティム・クックが、ゲイであることを告白。レゲエ関係者はどうする? http://t.co/chbUXevYdw
— yanagi (@45ism) 2014, 10月 31
また、Facebookのコメント欄にも色々と意見を頂いています。
【追記】ジャマイカ:同性愛嫌悪による暴力が野放し
ジャマイカの同性愛事情についての記事がありました。ご紹介します。
多くのジャマイカ人LGBTが完全な市民権を行使できず、実質的にホームレス状態になっている。出国するしかないと考える人もいる。きわめて弱い立場に置かれているグループとして、家族から縁を切られて路上で生活するゲイやトランスジェンダーの未成年や青年数十人がいる。これらの人びとは、路上で警察や通行人から暴力と嫌がらせを受けている。
路上生活するゲイ青年のブライアン・Tさんによると、ニュー・キングストン市警察は、2013年2月に彼が建設労働者に追い回された事件を調査すると約束したが、その後何の動きもないようだと述べた。ブライアンさんは、友だちと2人で被害届にサインするとき、警官が持っていたペンを使おうとしたら、使うなと言われたと述べた。「その警官は『お前は同性愛者(battyman)だ。同性愛者に使わせるペンはない』と言ったのです。」
HUMAN RIGHTS WATCH:ジャマイカ:同性愛嫌悪による暴力が野放しより一部引用
生まれ育った環境に根付いた倫理観。
近年、LGBTという単語をよく見かけますが、意味は「L=レズビアン、Lesbian」「G=ゲイ、Gay」「B=バイセクシュアル、Bisexual」「T=トランスジェンダー、Transgender」の頭文字をとって出来た言葉だそうです。
ヨーロッパやアメリカの一部の国や地域で同性婚が認められたり、世界的には同性愛者容認の流れになっていますね。しかし、ジャマイカのように同性愛者に批判的な国や地域もたくさんある訳で、この性的倫理観の格差はどんどん広がっているように感じます(同性愛の違法国、合法国については、Wikipedia「同性結婚」に書かれています)。
性的な倫理観は生まれ育った環境にある為、非常に根深い意識と言えます。格差で広まった溝を埋めるのは、まず100年間くらいは無理なんだろなと思います。