ヨナ抜き音階を、ご存知でしょうか。
ヨナ抜き音階で作曲した曲は、あら不思議。どこどなく懐かしい、日本の古き良き風景が浮かんでくる曲調になるのです。
今回は、ヨナ抜き音階の意味と、ヨナ抜き音階で作られた曲をご紹介します。
ヨナ抜き音階とは
ヨナ抜き音階(よなぬきおんかい)は、明治時代以降、多くの童謡で取り入れられ、今もなおJ-POPで使われている日本固有の音階です。この独特の音階は、日本人にはとってとても耳ざわりがよく、心に残る名曲になる秘訣となっています。
明治時代、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階が海外から入ってきたのですが、当時日本では「ヒ・フ・ミ・ヨ・イ・ム・ナ」と呼んでいました。「1・2・3・4・5・6・7」のことです。
- ド(ヒ)
- レ(フ)
- ミ(ミ)
- ファ(ヨ)
- ソ(イ)
- ラ(ム)
- シ(ナ)
ヨナ抜き音階とは、4番目の「ファ」と7番目の「シ」を抜いた音階のこと。
つまり、「ド・レ・ミ・ソ・ラ」の五音音階のことをヨナ抜き音階と言います。
ヨナ抜き音階の曲 童謡からきゃりーぱみゅぱみゅまで
このヨナ抜き音階(ド・レ・ミ・ソ・ラ)は、一体どんな効果があるのか?
まずは、ヨナ抜き音階で作曲された曲を聴いてみてください。
きゃりーぱみゅぱみゅ「にんじゃりばんばん」
童謡「ももたろう」
坂本九「上を向いて歩こう」
太田裕美「木綿のハンカチーフ」
氷川きよし「箱根八里の半次郎」
谷村新司「昴」
童謡「カモメの水兵さん」
ジッタリン・ジン「夏祭り」
ヨナ抜き音階は、海外でも受け入れらている
どうでしたか。なぜか心に残りませんか? これら動揺から昭和歌謡、そして平成のヒット曲まで、様々な楽曲でヨナ抜き音階が使われています。
なかでも、坂本九「上を向いて歩こう」(洋題 SUKIYAKI)や、きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲は世界でもヒットしています。日本のノスタルジーを感じる音階でありながらも、外国人にも受け入れられているのです。
面白いですよね。
ヨナ抜き音階は、ペンタトニックスケール(五音音階)のひとつ
リットーミュージックから出版されている「音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ」(いちむら まさき 著)に、ヨナ抜き音階について、少し触れられていました。
ヨナ抜きのペンタトニック
楽器をはじめて半年以上の人は、すでに使っているかもしれませんし、ペンタトニック・スケールという言葉は耳にしたことがあるでしょう。これは、日本の童謡や海外の民謡、あるいは中国音階で使われる5個の音階でロックの基本です。
(本書より引用)
つまり、五音音階というのは世界中にあり、その五音は国によって様々。それらを総括してペンタトニックスケールと呼んでいます。
日本で使われている「ド・レ・ミ・ソ・ラ」のヨナ抜き音階は、ペンタトニックスケールのひとつという訳です。
NHK Eテレ 亀田音楽専門学校「無敵のヨナ抜き音階」
さて、そんなヨナ抜き音階が、NHK Eテレで特集が行われます。
音楽プロデューサー亀田誠治さんによる「無敵のヨナ抜き音階」という番組です。童謡から、YMO、きゃりーぱみゅぱみゅまで、そのヒットに迫る! そんな企画です。
特に、音楽を勉強されている方や、音楽を仕事とされている方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
NHK総合 番組ウェブサイトより
■亀田音楽専門学校「無敵のヨナ抜き音階」
今回のテーマは「ヨナ抜き音階」。耳慣れない言葉かもしれないが、実はJ-POPの魅力を語る上ではずせない音楽的要素のひとつである。明治時代以降、多くの童謡や唱歌に取り入れられたこの音階が、現代のJ-POPの中でどのように活躍しているのか。YMOからきゃりーぱみゅぱみゅまで数多くのヒット曲を取り上げながら、その秘密に迫っていく。
放送日時:2003年10月17日(木)午後11時25分~午後11時55分
【追記】NHKオンデマンドでの配信は無し
本番組を見逃してしまった方、今のところ見る方法はなさそうです。NHKオンデマンドにもラインナッピされていません。YouTubeなどの動画サイトも探してみましたが、見つかりませんでした。
とても面白い番組でしたので残念です。NHKさん、ぜひの再放送を。