レゲエの人気が落ちてる説は大嘘。だけど夏に人気はかなり本当!

ジャマイカ国旗 (Jamaica Flag)自分の前職はレゲエ専門ウェブマガジンの運営。ROCKERS channelの編集長を勤めさせて頂いていました。そんな事もあり、引き続き今も音楽人と話す機会が多くあります。

近年よくあるのが「最近は音楽業界が低迷している」というネガティブトーク。さらに「レゲエは今、人気がない」という話題も。

断言します。それは大嘘です。ウソっぱちです!CDや配信販売が苦戦しているのは本当だと思いますが、レゲエを求める気持ちは衰えず、人気が無くなっていると言う事はありません。

むしろ去年2012年は、過去7年間で一番関心が高かった!

レゲエ(Googleトレンド)

▲Google Trend キーワード「レゲエ」

音楽の流行を知るには、CDや配信など音楽ソフトの販売数が大きな指標になります。しかし、アンダーグラウンドな音楽の場合、売上額だけで人々の熱狂を伺うことは難しくなります。

そこで、Googleトレンドを利用して、検索回数からブームの流れを見てみました。

上のグラフは、この10年間の「レゲエ」のグーグル検索回数を現しています。どうでしょうか。2005年から2006年に掛けて落ち込みがありますが、ここ7年間を見た場合それほどの変化はなく、むしろ昨年2012年は大きく伸びでいます。

レゲエ地域別人気度(Google トレンド)地域別人気度(人気エリア)は、関東と関西。そして東海、北九州、北海道となっています。

また、人気キーワードは、ダンス、レゲエ祭、ダンサー、横浜レゲエ、イベント、画像、ランキング、動画、パンチなどです。

さらに「レゲエ」と「ヒップホップ」で比較してみました。

レゲエとヒップホップの比較(Googleトレンド)

上の青が「レゲエ」、下の赤が「ヒップホップ」です。

ヒップホップは季節での差異はほとんどありません。多くの人にとって、レゲエは夏の音楽なんだと伺い知る事ができます。レゲエは、夏になるとめちゃくちゃ聞きたくなる音楽と言う事です。

自分の前職のボス、ロッカーズ・アイランドのタッカー社長は良く言っていました。「日本人は気持ちよくレゲエを楽しむのが好きだ。だからジャマイカで歌詞が悪すぎるバッドマン・チューンが流行っても、日本で長く人気が続かない。皆が求めているのはハッピーな気分になる明るいレゲエ。日本はジャマイカとはちょっと違う独自の傾向があるんだ」と。それは実際のレコード売上枚数からも知る事が出来ます。

Swingin’ Thinkin’:最高の音楽ジャンルはレゲエ。その理由とベスト盤。

では、世界のREGGAEトレンドは?

上では「REGGAEとHipHop」ではなく「レゲエとヒップホップ」で比較しました。これは日本でのトレンドを知るためです。では、世界のトレンドを知るため、英語で検索するとどうなるか?
REGGAE HipHop (Google Trend)

青が「REGGAE」赤が「HopHop」です。

REGGAEに関しては、日本も世界も毎年ほぼ同じ数値で推移しています。世界中でREGGAEの人気がキープされていると言う事です。また日本と同じく検索上昇ピーク時期は夏。日本のピークは7〜8月に対して、世界ではキッチリ7月にピークを迎えています。ほとんど同じですね。

レゲエの関心は高いので、やり方を変えるべき。

リーマンショックにも耐えたレゲエ!
CDや配信が不調なのは、レゲエに限らずの音楽シーン全体の大きな流れなので、これは仕方が無いと思います。ただ、これだけ関心が高い業界(音楽ジャンル)ですので、やり方を工夫すればこれからも人気は持続して行くと思います。

世の中のネガティブな噂に流されてしまってはダメです。

レゲエファン、そして業界を支える裏方組の皆さんには、ぜひ新しい発想で新時代を切り開いて欲しいなと願います。もちろん、まだ業界に入り出来ていない若い方も、アイデアと行動力で未来をつくって欲しいです。

世の中に溢れる不況感や閉塞感。くれぐれもダマされて振り回されないようにご注意ください!

レゲエ情報を届ける最適の時期は、6〜8月がベスト。

さて最後のまとめ。ここまでを振り返ってみると、夏は一般層、夏以外はレゲエのコアファン層に、情報がリーチできると考えられます。なので、一般層に向けて新曲やイベント情報を届けたい場合は、夏前を含む6〜8月がベストです!5月頃から小出ししつつ、6,7月にドカーンと。

また、NO REGGAE, NO LIFEなコアファン層に向けては、逆にシーズンを外した方が他の情報に埋もれずに目立つと思います。

<情報出しのベストシーズン>
・5〜8月:一般層
・9〜12、1〜4月:コアファン層

とにかくレゲエは多くの人が欲している、そしてそれは毎年夏にピークを迎える。この流れは少なくとも10年間は変わっていません。あらゆる業界、ジャンルでトレンドの動きが激しい昨今、これは凄いことだと思います。

 


<最後にひとこと>
レゲエに関する情報を手に入れるには、以下の方法が現在主流です。

ネットでは、先に紹介したダンスホールレゲエWEBマガジン「ROCKERS channel」や「24×7 Records」「Riddim Online」「Extra-Classic」、レゲエ専門のレコード&CDショップ「ROCKERS ISLAND」「DUB STORE」、ファッションショップ&ブランド「kette★」「E.S.P. TRICKSTAR」「Dissident」「Mural」「Special 1」「AnSWeR」、レゲエに特化した音楽配信サイト「REGGAE ZION」「DANCEHALL.JP」イベント情報の「REGGAE LIFE」、そして「Twitter」やアーティスト、サウンド、ダンサー、デザイナーさん達の各サイトやブログ「Mighty Jam Rock」「Mighty Crown」「RYO the SKYWALKER /BUSH HUNTER MUSIC」「PUSHIM」「STUDIO MURASAKI」「BURN DOWN」「SUNSET the Platinum Sound」「YARD BEAT」「BARRIER FREE」…and more!! more!! more!!

リアルでは、レゲエに特化したCDショップ、服屋、飲食店、クラブ、バーなどに設置されているフライヤー(チラシ)コーナーをチェック。イベントやリリースなどの情報を視覚的に探す事ができます。もちろん、お店のスタッフにレゲエについて質問するのもおすすめです。「これは素人すぎて恥ずかしい質問なのでは…」との心配は無用です。昔はおっかないレコ屋の店員さんも多い時代もありましたが(客に不良が多かったので)、今は優しいお兄さん達が多いです。また、ファッション誌「Woofin’」やフリーペーパー「HARDEST MAGAZINE」などの雑誌でもレゲエの特集がよく組まれています。

あと最後に、レゲエは現場といわれるイベントへ行ってみるのが最も楽しめると思います。自分は高校生の頃FMラジオでにレゲエと出会い、しばらくは一人黙々と聴くオタクだったのですが、しばらく後にレゲエのダンス(レゲエではイベントの事をダンスとも言います)へ行き、レゲエ特有のサウンドシステムの音や、その熱狂する空気感にヤラれ、それから20年以上もレゲエを毎日聴き続けてる事になりました。レゲエは耳と頭だけではなく、全身で感じる事ができる体感音楽です。”レゲエって良いな” って思った方は、クラブイベントや野外ダンス、野外フェスなど、ぜひレゲエの現場へも行ってみてください。人生変わりますよ!