日本を代表するお祭り、大阪南部の岸和田市で行なわれてる「岸和田だんじり祭り」の経済効果が、日本経済新聞に掲載されていました。岸和田だんじり祭の経済波及効果の推計は、今回が初めてとの事です。
昨年9月の祭の波及効果は岸和田市で約25億円、泉州地域全体で約40億円だった。同研究所は「祭は文化の継承だけでなく、地域に大きな経済効果をもたらしている」とみている。(中略)昨年の祭は台風の影響で観客が約46万人と少なかったが、例年通り観客数が約60万人であれば、岸和田市では約28億円、泉州地域全体で約46億円に達するとした。
昨年の岸和田だんじり祭、経済波及効果は約40億円:日本経済新聞より一部引用
岸和田だんじり祭りって何?
説明するより動画を見てください。高さ約4メ
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岸和田だんじり祭り – 大阪府岸和田市公式ウェブサイト:祭都きしわだ
観客数60万人は多いのか?
参照:岸和田市ウェブサイト
ズバリめちゃくちゃ多いです!
岸和田市の人口は約20万人、その街に60万人の観光客が訪れる訳です。
岸和田市の人口の3倍がやってくる!
4人暮らしの家に12人の客がドッと押し寄せる、40人学級に120人の両親祖父母がくる授業参観、座席数100席の飲食店に300人の行列。例えるなら、そんな印象です。
ちなみに京都祇園祭の観客数は、『宵山38万人、山鉾巡行13万人』と言われています(Wikipedia参照)。
岸和田市の経済効果25億円は凄いのか?
ズバリめちゃくちゃ凄いです!
岸和田市の一年間の税収は約240億円。岸和田市一年間の税収10%に相当する金額が、お祭りで動いているのです。
参照:岸和田市ウェブサイト
岸和田市の住民は、お祭りで儲かっているのか?
岸和田では「一年の計は祭りにあり」と言われており、一年の節目を祭と感じている人が多く、9月はじまりのカレンダーも多く使われているほどです。
また、現在お祭りの開催日程は「敬老の日直前の土日」と週末となっていますが、2005年以前は「9月14日、15日」と決まっており(岸和田地区・春木地区の場合)、平日であっても小学校・中学校は臨時休校、企業の多くも臨時休業となりました。
岸和田市民はお祭りで儲かるかどうかの調査は見当たりませんでしたが、おそらく多くの市民は「だんじり祭りで大金を使う」という方がほとんどだと思います。
お祭り運営費に関しては、地元の企業や事業者だけでなく、個人名義でも沢山の寄付をする文化があります。一人当たり数万円〜数十万円程度。多い方は総額100万円以上の方もいます。また、お祭りで繁盛する企業や商店の多くは、その利益を、各町内会や青年団など各種団体に寄付をしています。
企業も個人も、年に一度のだんじり祭りでパーッと散財するイメージでしょうか。岸和田では、一年でもっともお金が動く時期ですが、儲かるとは逆で、大金を使うという印象です。
だんじりは担ぐものではありませんよ
この日経新聞に掲載の調査は「9月の祭」とありますが、岸和田市では10月にも山手方面でだんじり祭りが行われており、そちらもすごく熱狂的です。さらに岸和田を含む「泉州」と呼ばれる地域一体で、広くだんじり祭りが行なわれています。
日本全体として人口減少、少子化の流れがある中、岸和田市も少なからずその影響を受けていると思いますが、そんな中、これほどまでの観光客と呼び込むというのは凄いことです。
僕は現在東京在住ですが、都内では「だんじりを担ぐ」と言う人が沢山います。だんじりという名前は知っているけど、見た事がないので、「曵く」ではなく、神輿のような「担ぐ」だと無意識に思ったのだと思います。60万人でも充分ですが、岸和田市はこの観光資源をもっともっと広げることは可能だと思います。岸和田市町、岸和田市役所、岸和田市民の皆さま、ぜひ更なるだんじりを!
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僕が運営している、男性視点の子育てサイト「パパやる」にも、だんじり祭や地域の町内会について書いています。ぜひ、合わせて読んでみてくださいね!