NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」、たまった録画を追いかけてみています。やっと1ヶ月遅れの「『あなたの暮し』誕生す」の週まで追いつきました。今更ながらですが、めっちゃ面白いですね!
僕自身、メディアが好き、メディアに携わる者としては、戦後から現代まで続いている《凄い》雑誌の誕生秘話が見れるのは、興奮以外のなにものでもありません。チャレンジ精神溢れる常子と、頑固で厳しい花山さんは、まさに雑誌編集部の《元祖》とも言える組み合わせですね。近年のウェブメディアやIT業界はワイワイと楽しい雰囲気がありますが、雑誌編集部はピリッとした厳しさが今でも感じられますもんね。
さて、とと姉ちゃん内では「あなたの暮し」と命名された雑誌ですが、本当の名前は「暮しの手帖」。暮らしの手帳や、暮しの手帖ではありません。暮しの手帖です。
暮しの手帖(2016年8〜9月号)は、創刊号よりぬき復刻版が特別付録
その暮しの手帖の最新号に、「創刊号の復刻版」が付いていることを知り欲しくなりました。花山さんが描いた表紙絵、そして常子、鞠子、美子の三姉妹がモデルになった直線裁ちなど、番組の小道具ではなく本物が見れる! ……と。
しかし、どこへ言っても売っていない。
Amazonで検索してみると品切れ状態。定価の倍ほどの値段で中古品(誰かの買い占め品?)が販売されていました。その後、銀座、渋谷の大型書店も見ましたが、いずれも売り切れ。
無いとわかれば、よけいに欲しくなります。
数日後の8月16日、渋谷のショッピングビルMODI(モディ)内の「HMV&BOOKS TOKYO」に2冊だけありました! しかも雑誌コーナーに置いてある分は品切れでしたが、別のフロアの奥の方に、たった2冊だけが鎮座していたのです。
もちろん、速攻買いました! やった!!
渋谷MODI、今はもう品切れです。暮しの手帖
この記事を見て、渋谷へ行こうと思った方、すでに手遅れです。僕が購入した翌々日、改めて訪れると売り切れていました。雑誌コーナーにも追加の入荷はありません。
とと姉ちゃんファンであるあなたが、もし書店で見かけたのであれば、迷わず購入するのをおすすめします。また、すでに持っている方は、友人や同僚への貴重なお土産としても良さそうです。
今も昔も、メディアは読者を想像することが重要
最後に、話は戻って朝ドラ「とと姉ちゃん」について。
僕が、特に好きなシーンはここです。常子が、最初につくった雑誌「スタアの装い」に対しての意見を、花山に求めるところです。
何を見せたいんだ?
文章か? 洋服か? テーマは何だ!?
どのページを見ても、同じような割り付けで飽き飽きする。紙も劣悪で、手触りも悪い。こんなものに7円払うなら、ちり紙を100枚買う事を勧めるね!
そもそも君は読者を想像できていない。
外国人や一握りの令嬢が着るような浮世離れした洋服を載せて何になる? 周りを見てみろ! 焼け野原の中、食う物も着る物も最低限しかない中で生きているんだ。作り方を載せたところで、材料などどうやって手に入れる? 型紙も載せないで、読者が本当に作れると思うのか?
もう、いいだろ。帰れ。
「読者を想像する」。
この花山の言葉は、およそ70年経った今でも変わらない大切なことです。だからこそ、戦後焼け野原の時代に生まれたこの雑誌が、豊かな現代にまで続いている秘訣なんでしょうね。
近年、雑誌だけに限らず、多くのメディア(媒体)が生まれては廃れています。とと姉ちゃんと、暮しの手帖を通じて、メディアのあり方が学べます。
あぁ〜、早くたまっている録画を見て、みんなと「今日のとと姉ちゃん」について話せるところまで追いつきたいです!