ジャニーズ公式ホームページが9年前のままの化石デザイン。未だに要Flash Player

僕はSMAPのファンという訳ではありませんが、それでも解散となると寂しいもんですね。5人が並んでいる姿は、テレビの音楽番組以外にもCMや街のポスターや雑誌の表紙など、あらゆるところで本当に長いあいだ見慣れてきたので、それが無くなるというのは不思議な気分です。

僕が初めてSMAPを知ったのは、光GENJIが「俺たちの弟分だ!」といった感じでテレビでSMAPを紹介したときで、そのとき香取くんは小学生でした。デビューしたてだったと思います。あれから30年近く人気をキープし続けたのですから、すごいことです。歌だけでなく、バラエティーやドラマでも活躍しました。僕は、役者の香取くんが好きですね。

さて、そんなSMAP解散のお知らせがネット上で拡散されていたので、ジャニーズのウェブサイトへアクセスしました。見ると、とんでもなく古い時代のウェブデザインだったのです。……え、なぜ? と思えるほど。

トップページには「ENTER」のボタン。
そして、ページ下部には「本サイトを閲覧するには、Flash Player 10以上が必要です」の注意書き。

ジャニーズのウェブサイト(2016年8月)
ジャニーズのウェブサイト(2016年8月)

天下のジャニーズが、なぜこんなダサいサイト!? 「偽物じゃないのか?」も視野に入れ、少し調べてみました。

2003年10月、株式会社アートバンクがドメイン(johnnys-net.jp)を取得

WHOIS検索

まず、ジャニーズ公式サイトのドメイン(URL)について調べてみました。

  • 登録者名 株式会社アートバンク
  • 登録年月日 2003年10月2日

Wikipediaによると、株式会社アートバンクは「携帯コンテンツ事業、2003年5月14日からスタートしたモバイル公式サイト「Johnny’s web」のために設立」した会社だそうです。

資本金などの関係はわかりませんが、要は株式会社ジャニーズ事務所の関連会社ということです。偽物ではなさそうですね

2003年12月、johnnys-net.jp オープン

*以下、ウェブサイトのスクリーンショットの画像は、Wayback Machineからjohnnys-net.jpへアクセスしたものを使用しています。現在のサイト、及び現在の情報ではありません。

ジャニーズのウェブサイト(2013年12月)
ジャニーズのウェブサイト(2003年12月)

Wayback Machineという過去のウェブサイトがアーカイブ(保存)されているウェブサービスを使って、昔のジャニーズ公式サイトへアクセスしてみました。

これがアーカイブされている最も古いデータ。2000年代前半ですので、古さは否めませんが、当時は確かにこんなデザインのサイトが多かったです。

ちなみに、同時期のAppleはこんなデザインでした。これでも当時はスタイリッシュだと賞賛を浴びていたのです。画面上部にある立体的なタブデザインのナビゲーションが流行っていました。

Appleのウェブサイト(2003年11月)
Appleのウェブサイト(2003年11月)

2006年2月、johnnys-net.jp ちょっとだけリ・デザイン

ジャニーズのウェブサイト(2006年2月)
ジャニーズのウェブサイト(2006年2月)

左カラム(画面左のナビゲーション)や、画面中央にバナーが設置されました。上のタブもいくつか数が増えています。

2007年7月、johnnys-net.jp フルリニューアル

ジャニーズのウェブサイト(2007年7月)
ジャニーズのウェブサイト(2007年7月)
ジャニーズのウェブサイト(2007年7月)
ジャニーズのウェブサイト(2007年7月)

ジャニーズのウェブサイトがフルリニューアルしました。当時、このようにトップページに「ENTER」ボタンがあるサイトが流行しました。そして、ページ下部に「本サイトを閲覧するには、Flash Player 6以上が必要です」と注意書きが書かれています。

今となっては知らない方も多いかと思いますが、かつてFlashを提供するAdobe社とApple社が対立し、2010年頃よりAppleのタブレット端末(iPhone、iPad、iPod touch)がFlash非対応となりました。以降、Flashがみるみる衰退し、現在、要Flashを掲げるサイトはほぼ絶滅状態なのです。

2013年8月、johnnys-net.jp 他言語化

ジャニーズのウェブサイト(2013年8月)
ジャニーズのウェブサイト(2013年8月)

フルリニューアルからおよそ6年。ジャニーズ公式サイトは、デザインはそのままに多言語化しました。日本語に加えて、英語、中国語、韓国語で閲覧することができます。

以上、ここまでがジャニーズ公式サイト(johnnys-net.jp)のウェブデザインの歴史です。このデザインは、今現在も続いています。

johnnys-net.jpを、スマホで見るとこうなります。

2016-8_johnnys-net_1

2016-8_johnnys-net_2

2016-8_johnnys-net_3

 

スマホ用にデザインされていたり、レスポンシブデザインになっている訳では無いんですね。PCと同じデザインで表示されました。

……と、ここで気がついたのですが、ジャニーズの公式サイトは、PC用と携帯用が別のURL(アドレス)だったのです。

むむむっ! 確かに10年ほど前は、PC用と携帯用のサイトが別URLになっているのはよくありました。仮にドメインが同じだとしても、URLの後ろに「/i/」がついて一階層深いところにあったり、サブドメインを設定していたり。

今は、PC用と携帯(スマホやタブレット含む)用サイトは同じURLなのが主流です。同じURLでアクセスして、自動的に機種を認識し、それぞれの端末に最適なデザインで見せるという手法です。

ジャニーズは、インターネットに疎いのか、軽視しているのか

サイトデザインが古臭さすぎるのは、ジャニーズ事務所のスタッフやアーティストもわかっていたことでしょう。なぜ、時代に合わせてリニューアルしないのか? それは、決して経費削減なんかでは無いと思います。

ひとえに、ジャニーズがインターネットを軽視しているからでしょう。

anan (アンアン) 2015/12/09 [雑誌]

これ、なんだかわかりますか?
雑誌ananのKindle版(電子書籍)です。SMAPなどジャニーズのタレントが出ている場合は、このようにシルエット(塗りつぶし)にされているのです。これは購入しても同じ。デジタル版の場合は、その姿を見ることができません。

何を恐れているのか、顧客を囲い込もうとしているのかはわかりませんが、ジャニーズは、インターネットを軽視どころか、完全に避けている様子が伺えます。

SMAPはじめ、ジャニーズの功績は凄まじいものがあります。しかし、これは一体どうしてなのでしょうか?

ウェブサイトの古臭いデザインから、ジャニーズ事務所の旧態然を感じました。SMAP解散の裏には、こうしたジャニーズの昔から変わらない体制が少なからず影響しているのかもしれませんね。