大阪のレゲエクルー、Mighty Jam RockのJUMBO MAATCH(ジャンボ・マーチ)さんが、レーベル “BEAN BALL RECORDS(ビーン・ボール・レコード)を設立。第一弾作品として、自身のソロアルバム「the MUDER CASE BOOK」をリリースしました。
BEAN BALLとは、バッターの頭を狙う極悪ピッチングのこと。侠気(おとこぎ)にこだわるJUMBO MAATCHの作品は、エグいほどカッコいいです!
まずは、レーベル設立・アルバム発売おめでとうございます!!
ライナーノーツ(作品解説文)を書かせてもらいました
そんな記念すべき機会に、僕は作品の「解説文」を書かせて頂くという貴重な機会を頂きました!
それは、CDアルバム内に封入されているリリックブックに添付されています。またライナーノーツに加え、CDジェケットのキャッチコピー、レーベルBEAN BALL RECORDSについて、JUMBO MAATCHさんプロフィールなど、作品まわりの文章をまとめて依頼してくださったのです。
僕は、JUMBO MAATCHさんに取材をし、じっくりとお話しをうかがった上で書きました。彼が抱える想いに、お人柄を反映しつつ、作品の魅力を文としてまとめさせて頂いたのです。
本ブログ記事では、その一部をご紹介します。
ぜひ、アルバム「the MUDER CASE BOOK」を購入し、ライナーノーツを片手にじっくりと聴いて欲しいです。
危険なレーベル名・アルバムタイトルですが、本作はなよっちい世の中に投げ込む『喝』! 人として、男として、無視してはいけないルールがビシッとわかります。
アルバム解説「the MUDER CASE BOOK」【一部紹介】
ボールはいいぞ、銃声が響かない。バッターの頭を狙う極悪ピッチング“BEAN BALL”を たくらみ、Mighty Jam RockのJUMBO MAATCHが新レーベルを設立した。第一弾は、 J.M.のソロアルバム「the MUDER CASE BOOK」。硬派を貫く男の『十三の流儀』を伝える。軟派男を震え上がらせろ!
ダンスホールレゲエには、相手を攻撃するための「キルチューン」や、不良のルールを伝 える「バッドマンチューン」にカテゴライズされる曲がある。本アルバムタイトルに含ま れる「Muder(マーダー)」は《殺人》という意味だが、そこからキルチューンやバッドマンチューンを集めたコンピレーションアルバムだろうと考える方は多いだろう。
だか、それは軽はずみな判断だ。
JUMBO MAATCHは、言わずとしれた日本を代表するレゲエクルーMighty Jam Rockのメンバー。MJR名義のアルバムをこれまでに16枚もリリースし、さらに他レーベルへの参加も行うなど、質・量共にシーン筆頭のDeeJayである。ソロアルバムを出すにあたって、 そんな単純なコンセプトで作品作りをするはずがない。
何が彼をMuderへと駆り立てるのか。Muderer(マーダラー・殺人者)は、情け無用な心しか持っていないのか。Mudererにも筋はあるし、無常もあれば厚情もある。本作「the MUDER CASE BOOK」は、世を睨みつけながら君臨し続けるJUMBO MAATCHという男を深掘りし、その素顔に迫る人間ドラマなのだ。
「the MUDER CASE BOOK」は、アルバムを通して聞くことで、JUMBO MAATCHが伝えたいメッセージがより理解できるようになっている。なにより、JUMBO MAATCH自身が本ドラマを作り上げるために、2曲を除いてすべてアルバムのために心の内を吐露した新曲だからだ。そのため、ライナーノーツでは曲解説は欠かせないと筆者は考える。アルバムを購入したリスナーは、一度はこのライナーノーツを片手に「the MUDER CASE BOOK」を静聴して欲しい。
(続きは、作品に封入されている「ライナーノーツ」にて! 1曲ごとの全曲解説をさせて頂きました)
レーベル「BEAN BALL RECORDS」について
説明が最後になったが、本作はBEAN BALL RECORDSからの最初のリリースアルバムとなる。BEAN BALL RECORDSは、JUMBO MAATCHがソロアルバムをリリースするために設立した音楽レーベルだ。
“危険球” 。BEAN BALLは野球用語で、ピッチャーの狙いをバッターの頭に定め、打者を恐怖に陥れる極悪戦略のことだ。もちろん反則行為で、使用したら退場を通告される。本作のイントロで「なよっちいのはやだね」と言い放っているように、JUMBO MAATCHが狙うのは、軟派な男だ。
近年、ダイバーシティー(多様性)という考えが注目されており、人の個性を尊重するようになってきた。これは良い流れだ。だからといって好き勝手やっても良いわけではない。人として、男として、無視してはいけないルールがあるはずだ。JUMBO MAATCH は、6曲目のS.J.Wで「気に食わない相手にゃ最低限のマナーすらない」と怒りをあらわにする。イキがる野郎は、即退場してもらいたい。
男を貫くJUMBO MAATCHの背中を見て育った若者たちが、その想いを継承し、新たなBEAN BALLを次々とぶち込めば面白いムーブメントになるのではと筆者は期待する。
BEAN BALL RECORDSからの危険球は、極悪非道ではない。なよっちい世の中に投げ込む『喝』なのだ。
JUMBO MAATCHプロフィール
JUMBO MAATCH(ジャンボマーチ)
大阪生まれ・大阪在住のレゲエDeeJay。1990年代半ばにマイクを握り始めて以来、20年以上シーンの最前線で活動を続ける。侠気にこだわったラガな生き様を図太い声で伝えるのが特徴だ。
1998年から続く日本最大級のレゲエフェス「HIGHEST MOUNTAIN」を主催するMighty Jam Rockのメンバーとして、同クルーのTAKAFIN、BOXER KIDとの3人ユニットでのアルバムを16枚リリース(2017年6月時点)。さらに他レーベルへの曲提供、フィーチャリングアーティストとしての参加など、膨大な曲を作り上げて来た。
2017年、”危険球”の意味を持つBEAN BALL RECORDSを自身のレーベルとして設立し、ソロアルバム「the MUDER CASE BOOK」をリリースする。自分自身が教わったレゲエの魅力を世に還元し、良い意味でレゲエに捉われ続けたいと将来を展望する。
JUMBO MAATCH「the MUDER CASE BOOK」
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