いやー、面白かった!
久しぶりに読み出したら止まらない本。空いた時間で必死にむさぼり読みました。3日ほどで読了。
嫁さんにも勧めてみたら、速攻でハマり、2歳の子供を寝かしつけたあと、夜な夜なベッドの中などで読んでいました。いつもはフリースタイルダンジョンの動画を見ているのですが、この時ばかりは読書に夢中になり、僕と同じく3日で読破。
夫婦揃って、「めちゃくちゃ面白かったね!」と、大満足でした。
1年前に発売された本を、なぜ今ごろ?
実は、この本が出版されたのは1年ほど前。
先日、ポッドキャスト「ドングリFM」を聴いていたら、「家入一真さんの元奥さんが本を出した」と、お話されていたんですね。「……ん? 元奥さん?」と。
話は前後しますが、家入一真さんとはIT企業ペパボの創業者であり、当時最年少の29歳でジャスダック上場。その後、カフェ、ウェブサービスなど様々な事業を展開し、2014年には東京都知事選挙へ立候補しました。彼の経歴については、Wikipediaを(Wikipedia:家入一真)。
政策をみんなから募集、クラウドファンディングで選挙資金調達など、新しい選挙の在り方、可能性を示してくれた家入一真さんに一票。 #東京都知事選 pic.twitter.com/pcpBciJccH
— 北野 啓太郎 (@KeitaroKitano) 2014年2月9日
僕は、家入さんが離婚されていたのを知りませんでした。
この元奥さんの本を読むことで、妻サイドからから見た家入さんが知れると思い、その本を読みたくなったのです。で、その前に、まずは家入さんの自伝的「我が逃走」を読んでおこうと。
すると、「我が逃走」が最高に面白かった! と言う訳なんです。
家入一真さんは、物静けさと猛々しさが共存する怪獣!
家入さんは、高校一年生の頃にいじめにあい、中退して引きこもりになるんですね。最年少でジャスダック市場へ株式上場させたIT起業家は、実は中卒な訳です。
僕は、そんなことを知る由もなく、家入さんが立ち上げたばかりの「有限会社paperboy&co.」という会社が運営するロリポップというレンタルサーバで、2003年にサーバーをレンタルし、レゲエサイトの運営を始めました。
その後、僕はブログを世に広めたツール「Movable Type」のイベントへ参加しました。2007年だったと思うのですが、その会場で、僕は初めて家入さんとお会いしました。お声をかけさせていただいた際、「ペーパーアンドボーイの家入です……」と、とても控えめにうつむき加減で名刺を頂戴し、僕は「すごいIT起業家なのに、なんておとなしい方なんだ!」と、驚かされました。
その後、家入さんは、2008年に最初のカフェ「HI.SCORE Kitchen」に渋谷にオープンします。そこから立て続けに数店舗オープンするのですが、その際、僕の元に案内状をお送り頂いたんです。家入さんや、家入さんの会社の方と挨拶したのは、あのとき一度きりなので、僕の名刺を大切にとってくれていたのか……と、いたく感激させられました。
当時、僕が働いていたロッカーズ・アイランドの東京オフィスが、その「HI.SCORE Kitchen」がすぐ近くにあったので、社員みんなで行きました。タッカー社長、ニノ、ハヤト、みのりちゃんといったメンバー。店内にあったブランコのような椅子に、ハヤトが嬉しそうに乗っていたのを今でも覚えています。
そこから、しばらくのブランクが開き、2012年、当時ノマドという働き方を世に広めた安藤美冬さんと家入一真さんの対談が原宿のTHE TERMINALで行われ、僕はそれを見に行きました。……が、家入さんは時間になっても来ない。遅刻です。しかも、遅れてやってきた家入さんは「ごめん、ごめん」くらいの感じで悪びれた感じがない。「貴重な時間を割いて、しかもお金を払ってきているのに何なんだよ!」と、当時僕はちょっとイラッとさせられました。
そして2年後、ふたたび家入さんにお会いできるチャンスが! 2014年の東京都知事選を終えたあと、僕は家入さんへのインタビューを行うことになったのです。家入さんが選挙資金を集めた「ShootingStar」というクラウドファンディングサイトがあるのですが、そのサイトの企画で、僕がインタビュアーとライターをすることになっていました。
しかし、何度家入さんにオファーをしても取材許可の返事が来ないということで、その企画は立ち消えになってしまったのです。
とてつもない実行力! 倒れても、潰されても、必ず復活!
僕は、本書「我が逃走」を読み、家入さんのその背景を知ることができました。
物静かだった名刺交換。
カフェの案内状。
対談に遅れてきたこと。
都知事選後の取材依頼。
そのすべてに合点が行きました。
簡単にまとめると、家入さんは「おとなしいけど、とてつもなく実行力あり、ぶっ倒れても、すぐにむくりと起き上がってくる」。そんな方です。
偉そうにはいうけど実行力がない人は、世の中に結構いそうですが、家入さんのような方は、まぁ、ほとんど居ないのではないでしょうか。
とにかく本書を読めば、「こんな面白い人がいるのか!」と楽しめると同時に、勇気ややる気が湧いてきて元気になれます。タイトルに我が逃走とありますが、決して逃げてばかりいる訳ではありません。撤退したり、打ちひしがれたりはしますが、それ以上に復活してくるのです。
久々に止まらない本。面白かったです!
さてと、次は「家族無計画」を読みますか。笑
8bitNewsの堀潤さんが、池上彰さんの選挙特番に出演。家入さんは訴えるベクトルが他の候補者と全く違うと解説。特徴は、インターネットを活用した都民との双方向性、キャッチボールの仕組みづくり。 pic.twitter.com/gMBpo4m03I
— 北野 啓太郎 (@KeitaroKitano) 2014年2月9日
2014年、池上彰さんの選挙特番より。