大卒の3人に1人が、3年以内に会社を辞めるそうです。
大学を卒業後3年以内に会社を辞めた人の割合は、2年連続で増加し、ほぼ3人に1人に上ったことが分かりました。厚生労働省は「企業の働かせ方に問題がある場合は改善すべきだ」としています。
大卒3人に1人が卒業後3年以内に離職:NHK NEWS WEBより一部引用
こんなことは前から言われているので、驚きも何もないんだけど、そろそろ「仕事は3年以内に辞める」ということを前提にして、仕事を選んで行くべきなんじゃないかと思います。
この辞めなかった3人のうち2人が「充実した社会人を送っているか?」と言われれば、そうでは無いでしょう。職場、家庭、金銭的な問題で辞めると言い出しににくい状況である場合も多いと思います。
また、若者が辞めるという話題のたびに「ブラック企業の蔓延が問題」と言うメディアの姿勢も安直かなと思います。若者を安くめいいっぱい働かせるなんて昔からあっただろうし、何より昔は修行や見習いを建前に、ブラック体質当然という風潮もあったはずです。となれば、昔より今の方が良くなっているとも言えるでしょう。しかも、今はネットのせいで炎上するというリスクも企業は持っているわけですから。
僕が社会に出た20年近く前、こんなことが言われていました。
「アメリカ人は、ステップアップするために人生で平均3回転職する。それに対し、日本人は1社にしがみついて安住を望む」、と。
これって今にして思えば、当時の日本はバブル崩壊直後であったけど、まだ上り調子の余韻が残っていたからでしょう。それに対し、アメリカは日本より早く経済の隆盛を極め、日本より早く右肩下がりを経験しています。しかもアメリカは、日本に比べて会社の寿命が短く、倒産やリストラという不可抗力に直面する場合も多くあります。
転職しなくて良いというのは景気が良い表れで、転職する必要があるのは不景気だからなのです。
どちらにしても、日本の経済発展状況、少子高齢化、人口減少から考えて、就職した会社がこの先40年も50年も続くというのは、ほぼありえない事でしょう。気になる方は「企業(会社)の寿命」で検索してみてください。
日本もステップアップ転職が標準化。
話は戻りますが、「仕事は3年以内に辞める」を前提に、新卒者はまず最初の3年間働く場を探すという意識で、就活してみてはどうでしょうか。そうすれば、「今すぐ身に付けたいスキル」「入り込みたい業界」が会社選びの最重要項目になり、福利厚生が多少甘かったり、勤務時間が長かったり、年収が低かったとしても、「3年間は歯を食いしばってでも、いっちょやってみるか!」という意識で、貪欲な3年間が過ごせると思います。
「ブラックだろうがなんだろうが、俺はこの会社から仕事のやり方を盗んでやる!」という気概があれば、「うちはブラックだ…」と嘆きながらイヤイヤ勤務する場合と比べて、同じ3年後に辞めるにしても、3年分の成長度合いは全然違っていると思います。
しっかり働いて晴れて(?)辞める際は、会社は良い人材を手放すことになるので、惜しまれて辞める事となります。そして転職時には、レベルアップした自分を「経験あり」「スキルあり」として売り込むことができます。
新卒カードがなくなるので不利?
3年で辞めれば新卒カード(武器)がなくなり不利だ、という考えもあるでしょう。でも実際に転職活動をしてみると気づくのですが、「経験者求む」の企業がとても多いのです。辞めるまでの間に「経験者」になっていれば、新卒カードを無くしたとしても、新たなカードを持つことになります。
最大の失策は、入社して速攻辞めるというパターンです。これは「新卒カード」も「経験者」も共に手元に残りません。気をつけて下さい。
もし「3年で辞める」が標準化したら…。
会社は良い人材に辞められないよう、必死になると思います。
厚生労働省が企業に「働かせ方を改善するように」と指導するよりも、働く環境というのは、今よりも良くなってゆくのではないでしょうか。
<最後にひとこと>
大卒の離職率についてのニュースを元に書きましたが、これは大卒に限らず、高卒、中卒でも当然同じです。僕の周りでは、中卒と一流大学卒が、同じくデスクを並べてしのぎを削り合っている人が何人もいます。