本の著書はSNSで必死に宣伝するのに、出版社は冷ややか

ここ数年、感じていることがあります。

2020年? いやもっと前、2015年頃からかな……。

本を出版する著者が、SNSやブログで自分の本を一生懸命宣伝している姿をよく見かけます。

  • 予約開始時の告知
  • 発売日の宣伝・拡散
  • 発売後の継続的なプロモーション

一方で、出版社の多くは冷ややか。

たとえば、Twitterの出版社公式アカウントを見ても平常運転。何の熱量も感じられないのです。

原因は、著者と一緒に本をつくり上げた編集者と営業担当が別だからだと思うのですが、それはすごく会社組織的だなと感じます。

「会社と著者が一丸となって売ろう!」

という気概が感じられません。

著者だけが必死になっている姿を見ると、なんとも言えない切ない気持ちになってしまうのです。

出版社はインフルエンサーを消費し続けている

最近は、SNSで人気がある方、いわゆるインフルエンサーの本が書店にたくさん並んでいます。

「また、YouTuberの本か」

と思うことが、頻繁にあります。

出版社はベストセラー作家だけでなく、当然、新たな著者も求めています。そんな中、チャンネル登録者数の多いYouTuberの中から発掘するのは至極自然なことです。

ただ、問題はそこからです。

出版社は、宣伝をインフルエンサーの影響力に頼り切っているのです。それはSNSを見れば明らかです。

「いやいや、そんなことないよ。出版社の営業は書店が主戦場なんだよ」

そんな反論の声が聞こえてきそうです。

でも、そうは感じません。僕は多いときには年間400回以上も書店へ足を運ぶほどの書店好きです。新人著者の新刊が出ても、入荷が2〜3冊で、いきなり背表紙しか見えない本棚に並べられたり、まったく入荷が無かったりするのをよく目の当たりにします。

もちろん、すべての出版社がそういう訳ではありませんよ。

SNSではさほど有名ではないのに、書店ではドーンと大々的に展開している出版社もあります。平台にずらっと積み上げられたり、ポップがつけられていたり、同じ書店内に複数箇所で並べられていたり。

僕がみている感じでは、「ビジネス書ではダイヤモンド社の本はすごく宣伝されているな」と感じます。本屋さんに入ると、よく目立っています。

僕は出版社や書店で勤めたことが無いので詳しいことはわかりませんが、書店内で宣伝するにあたって何か特別な取引条件があるのかもしれませんが、それは著者や読者にとっては関係ありません。

著者がSNSで必死に宣伝しているのに、出版社公式SNSアカウントでは平常運転で、さらに書店でも寂しい感じだと、とても切ない気持ちになってしまうのです……(悲しい)

昨今「本が売れない」とよく言われますが、本気で売る気があるのかな? と感じます。

僕は読書が好きで、歩きながらでも読んでいます。つい先日も、近所の方から「きみは二宮金次郎か」と言われたところです。今回は、本屋さん好き・本好きのいち読者が感じている、切ない気持ちについて書き記しました。

著者、出版社、書店が一丸となって、「これは素晴らしい本なんだ。多くの方に届けたいぞ!」という気概が見たいです。