最新のApple純正キーボードは、「Magic Keyboard(マジックキーボード)」ですが、今回は一世代前の「Wireless Keyboard(ワイヤレスキーボード)」の故障と修理についてお伝えします。
見分け方は、Magic KeyboardはLightningケーブルで接続するバッテリー内蔵充電型で、Wireless Keyboardは電池式です。
スペースキーとcapsキーが、突然効かなくなった
僕はiMacでWireless Keyboardを使用しているのですが、使っているうちに突然「スペースキー」と「capsキー」が反応しなくなりました。
- 電池の交換
- Macの再起動
まずは、このふたつを試しましたが、結果は同じ。ネットで検索するとPRAMクリアなどを行うと良いと書かれていたので試してみました。
- PRAMクリア(NVRAMクリア)
1. Macの電源を切る
2. Macの電源を入れる
3. すかさず「command + option + P + R」を押す
4. ジャーンの2度目の起動音が鳴ったら離す
- SMC(システム管理コントローラ)リセット
1. Macの電源を切る
2. 「shift + control + option」キーを押しながら「電源ボタン」を押し、10秒間そのまま押し続ける
3. すべてのキーを離す
4. 電源ボタンを押して、Macを起動する
これらを試してみましたが、ダメでした。
また、僕はMacBook Proも使っているので、そちらでペアリングをして、使えるかどうか確認しました。もう一台のMacが無くても、iPhoneやiPadをペアリングしても良いでしょう。
- 他のMac、iPhone、iPadでペアリングして試してみる
それでもやっぱり反応しないキーがありました。これでWireless Keyboard本体が故障しているのが確定です。
Wireless Keyboardに入れていた電池が液漏れ!
普通はここで、新しいキーボードを購入するしかないのですが、僕は一台使っていないWireless Keyboardを持っていました。予備キーボードです。
それを使おうと物入れから取り出したところ……。
Wireless Keyboardに入れていた乾電池が液漏れしているようで、電池を開ける蓋がガチガチでビクともしない。10円玉がひん曲がってしまいました。
どうやら、Wireless Keyboardに限らず、電池の液が漏れると金属部分を固めてしまうことがあるそうです。
*【以下の修理方法】独自の方法で試したため、感電など危険が及ぶ可能性があります。参考にということで真似はしないでください!
液漏れで開かない蓋を開ける方法
この開け方は、ネットで検索しても成功事例を見つけることができませんでした。僕はダメ元で、ある方法を試してみました。それはKURE 5-56(クレ556)です。
開かない蓋の部分に、シューっとスプレし、2〜3分待機。そして今度はマイナスドライバーを使ってひねってみると……
開いた!
取り出した液漏れした電池からは、ボロボロと白い粉が落ちてきます。
*【警告】乾電池が液漏れしたときの「液」は「粉」は有害です。気をつけて扱ってください。詳しくはネットで検索してください。
Wireless Keyboardを分解する方法
キーボードの裏側の、電池が入ってる部分の中央に、グレーのプラスチック製のパーツがあるかと思います。これを手で外します。
Wireless Keyboardにはネジが見当たらず、分解できるのはここだけです。
外すのはちょっとコツがいるのですが、ゴム手袋などで滑らないように行うとスムーズです。下から斜め上にあげるように押すと、パカっと外れます。
そして次に、1つだけネジが見えるかと思います。細めのプラスドライバーでネジを外します。
さらにを外します。これは細いマイナスドライバーなどを隙間に入れて、上にクイっと上げれば簡単に外れます(下の画像参照)。
次に、このパーツを電源ボタン側にスライドさせます。すると、スルッと外すことができるのです。
液漏れして腐蝕して動かない乾電池を取り出す方法
これは強制的に取り出すしかありません。僕は乾電池にドライバーを当て、上からカナヅチで叩いて取り出しました。
この時、大量に粉が飛び散るので要注意。
僕は洗面台で作業を行いました。取り出した乾電池は処分しましょう。
液漏れでボロボロになった内部を掃除する方法
そのままでは、新しい乾電池を入れることができません。なぜなら、漏れた液が固まって、内部にこびりついているからです。
僕はかなり長いプラスドライバーを使用し、内部を力任せにゴリゴリと削り取りました。グルグル回しながらの作業です。そして時々ウエットティッシュやキッチンペーパーを詰め込み、内部を掃除。
これを何度も繰り返しました。
それでもなかなかスムーズに乾電池が通らず、そこで再びKURE 5-56をスプレー。これを吹き付けた後に、掃除を繰り返すと、そのうちに乾電池がスムーズに通るようになりました。
組み立てれば完成!
ここまでくれば作業完了目前。Wireless Keyboardを元どおりに組み立てます。
ちょっと悩むのが、基盤をつないでいる透明の平たいケーブルの取り付け方です。これは上から並行にそーっと押し込めば、元どおりきれいに入ります。
気になる方は、最初に写真を撮っておくといいですね。
以上、無事キーボードが使えるようになりました。
Apple純正キーボードは高いけど、使い慣れている方はこれ
僕は幸いキーボードを修理することができましたが、ふつうは新しいものを買った方がいいです。
Apple純正キーボードは、現在複数のラインナップがあります。Appleシリコン搭載Mac(M1チップなど)をお使いの方は、Apple Touch ID搭載Magic Keyboardを選ぶことができます。それ以前のIntel製CUPのMacは通常のMagic Keyboardとなります。
純正キーボードは高いですね。以前は1万円ほどだったのですが、現在は2万円を超えるものまで。
ただ、キーボードに関しては合わないものを使うとストレスが半端ないので、これまでApple純正品を使っていたなら、ここは素直にApple製を買うのが無難です。
Mac対応Bluetoothキーボード、他社製品なら純正品より安く買える
MacのキーボードはApple純正品しか使えないと思っている方も割といるのですが、全然そんなことはありません。MacやiPhone、iPadで使える他社品が多く出ています。純正キーボードが高いと思う方は、こういうのを選ぶと良いでしょう。
このとき「JIS配列」を書かれたものを選ぶのがポイントです。
見た目のスタイリッシュさから英語圏用のUS配列をおすすめする方もいますが、日本語入力される方は断然JIS配列が使いやすいです。US配列には「かな」「英数」キーが無く、日本語と英語を切り替えるときが面倒などの理由があるからです。
JIS配列とは、JIS(日本工業規格)として標準化された、日本語キーボードのキー配列の規格の一つ。日本にしかない仮名文字を含む文字の配置の標準を定めており、現在も多くのキーボード製品がこの配列に準拠している。
IT用語辞典より
余談ですが、Apple純正品にそっくりなAnker製のキーボードがあり、見た目はスタイリッシュなのですが、こちらはUS配列になります。ご注意ください。
以上、ワイヤレスキーボードの修理レポートでした。
繰り返しになりますが、これは僕の勝手な修理方法であり、結構苦戦した上に怪我などのリスクも伴いますので、オススメはしません。同様のトラブルにあった方は、素直に新しいキーボードを購入した方が良いでしょう。