Amazon Audible(アマゾン・オーディブル)が、月額料金はそのままに2022年1月27日より聴き放題サービスへ進化しました。日本向けの会員プランでは、12万以上の聴き放題対象となるオーディオブックやポッドキャストが用意されています。
これまでの毎月コインが付与されて好きな本を選ぶシステムから、大幅にボリュームアップ! 何冊でも聴き放題です。
映画・ドラマ・アニメ見放題の「Amazon Prime Video」、電子書籍読み放題の「Kindle Unlimited」、音楽聴き放題の「Amazon Music Prime」などと同様に、「Amazon Audible」も聴き放題となったのです。
Amazon Audibleは「30日間の無料お試し期間」がありますので、早速申し込んでみました。これは凄いサービスかもしれません!
ラインナップが凄い! 新刊やKindle Unlimitedにない本もある
僕は電子書籍読み放題の「Kindle Unlimited」を5年ほど利用し続けいるのですが、ここで読み放題対象ではない話題の本もAmazon Audible(以下、オーディブル)に並んでいました。
ラインナップは随時変更されるかと思いますが、本記事執筆時では以下の本があります。
再生速度は、0.5倍から3.5倍まで微調整できる
オーディブルはプロの声優や俳優が朗読していて、とても聴きやすいです。
僕は電子書籍をiPhoneの音声読み上げで聞くこともあるのですが、それとは雲泥の差。漢字の読み間違いも無いし、抑揚はあるし、声が美しいし、テンポもいい。さすがプロです!
しかもオーディブルでは、再生速度を微調整することもできます。これは驚いたのですが、0.5倍から3.5倍まで、0.1倍単位で微調整できるのです。
実際試してみたところ、1.5倍までは自然な朗読として聞くことができました。
それ以上になると、早送りしている印象になります。また、最大速度の3.5倍は超高速すぎて聴き取れません!笑
村上春樹「騎士団長殺し」など、俳優による小説朗読もオーディブルで
2022年1月27日からは、俳優の杏さんとオーディブルが共同で企画を行い制作されたオリジナルポッドキャスト「Journey To The Origin With Anne」を含む、人気書籍のオーディオブック版やオーディブル独占配信のポッドキャストも配信開始を予定しています。そして今春には、アメリカの人気コミック「The Sandman」の日本語版が、俳優の今井翼さん・南沙良さん、声優の森川智之さんらの出演で配信開始予定です。
オーディオブックにおいては、村上春樹さん著の10作品の日本語版オーディオブックの制作に向けたプロジェクトを予定しております。日本語では初めてとなる本プロジェクトは、「騎士団長殺し」を高橋一生さん、「海辺のカフカ」を木村佳乃さん、「神の子どもたちはみな踊る」を仲野太賀さん、「職業としての小説家」を小澤 征悦さん、「東京奇譚集」をイッセー尾形さんの朗読での制作を予定しています。それ以外には、「1Q84」「ねじまき鳥クロニクル」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「螢・納屋を焼く・その他の短編」「辺境・近境」の制作を予定しています。
「オーディオファースト作品」についても、今年は新潮社との取り組みで三浦しをんさん著「墨のゆらめき」(仮題) の配信を予定している他、河出書房新社、幻冬舎、講談社、実業之日本社(五十音順)を含む多くの出版社と新たにプロジェクトを始動します。オーディブルと出版社、そして作家の皆様と一緒に、オーディブルならではの、音声での表現にこだわった作品を制作予定です。
耳で読む小説
僕は車を運転しながら、よく小説の朗読を聴いています。僕の場合、どちらかといえば古典作品を「聴く」ことが多いんだけど、自分の小説がほとんど同時代的に「耳で読まれる」というのは、嬉しいようでもあり、また少しばかり気恥ずかしいようでもあります。でもこれからはおそらく、多様な形式をとって小説は読まれていくのだろうし、作家の側も多かれ少なかれ、そういう新しい環境を念頭に置いて作品を書いていくことになるのだろうと思います。これまでになかった新しい可能性が生まれるといいと思う。
村上春樹
村上さんの作品は僕にとって、とても思い入れのある作品ばかりですが、その中でも「騎士団長殺し」は大好きな作品の一つです。以前、この作品の書評を書かせていただいた際に、「これは僕の物語のように感じる」と書かせていただきましたが、今回改めてこの作品と向き合い、どう自分自身が反応していくのか、とても楽しみにしております。村上さんの作品を朗読で表現するという新しい挑戦となりますが、僕の声を通して、「騎士団長殺し」をお届けできれば幸いです。
高橋一生
私は、村上春樹さんの大ファンなので、大興奮と同時に緊張しております。「海辺のカフカ」は発売時に読んでから時間が経っているので、また読み直して、皆さんの想像力を掻き立てることが出来るような朗読を目指して頑張ります。私自身オーディブルのヘビーユーザーで、音楽でもなく、ラジオでもなく、物語が聴きたい時があるので、家事をしながら聴くことが多いです。ですので、「海辺のカフカ」をずっと私の声を聴いてくださる方がいるのかと思うと、有難い気持ちでいっぱいです。張り切って務めさせて頂きますので、どうぞよろしくお願いします。
木村佳乃
本は、紙、電子書籍、耳で楽しむ時代へ
最後に、僕の考えを少し。
オーディオブックはインターネット普及以前からある形式ですが、聴き放題になることによりユーザーが爆発的に増えそうですね。
僕はこれまで、紙の本と電子書籍を並行して読んできました。自由に書き込める紙の良さも好きですし、検索機能が使える電子書籍の利便性も好きです。どちらも欠かせません。
しかし、音声というのも特別です。
僕はラジオっ子で、子どもの頃からラジオを愛聴してきました。また、スマホ時代に入ってからはポッドキャストやVoicyなどの音声コンテンツを毎日楽しんでいます。
音声はながら聴きできるのが、最大の特徴です。家事をしながら、歩きながら、車を運転しながら、お風呂に入りながら、育児をしながら……。しかも不思議なことに、身体を動かしながら音声コンテンツを聴いていると、風景と情報が脳の中で合わさるのか、記憶に残りやすいのです。
あの話、中華料理屋の角を曲がりながら聴いたなぁ、といった具合に。
つまり、「俺は紙の本派だ」「私は電子書籍派だ」といった嗜好ではなく、紙も、電子も、音声も、全部一緒に活用すれば良いと思うのです。それぞれに良さがありますので。
オーディブルは、月額1,500円です。
本1冊分で、好きな本をたくさん聴き放題で楽しめます。ぜひあなたの生活に導入してみてはいかがでしょうか。