2014年の日本はどうなるのか?!
1年前は正直、オリンピックは東京に決まらないと思っていました。富士山や和食の世界遺産登録に関しては予想外。また、円安、株高がここまで進むとも思っていませんでした。逆に、進むと思っていた福島原発事故後の処理が、まったく進展してなさそうなのには驚きです。
さて年末恒例、各種経済誌が2014年の未来予測を特集しています。そこで、以下の5誌を読み比べてみました。日本、そして世界は、今後どう動くのか?!
- 週刊東洋経済
- 週刊エコノミスト
- 週刊ダイヤモンド
- プレジデント
- 週刊ニューズウィーク日本版
週刊東洋経済「2014年大展望&2030年未来予測」
世界と日本がわかる、創刊118年の経済週刊誌。
直近の2014年という小さな視点、そして17年後の2030年という大きな視点で、これからの未来を読み解いている。最もおさえておくべき流れは「人口」。日本が世界に先駆けて、高齢化のフロントランナーとして先頭をひた走る。日本の働き方、医療、生活はどう変わるのか?
働き方に関しては、ひとつの会社や仕事に縛られず、複数の会社や仕事を経験し、場合によっては同時に就くのが普通になると未来予測している。
2014年に関しては、賃金増加による個人消費の回復、円安による輸出の増加がカギだと予測。また経常利益が伸びる会社予想は、1位トヨタ自動車、2位ホンダ、3位KDDI、4位東芝、5位東北電力。逆に落ちる会社は、1位ソフトバンク、2位日本電信電話、3位ガンホー、4位オリエンタルランド、5位日本航空。
*参考:Swingin’Thinkin人口問題関連記事。
週刊エコノミスト「経済大予測2014」
世界と日本の経済事象をつたえる、創刊90周年の経済週刊誌。
世界経済を牽引するアメリカのゆくえが争点。米連邦公開市場委員会(FOMC)は、2013年12月17~18日の定例会合で、量的金融緩和第3弾(QE3)縮小開始を決めた。この米緩和縮小により、新興国にまで流出していた投資マネーが米国に回帰し、新興国の通貨安やインフレを引き起こし、経済を混乱させるおそれがある。
2014年、世界経済の回復が正念場を迎えると予測する。
また、日本においては、アベノミクスの真価、TPPのゆくえ、今後日本経済を引っ張って行く産業(水素エネルギー、機器間通信M2M、増加している訪日外国人の消費)などについて予測している。
週刊ダイヤモンド「2014→2020 総予測」
創刊100周年を迎えた経済週刊誌。
来年2014年から、東京オリンピックが開催される2020年までを展望する。1964年、東京オリンピック開催時の日本は新興国だった。2020年の東京オリンピックは、先進国での開催となる。街の清潔さ、日本人の親切さ、礼儀正しさ、高齢化社会としての暮らしやすい環境など、日本をきちんとみせてゆかないと、と言う。
未来予測は、産業、経済、暮らし、カルチャーなど、幅広い分野での予想が掲載。エコカー競争が水素をつかった燃料電池の投入で最終戦へと突入。株価は3月に1万8000円。為替は円が弱まり、1ドル110円に。
他には、富士山が世界遺産抹消の危機に。テクノロジーの進化で音楽家という職業が必要なくなる。など。
プレジデント「生き方・働き方総予測2014-2020」
毎月第2、第4月曜日発売のビジネス情報誌。創刊50周年。
グローバルな政治経済の視点から未来を大胆に予測、ではなく、本誌では様々な業界で働く著名人のインタビュー、対談、コラム、といった形式で構成されている。《生き方》《働き方》《2014年儲かるキーワード》などをテーマに、賢人の考えが知れる1冊だ。
サムライインキュベートCEOの榊原健太郎氏は、「0から1を興すのがベンチャー。映画やアニメにヒントがある」と説く。神戸大学教授の塚本昌彦氏は「2014年は身体につけるウェラブル端末が普及する年。人間がインターネットにつながることを意味し、暮らしのデザインが変わる」と解説。LIXILグループ副社長の八木洋介氏は、「社長は腹落ちできる言葉を駆使し、周囲を巻き込まないといけない。さらにいい人よりも強い人。チャームも必要」と社長力について語る。
また、8Bitnewsを運営する堀潤氏は、「政府や企業は隠蔽体質だ! と批判する人がいるが、特定のメディアに頼らず、第一次情報に自らアクセスして情報を得よう。例えば、特定秘密法案は突然降って湧いたのではなく、内閣府のホームページを見れば、以前から検討されていた重要案件だとわかる」など、ニュースの見方を解説する。
他にも、カブ知恵代表取締役の藤井英敏氏による、これから急騰するオリンオピック株式銘柄はゼネコンが大本命。また、長谷川不動産経済社代表の長谷川高氏による家の買い時は増税前ではなく増税後など、身近な経済コラムも色々掲載。
PRESIDENT (プレジデント) 2014年 1/13号 [雑誌]
ニューズウィーク日本版「2014年の世界を読み解く」
世界の政治や社会情勢をつたえる週刊誌。アメリカ創刊は1933年、日本版創刊は1986年。
週刊エコノミストでは『アメリカは世界経済の牽引国』と言っていたが、ニューズウィークでは『アメリカは世界の警察官』と表現。なぜアメリカが大西洋や太平洋の海上交通路を警備するのか? なぜアメリカは、独裁者たちが自国民を苦しめているというだけで軍を派遣しないといけないのか? 今、アメリカは、「世界の警察官」の役割を他の誰かに代わって欲しがっているという。
そんな中、アジアに目を向ければ、中国習近平国家主席による経済大革命がはじまる。日本と中国、そして日本と韓国の関係はどうなるのか? またヨーロッパでは、ユーロ危機によりEUの暗雲はいまだ晴れずなど、世界の情勢を解説する。
ニューズウィークは未来予測ではなく、現状の問題点を総ざらいする、といった構成になっている。
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2014年 1/7号 [2014年の世界を読み解く]
2014年予測まとめ。どれを読めば良いの?
読み物として面白いのはプレジデント。パソコンやスマホで、話題のコラムやインタビューを読むような世代にはおすすめです。未来予測という意味では、東洋経済、エコノミスト、ダイヤモンドのどれか好みの1冊を読んで欲しいです。
ただ、1冊オンリーに絞りたい方はニューズウィークをぜひ。世界の今を知ることにより、2014年を見据えることができるでしょう。知はチカラなり!
<最後にひとこと>
日頃、ネットで話題のニュースにばかり目を通しているような気がしますが、こうやってしっかりと作り込まれた雑誌を読むというのも良いもんですね。ニュースをより深く知り、そして自分自身でも考えてみる。なぜか日々目の前にあらわれる炎上ニュースに踊らされていてはダメですね。