雑誌「広告」、市耒編集長さんの余談話が面白かったので紹介。
自分が若い頃、「明日までに新企画100個ね」と、上司にサラッと指示され、突然の徹夜苦行。何とかやり遂げて翌朝提出するも、「うん、あとで見ておくよ」と一言。「ぜってー見てねえよ!コイツ!(怒)」というのは日常だった。
そして編集長となった今、同じように「おい、お前。明日までにアイデア100個ね」と、勉強にもなるだろうと指示をした。すると若手編集部員は、「いや〜、オレ1発目から当てるタイプなんすよ」と即答。
そしてホントに1発で企画をヒットさせた。
今の時代、本気で「企画100個」なんて指示をしたら、『パワハラ』として逆攻撃に遭うので気をつけた方が良い。(笑)
雑誌「広告」市耒健太郎 編集長
アイデアは、ピカッとひらめく事もあれば、ウゥ〜ン絞り出すこともある。仕事でやっている以上、どうしても決められた期限内で、それが必要になる事がある。一晩のときもあれば、1週間後のときもある。もしかしたら、1秒しかない場面に出くわすかも知れない。
そんな場面に備え、「ひらめき力」「絞り出し力」の両方を鍛えておく必要がある。ひらめき力を高めるには様々な方法があるのだが、絞り出し力は自分と向き合い続けるしかない。
カッスカスになるまで、自分の脳から絞り出す。
他で例えるなら、野球部の「ぶっ倒れるまで素振りを続けろ!」に近いかもしれない(実際、そんな事が行われているかは知らないのですが…)。
この若者編集部員の「1発で決めますよ、オレは」には、イラッとさせられる。が、一歩引いて考えてみると、カッコいいようにも思えて来る。ただ、毎回ヒットが出る訳はなく、ボロボロ、ズタボロになる努力も時には必要。しかし、この若者はきっとそんな姿は見せないだろう。
20歳前後の若者を思い浮かべてみると、「俺、必死やってます」的な姿勢は見せてないような気がする。スポ根ドラマやマンガと言ったたぐいも、最近は減って来ているのではないだろうか?また、彼らの1,2歳上の先輩も、「お前ら、まずは根性を見せろ!」なんて言っている印象がない。
昔と今、たった10数年のあいだに、一体何が変わったんだろう?
この辺にも、時代を読み解くヒントがあるかもしれない。今度、二十歳前後のユースに、意見を聞いてみよう。
これからは「水面下」の時代か?
アイデアは考えるな。 [単行本(ソフトカバー)]
柳澤 大輔
<最後にひとこと>
逆に、若者の立場で考えてみる。大した成果を上げていないパッとしない上司が、妙に根性や努力をひけらかしている。これはイラっとする!笑 どうしても「企画100個」を指示したい人は、自分が相当イケてる上司じゃないとヤバい事になるかもしれない。