レゲエ業界を長きに渡り俯瞰していると、毎年、その年を印象付けるトピックスが必ずあります。今年2014年は、ジャパニーズレゲエの躍進が大きかったのではないでしょうか。
ここ数年、レゲエ低迷期のようなことを言われていたのですが、東京のアンダーグラウンドで長らく活動し続けているSPICY CHOCOLATEがプロデュースした「ずっと」HAN KUN & TEEが、全音楽ジャンルのランキングで軒並み1位を取るという快挙を成し遂げ、それまでの閉塞感を一気に打ち破りました。
グツグツと熱気が渦巻いていた大阪レゲエシーンからも、HISATOMIの最新アルバム「NO PROBLEM MAN」がiTune Store全ジャンル4位、寿君の最新アルバム「オレノキュウキョク」が、オリコン・インディーズチャートで1位を獲得しました。
これまでレゲエはアンダーグラウンドな存在で、総合チャートとは基本的に縁がなかったのですが、今年はグイグイ来ています。アーティスト、プロデューサー、サウンドが三位一体となりシーンを盛り上げ、それを支える熱心なファンが大勢いることで、ジャパレゲ絶好調のビッグウェーブが来ているのでしょう。
突然パッと開いたブームであれば、あっという間に散ってしまうことが往々にしてありますが、ジャパニーズレゲエに関して言えば、ジリジリと上り詰めて来ている感があります。一過性のブームではなく、来年2015年以降、もっと面白くなってくるのではないでしょうか。
ジャマイカレゲエの人気が、今、日本ではあまり無いのが少々寂しいですが、日本とジャマイカとの新たなクロスオーバーなどで、新しい風を吹かせて欲しいところです。GACHAPAN RECORDSのPANCHOも日本に帰ってきましたし、この辺りの今後の動きも気になります。
WOOFIN’ 2014年12月号
[note]北野啓太郎 執筆記事
・RED SPIDER「緊急事態 2014」イベントレポート
・RYO the SKYWALKER「LIFE DRAWING TOUR 2013」イベントレポート
・寿君 インタビュー
・ETANA「I RISE」ディスクレビュー、他[/note]
HARDEST MAGAZINE vol.56
[note]北野啓太郎 執筆記事
・教授 × 寿君 × RAM HEAD 対談(ROCKERS ISLAND)
・miko × YASHIRO 対談(JAP jam INTERNATINAL)[/note]
Village Again/ROCKERS ISLAND (2014-09-24)
Side-A: Ram pam pam pam Side-AA: 栄光に近道なし [Analog]
JAP jam INTERNATIONAL (2014-09-10)
ROCKERS channel
- HISATOMIとKENTY GROSSのCOOKING VIBES(映像編集)
- REGGAE MUSEUM 2014 イベントレポート(撮影・映像編集)
<最後にひとこと>
こうやって振り返ると、ほとんどが邦楽レゲエですね。ですが、唯一WOOFIN’でおすすめCDとしてレビューさせて頂いた、ETANA「I RISE」はマジで良いですよ。思わず、ジャマイカのPUSHIMなんて書き方をしてしまいましたが、母となっても歌い続けるその様は、とてもパワフルです。日本とジャマイカの2大女性シンガーといえるでしょう。ぜひ聴いてみてください!