ラジオのインターネット配信サービス「rajiko(ラジコ)」。少し前からはじまった、過去1週間以内に放送された番組がいつでも聴けるタイムフリー機能、めちゃくちゃ最高ですね!
昨夜、仕事をしながら6日前に放送された、J-WAVE「TOKYO HOT 100」を聴いていました。
そのランキング100位に初登場した、アメリカ・ロサンゼルスのファンクバンドVulfpeckの「Animal spirits」を紹介する際、番組MCのクリス・ペプラーさんが彼らの面白いエピソードを話していたのですが、それが面白かったので紹介します。
SpotifyやApple Music、1曲1再生あたりの印税は1円未満
定額制音楽配信サービス(Apple Music、Spotify、Amazon Musicなど)は、アーティストに入る印税が少ないと言われています。具体的には、ストリーミング1再生あたり0.16円。
10曲入りのアルバムを通しで聞いてもらえたとしても、アーティストはたったの10円ちょっとに稼げません。
これでは相当ヒットしない限り、制作費の元をとるだけでも大変ですよね。
音楽アーティストが得る収入は、1再生あたり0.16円。Apple Music、AWA、LINE Music、Spotify……定額制ストリーミング配信時代に突入
【裏技】曲の長さを短くして、無音にして、ループ再生すれば……
でも、LAのファンクバンドVulfpeckは、これを逆手にとりました。
1曲30秒くらいのほぼ無音の曲をつくり、それを10曲収録したアルバムをつくったのです。その名も「Sleepify(スリーピファイ)」。最大手音楽配信サービス「Spotify(スポティファイ)」のパロディーといえるネーミングですね。
このアルバムは、1枚を通して聞いても5分くらい。
VulfpeckはこれをSpotifyで配信し、利用者に向けて「夜、寝ているあいだにループ再生して欲しい」「それをライブツアーの費用にしたい」と呼びかけました。
睡眠時間が8時間とすれば、その間にアルバムが96回も再生されます。アルバムには10曲が収録されていますので、およそ1000曲も再生されたことになります。1ストリーミング再生あたり印税が1円未満だとしても、これを大勢のユーザーが一度に行えばどうなるでしょうか……。
Spotifyは途中で「ヤバイ!」と気づき、このほぼ無音アルバム「Sleepoify」は取り下げました。しかしVulfpeckは、その間におよそ200万円の印税を稼ぎ、見事ツアー費用を捻出することができたそうです。
ただしこれは2年前(2014年)のできごとで、今は使えないテクニックになっているようですけどね。
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