インターネット黎明期から活躍する、ベテランWEB編集者でフリーライターの中川淳一郎さん(1973年生まれ)が、ライターの仕事についてツイートを連投されていました。
新聞社や出版社に所属する会社員ライターではなく、自ら仕事を得て活路を切り開くフリーライターへ向けたアドバイスです。地方で講習を行うと、必ず聞かれる「あの質問」について明快に答えています。
フリーライターを目指す方や、駆け出しの方は、ぜひ読んでみてください。
地方で必ず聞かれる質問「ライターをやるには東京の方が良いの?」
昨日は宣伝会議の「編集・ライター養成講座」で2コマ担当。4時間喋り続けたぜ。前半は「ウェブライティング・編集の技術」で、後半は「フリーでの稼ぎ方」。大阪で必ず聞かれるのが「ライターやるには東京の方がいいですか?」だが、これには100%「はい」と答える。理由は色々あるが、間違いない
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2017年2月5日
@unkotaberuno 披瀝いただける具体的理由があるなら、是非ご教授いただければと思います。
体感的には、その方が圧倒的に有利だろうな、とは思うのですが。— 逢坂 憲吾 Kengo Osaka (@Kengo_Osaka) 2017年2月5日
@Kengo_Osaka 今から連投しますね。メンションを外す形でやりますね。
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2017年2月5日
東京は仕事そのものが多い。おこぼれからのし上がれ!
ライターは東京が有利説についていくつかツイートします→まず、前提としてウェブ上における文章が今は求められています。企業、役所、そしてIT系サービス運営会社。人口多く、さらに埼玉・千葉・神奈川からも多くの人が働きに来る東京にはそもそも「文章」に関する仕事が多い。特にIT企業が多い
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2017年2月5日
IT企業は自社サービスを使ってもらうために、コンテンツを拡充する必要があります。その時にAIが取って代わる時代がくれば別ですが、ライター・編集者が必要です。さらに言うと「できれば一度は会っておきたい。必要ならば定例会議も…」と発注主は考えます。遠くの人にそれは求めるのは申し訳ない
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2017年2月5日
さらに、大企業の広報部署、報道機関・出版社の本社も東京に集中している。彼らも「突然の打ち合わせにも対応してくれる人にお願いしたい」と考える。また、ライターの場合、「超忙しい人」と「超暇人」のどちらかしかいない妙な業種。「超忙しい人」が東京には多いだけにその「おこぼれ」をもらえる
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2017年2月5日
その「おこぼれ」業務をきちんとこなしたら、今度は自分が「超忙しい人」になれる。よくビジネス界で言われる「打席に立つ回数を増やす」が東京のフリーのライター・編集界隈では実現できるのです。仮に失敗したとしても、文章の仕事に従事する人が多いだけに、別の人相手に再び「打席に立てる」(以上
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2017年2月5日
僕も経験しました。打席が次々回ってくるのは本当です
中川淳一郎さんのツイートを読んで、「あ、なるほど。確かにあるある!」と思いました。
僕は大阪出身の東京在住者。フリーランス(ライター、編集者)になったのは3年ほど前からです。
会社員の頃は、雑誌やフリーペーパーの編集部から記事を書いて欲しいと頼まれても、「本業があるので」と律儀に断っていました。でも、フリーランスになったからと言って、そんなタイミングよく仕事が舞い込んでくる訳ではありません。そこで僕は、LIGという会社にライターとして応募しました。その時にもらった仕事がきっかけで、あれよこれよと、「北野さん、こんなのも書けます?」と、いろんな原稿依頼を受けるようになったのです。
僕が自分を売り込んだのは、この3年間でそのとき1度きりです。
そこから広がったご縁で、今、こうして生きながらえている訳です。(あと、ここ以外にも「パパやる」という育児ブログもやっていて、そこから広がった縁もあります)
仕事を依頼してくれる関係者とは、日頃はFacebookメッセンジャーやLINEなどネットでやりとりしていますが、実際に会って話す打ち合わせもありますし、ローンチ(新規立ち上げ)の際は関係者が揃っての顔合わせすることもあります。また、インタビュー系の依頼はたいてい東京で行われます。
中川淳一郎さんが言うよう、東京が良いというのは同感です。
もし、地方でフリーライターとして仕事をしたいのであれば、その人にしか頼めないスキルを身につけるか、しばらく東京で暮らし、仕事が得られる地盤を作ってから地方へ引っ越すのが良いかな、と思います。
実際、僕がレゲエ情報サイト「ROCKERS channel」の編集長をしていたときは、ジャマイカに住んでいて現地アーティストとパイプがあったり、ジャマイカの言葉・パトワで書かれた曲の歌詞を訳せたり、日本の地方に住んでいるけどオタク的な知識を持っていたりなど、特殊なスキルがある人に対しては、どこに住んでいようと追いかけて仕事を依頼させてもらっていました。
自分が無名で、まだ実績にも乏しい場合は、東京で「おこぼれ」からヒットやホームランを狙い、のし上がって行くのはとても良い戦略かと思います。僕自身、そんなに偉そうに言える立場でもないですが……。笑