キュレーションというキーワードが、3、4年前にネットメディアで流行し、今でも続いています。キュレーションとは、いわゆる「まとめ記事」をつくること。ネット上に散乱する様々な情報や記事をまとめて新たな価値を生み出す手法のことで、日本ではNAVERまとめが有名です。また、ニュースや話題の記事を集めるGunosyやSmartNewsなどのアプリもキュレーションのひとつです。
要は「厳選」ということです。
キュレーションとは、元々は博物館、美術館、図書館などで、専門知識を持った人が管理監督を行なうこと。そして、キュレーションを行なう人のことはキュレーターと呼ばれ、職種のひとつでもあります。
西洋美術のキング・オブ・キュレーション!
面白いアート本を見つけました。
740円のポケットサイズの文庫本なのでサラッと見逃すところでしたが、書店の新刊本として並んでいた、この小さな本が凄かったのです。
キュレーション界のトップ・オブ・トップと言える、世界の名だたる美術館。
この美術館を、来館者数、所蔵品数、人気度などから、美術館自体をキュレーションして「世界の10大美術館」として超激選。そしてさらに、その世界10大美術館が所蔵する名画の中から10作品を厳選!
<ここが凄い>
・世界の10大美術館。
・各美術館で鑑賞できる名画10点。
まさに、西洋美術のキング・オブ・キュレーション、と言える本なのです。
西洋美術のキング・オブ・キュレーション!
情報過多の現代、つい「あっちへフラフラ」「こっちへフラフラ」と、目の前に溢れる情報の波に流されている方は多いのではないでしょうか。そんな方で、アートや美術に興味がある方は、ぜひ読んでおきたい本といえるでしょう。もちろん世界史を勉強している学生にもオススメです。
「画家」「時代」「国や地域」といったカテゴリー分けではなく、「美術館」というくくりでキュレーションされた本書は、まるで世界の美術館を訪れたような感覚でみる事ができるでしょう。名画解説だけでなく、美術館そのものについての歴史や蘊蓄(うんちく)も書かれていて、つい人に語りたくなるネタも手に入ります。
早わかり! 西洋絵画のすべて 世界の10大美術館 (ビジュアルだいわ文庫)
あの名画がこの一冊に!迫力の120点掲載。ルーブルからメトロポリタン、エルミタージュ。フェルメールにもゴッホにも会える。
- ルーブル美術館(フランス・パリ)
- メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)
- エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルグ)
- オルセー美術館(フランス・パリ)
- ロンドンナショナルギャラリー(イギリス・ロンドン)
- プラド美術館(スペイン・マドリード)
- ウフィツィ美術館(イタリア・フィレンツェ)
- ワシントンナショナルギャラリー(アメリカ・ワシントン)
- ヴァチカン美術館(ヴァチカン市国・ヴァチカン)
- ウイーン美術史美術館(オーストリア・ウィーン)
43歳まで馬鹿にされていた、モネ。
個人的にはモネの話が興味深かったです。「描きかけの壁紙の方がましだ」と嘲笑され、43歳に移り住んだ家の庭の睡蓮を描き続けて沢山の作品を残した。しかも86歳で亡くなるまで、毎日のように。
パラパラと作品別にみるもの良いですが、美術館単位で10作品づつみるのが、この本の楽しみ方だと思います。
最近アートに興味を持ち始めたけど、基礎知識の低い僕にとっては、大変為になる本でした。ポケットサイズで安価、と言うのも良いですね!