定額制音楽聴き放題サービスより、アナログレコードの方がビジネス的に市場はデカい!

2009年出版のベストセラ、クリス・アンダーソン著「FREE」の功罪といいますか、まずは無料(0円)でお客を惹きつけ、そこから購入、課金、有料会員などへつなげてゆくというビジネスモデル。

その昔は、女性向け化粧品のサンプル配布に注目されましたが、その後、無料ゲームアプリからの課金、ウェブサービスの無料会員からの有料プラン提案など、インターネットでもFREEからお金を生み出す戦略が多く取られました。音楽業界においても、フリーダウンロードで1曲プレゼントしてアルバム購入につなげる戦略や、最初の1ヶ月・3ヶ月を無料で提供する音楽聞き放題サービスなど、FREE戦略は今もなお健在です。


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン
日本放送出版協会
売り上げランキング: 2,055

そんなFREE戦略も5,6年経ち、今や特別なものではなく、ごくありふれた戦略となっています。

そんななか、「本当に無料から始めるのが正解なのか?」について、Gizmodoに興味深い記事が掲載されていました。

レコードボックス(7inch)


アメリカレコード協会(RIAA)の報告によれば、米国での今年前半のレコード売上げは、2億2600万ドル(約270億円)だったということです。伸びてます。驚くべきことは、賛否両論あれど現代の音楽の在り方の1つだとされるストリーミングサービスよりも上だということ。

(中略)今年後半はApple Musicなどの収益もはいってくるので、ますます増大するでしょう。しかし、注目したいのはやはり、無料&広告有りで音楽を聞ける市場よりも、お金使ってレコード買う市場の方がビジネスとして大きいということです。

今年のレコード売上げは、ある意味で音楽ストリーミング市場よりもお金が動く:GIZMODO より一部引用


 

ストリーミングでアーティストが得る収入は、1再生あたり0.16円。

アーティストが得る収入は、1再生あたり0.16円。クローズアップ現代「音楽の値段はいくら?」を見て。
画像参照元:NHK「クローズアップ現代」

日本に、Apple Music、LINE Music、AWAが上陸した頃、NHKで放送していた音楽配信ビジネスについての番組を、Swingin’Thinkin’で紹介しました。

僕個人的には、Apple Musicはめちゃくちゃ使っています。3ヶ月の無料期間が終わって、そのまま有料会員になりました。ラインナップは正直まだ寂しいですが、レゲエばかり聞いていた僕にとって、他ジャンルのライブラリーが一挙に手に入るのはなんとも面白い感覚で、昔の曲から最近の曲まで、ジャンルレスで幅広く楽しんでいます。

そう考えれば、僕が購入しなかったであろう曲をつくったアーティストにも還元されていると思いますので、ビジネスとしては一見良いのかな、とも思います。しかし、微々たるものなので、それがどう影響しているのかは、まだわかりません。

日本ではまだ3ヶ月ほどですが、アーティスト、作曲者、作詞者、レコード会社などへの分配ははじまっているのでしょうか。その影響が気になるところです。

ビジネス的には、聴き放題よりレコード販売の方が上。

ロッカーズアイランド大阪店

話は脱線しましたが、Gizmodoに掲載されていた記事によると、現時点では定額制音楽聴き放題サービスより、アナログレコード販売の方がビジネス的な市場としては大きいんだそうです。

もはや、雲泥の差で定額制音楽聴き放題サービスが席巻しているのかと思ったら、まさかの拮抗。いや、レコードの方が勝っているという意見。

なんともイメージだけで考えてはいけませんね。

大吉車両(八尾市)

Gizmodoの記事は、アメリカ市場での話なので日本とは別ですが、それほどまでにアナログレコード市場が賑わっているとは思ってもみませんでした。

FREEからお金を生み出す戦略は、そろそろ見直してみる時期なのかもしれません。