「池上さんから、お金の仕組みを学びたい」時に読む本。「知らないと損する 池上彰のお金の学校」

「知らないと損する 池上彰のお金の学校」
「感動!」:☆☆☆☆☆


知らないと損する 池上彰のお金の学校知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

わかりやすくニュースを教えてくれる池上彰(いけがみあきら)さん。

空前の人気で、テレビのレギュラー番組を沢山抱え、池上さんを見ない日は無いほどでした。しかし、ジャーナリストとしての活動を行うべく、東日本大震災しばらくの後、テレビ・ラジオへの出演を休止しました。

自分は池上さんの大ファンで、特に「学べるニュース」は毎回録画してしっかりと拝見。今はテレビに出なくなったので、本で池上さんから学んでいる方も多いと思います。

この本に出会う。その前に…

最近、国の経済が悪い、さらには破綻、といったニュースをよく耳にしていました。リーマン・ショックによるアメリカ経済の悪化、ギリシャの財政赤字隠蔽があかるみになっての経済危機、それにつられるかのようにイタリアも経済危機状態に。世界を代表する通貨「米ドル」「ユーロ」圏が危機におちいり、そんな中、日本の経済はさっぱり良くないのに、なぜか「円高」。

この不穏な連鎖、資本主義の終焉の始まりなのでは? そんな事まで気に病んでいました。

まさにズバリの本!池上さんありがとう(涙)…と即購入。

モヤモヤっと、わからないのがもっとも辛い!
悪い状況であっても、それをしっかりと理解する事が出来れば、次の打つ手だてを検討することが出来ます。もちろんモヤモヤも解消し、心も安定します。

この本「知らないと損する 池上彰のお金の学校」のまえがき、前半部分を紹介します。

 

日本経済が長期停滞に苦しむ中で、2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。被災地復興のためには。膨大な資金が必要ですが、その資金をどうやって調達するか、議論は分かれます。借金(国債発行)でまかなうか、それとも増税で乗り切るか。野田内閣は増税の道を選びました。

これまでは、民間企業に元気がなくて、景気がなかなか回復しないときには、政府が財政支出を拡大して、新しい仕事を作り出す — こうしたケインズ流の財政政策がとられてきました。

しかし、そんなことを繰り返してきた結果、日本の借金の額(国債の発行残高)は、まもなく1,000兆円に達する勢いです。こうなると、安易な国債発行に頼るわけにはいきません。だからといって、増税によって、日本経済が一段と不況になってしまえば、復興どころではなくなってしまいます。

にっちもさっちもいかない。これが日本経済の現状です。

その一方、アメリカ経済の回復ペースは遅く、ドル安は進むばかり。それが結局は円高となって、日本経済にも悪影響が出ています。そしてヨーロッパ。ギリシャの財政危機からはじまったユーロの不安は解消せず、ユーロ安も続いています。

こんな経済状態の中で、私たちは。生活防衛をどうすべきなのか。

あるいは、資金を増やす算段は、どうあるべきなのか。

そこで企画されたのが、この本です。

知らないと損する 池上彰のお金の学校 「まえがき」より一部抜粋

お金、銀行、投資、保険、税金、などなど

池上さんの解説がわかりやすいのは、物事の起源や歴史から教えてくれるから。この本を読んで、改めてそう感じました。例えば、「税金」の章では、『税金とは、コミュニティーを維持するための必要経費』と紹介。その前置きの元、以下のようにわかりやすく教えてくれます。


「遠い昔、自分の身は自分で守らないといけなかった。強盗や火事などから」


「個人ではなく集団で対策しよう。地域や集落を単位として、プロの警備団や消防団を用意すればいい」

「それらにかかる経費は、みんなで少しずつ負担しよう」

「コミュニティの生活を向上させたい。道路も整備しよう」

「コミュニティの規模が大きくなって、お金を払ってくれない人がいる。どうしよう?」

「経費を集めるプロが必要だね(これが後の税務署)」

「集めたお金の使い道を、全員で考えるのは大変だ。使うプロがいるね(これが後の政治家)」

政治家とは「住民たちの納めた税金の使い道を決める人」といえる。

このように、物事のルーツがしっかりわかれば、その次のステップが理解しやすくなります。この税金の章では、ここからさらに突っ込んで、「直接税と間接税」「所得税」「控除のしくみ」「サラリーマンと確定申告」「消費税」「特別会計」「NHK受信料」といった項目を、わかりやすく解説してくれています。

世の中のしくみが見えてくる

新書一冊なので、この本だけで経済の専門知識が身に付く訳ではありません。ですが、ベースの知識を得ることが出来るので、今ニュースでやっている国内外の話題が、クリアに見えてきました。モヤモヤが解消されたのです!

話は前後しますが、例えば先の「税金」を読めば、『国の方針を決めるのは政治家』ということがわかり、そして『その政治家を決めるのは、国民による選挙』と推測でき、当たり前のことがスッキリと理解できるようになります。

歴史を知って、今を理解し、未来を探る。
知るのに早すぎるという事はないと思います。ぜひ、皆さんもご一読を。


知らないと損する 池上彰のお金の学校
朝日新書

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<最後にひとこと>
知らないこと、判らなかったことが、自分の身に付けば、攻守どちらにも使える武器・防具となります。

日本は不景気とはいえ、ほとんどの国民は住むところを持ち、生活用品を取り揃え、勉強や情報を得るための本、パソコン、テレビを手に入れる事ができます。知識が増えれば、世界が広く見える。学ぶことに一切リスクはない。ぜひみんな勉強しよう!