980円でAmazon Kindle本読み放題! 読まれたページ数に応じてロイヤリティを支払う仕組みは出版界をどう変えるのか?

ほんとに始まっちゃいましたね、Amazonの本読み放題サービス。月額980円で、12万冊以上の本、コミック、雑誌および、120万冊以上の洋書が読み放題という……。

これで、Amazonへの依存度がますます高くなってくるでしょう。

Amazonプライム会員になれば、映画・ドラマ見放題、音楽聴き放題になるのはこれまで通り。そして今回、Kindle Unlimitedに申し込めば、キンドル本が読み放題になります。

ということで、1ヶ月あたり1,305円(税込)で、映画、ドラマ、音楽、本、マンガ、雑誌が、好きなだけ際限なく楽しめるようになる訳です。

CDアルバム1枚に満たない金額、映画館の大人料金に満たない金額で、これだけの膨大なエンタメが手に入るとは、なんとも凄まじい時代です。

*1. 2019年4月12日、Amazon プライムの会員費が値上がりしました(年会費4,900円 / 月会費500円)

読まれたページ数に応じて、著者や出版社などの権利者はロイヤリティを受け取る

さて、気になるのは、こんな安い値段でどうなってんの!? ということ。Amazon Kindleのパブリッシング解説ページを見ると、このように書かれています。


読者はお客様の本を何回でも読むことができますが、読者が初めて読んだページ数のみが支払いの対象になります。

読者がお客様の本のページを読むには数か月かかることもありますが、かかった期間には関係なく、支払いが発生します。KDP セレクトの登録期間が終了し、再登録しなかった場合も同様です。

Amazon は、本のページ数をジャンルや端末に関係なく計算するために、Kindle Edition Normalized Page Count (KENPC) という機能を開発しました。KENPC は、標準の書式設定 (フォント、行の高さ、行間など) に基づいて計算されます。Amazon では KENPC を使用して、読者が読んだページ数を算出します。

Kindle Unlimited およびKindleオーナー ライブラリーのロイヤリティ より一部抜粋・引用


 

要は、本の権利者にお金が支払われるのは、読者が初めて読んだ時のみ、ということです。そして、支払いは1冊に対してではなく、読まれたページ数に応じてとのこと。

……ん? ページ数!?

むずかしい本の著者は損、マンガは得! 未来はどうなる?

ページ数に応じて支払われるいうことは、明らかに専門書やビジネス書などの難しい本は損ですね。1ページ読むのに時間がかかるし、読者も途中で飽きてやめるかもしれない(読み放題なので、せっかく買ったんだから頑張って読もう、と思えない)。

それに対して、マンガはサクサク読んでもらえるし、1冊読めば続きが気になるから、2巻、3巻へと続く。

難しい本に限らず、文章が主な書籍は1冊読むのに数日かかる場合が多いでしょう。マンガは1日で何冊も読めますからね。あとは、写真集など眺める系、パパッと読める雑誌なんかもページ数を稼げそうです。

もし、こういった本読み放題サービスが主流になるのであれば、今後出版される本の構成が変わってくるのではないでしょうか。いかに買わせるかではなく、いかに次のページを読ませるか、という具合に。

買わせるだけの「積ん読」では、まったく利益にならないので、タイトルや表紙のデザインをキャッチーにするだけでは稼げないですからね。読者をグイグイ惹き付けるコンテンツが必要になります。

アマゾンの激安4,800円のタブレット。これもまた便利なんです

キンドルファイヤーとアイフォンを並べて比較
(左)Kindle Fire (右)iPhone 6

先日、Amazon製タブレット、Kindle Fireを購入しました。

やっぱり大きい画面はいいですね。画面の解像度(美しさ)は、iPhoneの方が高いのですが、そもそも画面が大きいといのは見やすい。映画もそうだし、書籍も同じ。特にマンガはコミック本の同じくらいのサイズなので、違和感なく読めます。

iPhoneの小さい画面だとどうしても読みづらく、拡大とスクロールをしながらでないと吹き出しの文字が読めません。

Kindle Fireは、Amazonのプライム会員(年額4,800円 / 映画・ドラマ見放題、音楽聴き放題などの特典付き)であれば、会員価格4,800円で買うことができます。これ、僕も先日買ったのですが、かなり良いです! 安かろう悪かろうではありませんでした。

動きはサクサクですし、miniSDカードを刺せば、最大本体容量プラス128GBまで容量を増やすこともできます。自宅などのWi-Fiに接続した際に、観たい映画や本などをダウンロードしておけば、出先や旅行先でオフラインでも楽しめるのです。

Kindle Unlimitedラインナップ! 読み放題本の一覧ページ

Amazonの本読み放題「Kindle Unlimited」は、2016年8月3日に始まったばかり。ラインナップとしては、新刊本が少ないなど、現状「これさえあれば本を買わなくて済む!」と言うものではありません。ただし、雑誌のバックナンバーも読めたりするので、Kindle Unlimitedならではのメリットもあります。

読者としては楽しみ、出版関係者にとっては戦々恐々。あと、ブックオフなどの古本屋さんも厳しくなってきそうですね。

とはいえ、あなたが気に入る本がラインナップされているかどうか。まずは、その読み放題本の一覧ページを覗いてみてください!