家の中や、オフィス、店内などに、無線LANを飛ばすためのWi-Fiルーター(無線LANルーター)。
あなたは、このルーターの管理画面をチェックしたことはありますか?
おそらく、購入時に初期設定で説明書を見ながら、パスワードの変更などちょこっと設定したことがある程度でしょう。しかし、ここには定期的にアクセスする必要があります。
それは、なぜか?
メーカーは、ファームウェアのアップデートを配信しているからです。ファームウェアとはWi-Fiルーターなど電子機器の中に入っている制御プログラムのこと。バグの修正だったり、セキュリティの強化だったりの理由で、不定期で新バージョンのファームウェアを配信しているのです。
さて、今回お伝えするのは、「Wi-Fiルーター(無線LANルーター)ファームウェアをアップデートしたら回線速度が劇的に速くなった」というお話です。
NECのAtermシリーズ、ファームウェアのアップデートで通信速度が2〜3倍に
2018年10月15日、NECが自社のWi-Fiルーター、Atermシリーズ向けにファームウェアのアップデートを配信しました。
これを行うと、現行の「Aterm WG2600HP3」「Aterm WG1900HP2」「Aterm WG1200HP3」が、IPv6 High Speed に対応し、通信速度が向上するというのです。
これを報じているIT関連の各ニュースサイトによると、「ファームウェアのアップデートを行うと、2〜3倍の高速通信になる」と伝えています。
20〜30%の向上でも嬉しいのに、2〜3倍とは恐るべしスペックアップ!
Wi-Fiルーターは購入時のままで、「ファームウェアのアップデートなんて、やったことがない」というは方は、結構多いような気がします。しかし、安全面だけでなく、こうして速度が大幅に改善することもあるのです。
ファームウェアのアップデートは無償だし、これはしない手はないですよね。
NECのWi-Fiルーター、旧機種でも回線速度アップ
さて、旧機種はどうでしょうか。
わが家は、3年前に購入したNECの「Aterm PA-WG1800HP2」を使っています。当時の最上位機種の、その一つしたのモデルです。Wi-Fiルーターは長年使っていると経年劣化で速度が落ちてくるので買い換えたのです。
このモデルにも、今年、ファームウェアのバージョンアップが配信されました(Ver 1.0.15)。
前回のアップデートは「WPA2の脆弱性(KRACKs)に対応」とセキュリティ面の強化でしたが、本バージョンは「一部のご利用環境でのWi-Fi通信の安定性を向上しました」とあります。
これは、もしかしたら回線速度が向上するかもしれませんね。
ファームウェアのアップデート前とアップデート後で、速度を比べてみました。
【ファームウェアアップデート前】下り246.6 Mbps・上り 549.8Mbps
Googleの「インターネット速度テスト」を3回行いました。そして、それを平均しています。
- 下り 246.7Mbps・上り 560.0Mbps
- 下り 259.8Mbps・上り 590.7Mbps
- 下り 229.9Mbps・上り 498.7Mbps
■平均速度
下り 246.5Mbps
上り 549.8Mbps
【ファームウェアアップデート後】ダウンロード速度が1.5倍に!
ファームウェアをアップデートしたあと、同じく、Googleの「インターネット速度テスト」を3回行いました。
- 下り 258.2Mbps・上り 672.5Mbps
- 下り 405.5Mbps・上り 564.5Mbps
- 下り 463.1Mbps・上り 486.2Mbps
■平均速度
下り 375.6Mbps 52%UP
上り 574.4Mbps 5%UP
*「下り」とは ダウンロードのこと
*「上り」とは アップロードのこと
旧モデルでも、ルーターのファームウェアアップデートで高速化!
結果は、予想以上に好成績!
少しでも速くなったら良いなぁ……と、ささやかな期待をしていたら、少しどころか大幅アップです。さすがに2倍、3倍とは行きませんが、下り(ダウンロード)は1.5倍です。
元々高速回線なので、体感的にどれほど変わるのかという気もしますが、1.5倍は大きいです。
上り(アップロード)に関しても向上。平均値は微増ですが、テスト1回目では600Mbps超えの好成績です。
今回はNECのWi-Fiルーターをとりあげましたが、他のメーカーも同じです。ファームウェアのアップデートが来ていないかチェックしてみてください。セキュリティ強化だけでなく、ネットの速度まで速くなることがありますよ。
最近遅いな……と感じたら、Wi-Fiルーターの再起動で速度復活!
それと、もうひとつ補足。
Wi-Fiルーターの再起動でも、回線速度が速くなります。
再起動の方法は、先と同じく管理画面から。ここに「機器の再起動」などの項目があるかと思います。そこから再起動してください。
再起動中は1〜2分程度、インターネットが使えなくなります。
これは日常のメンテナンスとして、ぜひ行ってください。
特に「最近、なんだか遅いな……」と感じた時は、劇的な変化を感じることができるでしょう。再起動前と後で、どれくらい変わるかを見てみてくださいね。
Wi-Fiルーター(無線LAN)は、古くなれば速度が落ちる
えぇ、そうなんですか!
と、僕が電気屋さんで驚いたエピソードを最後にお話します。
「Wi-Fiルーターは、古くなれば電波の出力は弱くなりますよ」
以前、僕がヤマダ電機で店員さんに、そう教えてもらいました。こういう電子機器って、壊れるまでスペック通りの働きをしてくれるような気がするじゃないですか。しかし、そうではなかったのです。
Wi-Fiルーターに関しては、何年も使っていると、故障していなくても速度が落ちてくるそうです。電球や蛍光灯が弱ってくるかのように。
ご存知でしたか?
僕は全く知らなかったので、とても驚きました。
また、店員さんは、こんな裏話もしてくれました。
「表記されているスペックがそれほど変らなくても、実際の性能や故障率を考えると、バッファローとNECの2大メーカーが良い」
と、いうことです。
これは、業界人だからこそ知っている情報です。
■関連リンク
・NECの人気Wi-Fiルーターを調べる
・バッファローの人気Wi-Fiルーターを調べる
Wi-Fiルーターの速度が遅いとか、買い替えを検討されている方は、以下の「購入時のコツ」を書いた記事も読んでみてくださいね。