東京・世田谷区で福島県の避難地域を超える放射線量。住民の行動が、役所を動かす。

今年2011年3月11日に発生した東日本大震災から7ヶ月。
死者は約1万5,800人、行方不明者は約3,900人。全国でいまだ約7万3,200人が避難生活を送っている。

そんな中、「東京・世田谷で高い放射線量が計測された」というショッキングなニュースが報道された。

■NHK NEWS:世田谷で高い放射線量 除染を検討
(10月12日 20時58分)

NHK「世田谷で高い放射線量 除染を検討」

場所は世田谷区弦巻。渋谷から約5kmの三軒茶屋や駒沢公園の近くだ(東京都世田谷区弦巻5-11-15)。区民からの情報を受け、区が計測したところ、1時間あたり最大でおとそ2.8マイクロシーベルトが検出された。

NHK「世田谷で高い放射線量 除染を検討」

高圧の洗浄機をつかっての洗浄を行うが、放射線量は大して下がらず2.7マイクロシーベルトを検出。この数値は、計画的避難区域である『福島県飯舘村』の数値よりやや高いとのこと。福島第一原子力発電所から200km以上離れた、都内の真ん中で、避難指定地域の数値を超えるという現実があきらかとなった。

NHK「世田谷で高い放射線量 除染を検討」

現場周辺は、コーンで囲われ立ち入り禁止とされた。放射線量が高かった原因として「雨水が集まっていた」と可能性をあげていたが、雨水がたまる場所はここだけでは無いはず。

NHK「世田谷で高い放射線量 除染を検討」

世田谷区では、「専門の業者と相談して早急に対応したい」と述べているが、区の担当部署が対処する問題ではなく、国、政府として動かないといけない大きな問題だろう。

繰り返しになるが、震災から7ヶ月。都内では、一時の緊迫感は和らぎ、震災前の日常に戻りつつあるのを感じていた。しかし、政府に任せっきりにならず、住民みずから測定した結果が、区を動かし、今回の事実発覚につながった。

7ヶ月たっても、このありさま。
誰にとっても他人事ではない放射能汚染問題を一刻も早く収拾に向かわせるには、住民自らの行動が大切だと、改めて感じた。ガイガーカウンターを持っている方は、自分の生活区域や気になる箇所の測定を行い、数値が高ければ役所の環境保全課などに報告し、役所にも動いてもらうべきだ。

ガイガーカウンターを持ってない方に朗報。10月20日、エステーより9,800円で「エアカウンター」と名付けられた家庭用放射線測定器が発売される。数万円〜数十万円が相場のこの手の装置だが、1万円を切る価格は手に入れやすいだろう。家庭用放射線測定器が必要な時代とは恐ろしいが、黙っているより行動してゆきたい。

1万円を切る、家庭用放射線測定器が発売。

エステー:プレスリリース 新製品情報(2011/10/6)

エアカウンター生活者の不安を解消するための家庭用放射線測定器「エアカウンター」を性能アップして値下げ日進月歩の新技術を導入!

エステー株式会社は、2011年10月20日から出荷を開始する一般家庭でも安心して使える性能と価格を実現した家庭用放射線測定器「エアカウンター」を、このほど新たな技術提供を受けたことで、さらに性能をアップさせた上、税込み15,750円としていた希望小売価格を税込み9,800円に改定します。また、販売ルートとして関東、東北のドラッグストア、ホームセンターなどを予定していましたが、その需要の高さから福島県を中心に先行発売することとしました。(エステーWEBサイトより)