今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール
デュラン・れい子 (著) / 東洋経済新報社
「外国人と接するのが怖くなくなる!」:☆☆☆☆
ソチ冬季オリンピックの視察から帰国した舛添新東京都知事は、「片言でいいからすべての都民が英語を話せるぐらいにしたい」と取材にこたえました。ソチではロシア語以外が通じず、不便を感じたからのようです。
ロシア(旧ソ連)とアメリカの間には、長期に渡る冷戦時代がありました。1989年に当時の政権代表であるゴルバチョフ書記長とブッシュ大統領が会談し冷戦は終結しましたが、その名残からか英語にはそもそも疎遠なのかも知れません。ロシアの首都モスクワでも、観光地以外ではほとんど英語が通じないと聞いた事があります。
日本では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、外国人選手団や観光客をおもてなしできるよう、世界の共通語といえる英語くらいは…といったところなのでしょう。
今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール
すごく良い本があります。出版は2011年と3年前なのですが、これまで人に教えたくなかったので、ブログやSNSに書きませんでした。
冗談です。僕はじつは英会話が苦手。
海外の記事を読む(ザッと読む。…いや、眺める)のは日常的なのですが、海外へ行ったり、外国人と接する頻度は低く、英語を話す機会がありません。少し前、奮起してSkypeで英語が勉強出来る「オンライン英会話レアジョブ」の無料体験レッスンを受けたのですが、石像になりました。
日頃から使っていないと、口から英語なんて出て来ません!笑
そんなコンプレックスを少しでも乗り越える為に本書を買ったので、気恥ずかしさから誰にも見せず、カバーを掛けてひっそりと読みました。
そんな本書より、ほんの一部を紹介します。
【ルール1】「××株式会社の○山○男」を忘れるべし
あなたは「××株式会社の○山○男さん」ではなく、「たまたま××株式会社に勤めている○山○男さん」です。ビジネスの現場で実際に話をし、議論し、仕事を進めるのは、あなた、○山○男さんという個人、あなた本人なのです。
今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール P22〜23より一部引用
日本人は武士の時代から、『どこ所属の者であるか』を重要視して来ました。しかしアメリカやイギリスなどグローバルな社会では、あくまで個人対個人ということです。もし、肩書きをつけるのであれば、会社名ではなく、営業マン、料理人、経営者、スポーツマン、ライターなど、職業を添えるのが良さそうです。
【ルール17】走らないのが紳士、と心得る
「エレベーターでCLOSEボタン連打!」は、眉をひそめられるということです。
【ルール19】女性にワインのお酌をさせるべからず
昔のお父さんは、『全員アウトー』じゃないですか。
【ルール23】ドアを開けたら、自分だけスルリと通り抜けない
トビラを開けたら、手で押さえたまま、後ろの方を通してあげましょう。僕はこれで、何度も「あ、ありがとうございます!」という笑顔を頂きました。
【ルール36】グローバル人の基本はヨーロッパ、キリスト教が基本と心得る
ヨーロッパ思想の基本がキリスト教だということを、改めて頭に入れておいてください。つまりヨーロッパのしきたりやマナーは、キリスト教を背景にして成り立っているわけです。(中略)お寺に行かない日本人の体の底にも、仏教や儒教の思想が流れているのと同じことです。
今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール P174〜175より一部引用
キリスト教徒、特にアメリカ人は、『ボランティア』が好きなんだそうです。「私はこんな活動をしているんです」など話題にしてみると良さそうですね!
「英語がバリバリ話せる = 仕事がバリバリできる」とういうわけではない。
「英語が話せるようになれば、外国でバリバリやって行ける!」と思いがちですが、もしそうであれば、日本人は日本で全員バリバリやれることになってしまいます。また、日本語は完璧だけど、日本人の心を理解してくれない外国人であればガッカリさせられるでしょう。逆を言えば、日本語が話せなくても、日本の礼儀を知っている外国人であれば、友達になれるかも知れません。
舛添新東京都知事の「みんなが英語が話せるように」には賛成です。しかしながら、言葉よりもグローバル・マナーの方が大切と思います。
本書で紹介されているマナーは、日本人である自分を否定される気分にさせられるようなものではなく、「なるほど!これは取り入れたい」と思える、素晴らしいマナーが沢山登場します。ぜひ、英会話本に加えて、こういったマナー本も読んでみてください。面白いですよ!