日経MJ(2018年11月2日号)無名アーティスト世界的スターに
日経MJ(2018年11月2日号)無名アーティスト 世界的スターに

音楽をヒットさせる戦略が、変化してきています。

2000年代までは、アーティストはレコード会社と契約してCDアルバムをリリースするのが一般的でした。この時代、音楽をヒットさせるため、以下のような戦略がよく行われていました。

  • 発売後1週間の売上を重視し、オリコンチャート入りを狙う
  • USENに何度もリクエストして、有線ランキング入りを狙う

初動(発売直後の売上)を重要視し、ここでヒットチャート入りを狙います。上手くいけば、次に「オリコン◯位」を掲げ、その後の爆発を狙いにかかるのです。

そのため、発売前のプロモーションに注力しました。発売前に広告を多く出したり、先行配信・シングルをリリースしたり、予約特典を用意したり。とにかくアルバム発売日への期待を高めたのです。

また、地味に思えるUSENも実はバカにできません。ここでのランキング入りは、その後の広がりや、ロングヒットにつながるからです。また、USENは店舗BGMとして広く使われているので、一般人の耳へ自然と届けることができます。

しかし近年、定額制(サブスクリプション)の音楽聴き放題サービスが広まると、レコード会社を一切通さずにヒットする曲やアーティストが現れました。大きく話題となったのがアメリカのチャンス・ザ・ラッパーです。

レコード会社と契約せず、CDは一枚も出さず、2017年にはグラミー賞まで受賞しました。

こうした流れが、いよいよ日本にもやってきているのです。

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日経MJ一面、無名アーティストが世界的スターに

日本経済新聞社が発行する新聞、「日経MJ」2018年11月2日(金曜日)版に、定額制音楽聴き放題から輩出される日本人アーティストの特集がありました。

AmPm(アムパム)

覆面をかぶった日本人二人組アーティスト。日本ではあまり知られていませんが、2017年3月にリリースしたデビュー曲「Best Part Of Us」が大ヒット。1,800万再生回数。主に海外で聴かれています。

「Best Part Of Us」はSpotifyでリリースされ、5か月後の2017年8月にはインドネシアの音楽フェスに招待されました。

CIRRRCLE(サークル)

2017年から活動を始める3人組のヒップホップクルー。Spotifyで人気のプレイリストにラインナップされ、アメリカでヒットしm世界的アーティストに。代表曲は「Fast Car」。

No Title(ノータイトル)

青森県の現役高校生3人組のバンド。LINE MUSIC主催のオーディションにグランプリを獲得し、中高生のあいだでファンが広がりました。代表曲は「rain stops, good-bye」。

サブスクリプションでヒットするための戦略

日経MJでは、オリコンチャートとSpotifyのヒットチャートの比較が掲載されていました。見事にまったく違っていました。

オリコンには、NMB48、=LOVE、RAINZなど、女性アイドルグループや韓国男性グループがランクイン。Spotifyでは、Heiakim、Ava Max、シン&ふうか、など日本ではあまり知られていないアーティストが並んでいます。

Spotifyのランキングのトップ、Heiakimはめちゃくちゃ面白いですよ! Google翻訳を使って音楽を作っているのですが、中毒性があるヤバさです。代表曲の「hotto dogu(ホットドッグ)」を聴いてみてください。

イントロ5秒で判断、気に入らなければスキップ

音楽聴き放題は、膨大な曲がラインナップされています。いろんな曲を次々と聴きながら、お気に入りを探せるのが魅力です。

さて、このとき、再生ボタンを押して、何秒で聴くかどうかを判断しているか?

これはなんと、5秒!

かつては20〜30秒再生してからスキップするユーザーが多かったそうですが、今は「5秒」です。5秒で「いい曲!」と思ってもらえないと、その先を聴いてもらえないのです。

最初の5秒、超大事です。

プレイリストに入るために頑張る

Spotifyは、SNSのような使い方が人気です。

どういうものかというと、昔カセットテープだった時代は「僕の選曲」テープを作っていたのが、今はそれをサブスクリプションの膨大な曲から「私の選曲」を作っているのです。それは「プレイリスト」と呼ばれています。

人気のプレイリストに収録されれば、一気に再生回数が跳ね上がります。

日経MJには「プレイリストマーケティング」と表記されていましたが、こうしたプレイリストに入るために頑張るのだそうです。

オリコン、USENから、プレイリストへ

さて、どうでしょう。冒頭に書いた2000年代までとは、楽曲がヒットする流れが大きく変わってきているのがわかると思います。

大手レコード会社にとっては痛手ですが、アーティストにとっては、自分たちが「これだ!」と思う曲で世界ヒットを狙えるようになりました。

これは音楽ファン、リスナーのとっても面白い流れだと言えます。アイドルファンはオリコンチャートが参考になると思いますが、そうではない音楽好きにとっては、SpotifyやApple Musicなどを通じて新しい曲と出会える機会が広がっているからです。

あなたもぜひ、サブスクリプションの大海原で音楽を楽しみましょう!

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