国境を意識しない、きゃりーぱみゅぱみゅ戦略! 無名時代から世界を席巻するまでの経緯まとめ。

きゃりーぱみゅぱみゅ 1st & 2nd アルバム告白します。実は結構前から『きゃりーぱみゅぱみゅ』のファンでした。

彼女のことを知ったのは、3.11の東日本大震災。震災直後、原宿で18歳の女の子がすごい勢いで義援金を集めていると話題になっていたのです。

他ジャンルの方も必見!

自分はこれまで長らくレゲエ業界ど真ん中に属していたので、なかなか人には言えませんでした。今はフリーとなり、またセカンド・アルバムの発売のタイミングとあって、割とテンション高めなので書きます。『世界のKyary Pamyu Pamyu』についてです。

若手人口が減少する中、閉塞感がある音楽業界で、世界をフィールドに活躍できるとは夢があります!きゃりーぱみゅぱみゅの快進撃をスルーするより、学んじゃた方が良いのではないでしょうか?

今からでも間に合う!世界戦略を意識したきゃりーぱみゅぱみゅの快進撃まとめです。

→【2011年7月】「PONPONPON」iTunes Store先行配信。フィンランド、ベルギーで1位!


彼女のデビュー・ミニアルバム『もしもし原宿』のリード曲として2011年7月20日にワーナーミュージック・ジャパンよりダウンロード販売された。制作は中田ヤスタカ。

2011年7月21日付けのiTunesのフィンランドのエレクトロチャートで1位、ベルギーで日本人歌手最高位となる首位を獲得。

PONPONPON:Wikipedia より


→【同年同月】「PONPONPON」のPVを見た外人の反応

http://www.youtube.com/watch?v=ktGTlW3uylQ

きゃりーぱみゅぱみゅの初PV「PonPonPon」。これを見て驚くカナダ在住アフロの黒人の映像が話題となった。表情がウケる。新しいスタイルの海外進出(?)。

→【2011年8月】『もしもし原宿』という名前は海外を意識。

もしもし原宿(通常盤)


中田さん(中田ヤスタカ)たちと話していたときに、「海外の人でも知っている名前が良いよね」という話になって、例えば、「カワイイ」とか「コンニチワ」とか、いろいろ並べていったときに、「もしもし」ってタイトルをつけると、このインパクトのある顔にとっても意味不明で。だから逆に良いのではないかと。

きゃりーぱみゅぱみゅ ロングインタビュー「日本が生んだ新しい原宿ガールが、PONPONPON!!」:Time Out Tokyo より


→【2011年9月】Kyary Pamyu Pamyu vs Major Lazer & Vybz Kartel !!

JAPAN x U.S.A × JAMAICA !

アメリカのダンスシーンのおける最重要プロデューサーDiplo主催によるプロジェクト・チームMajor Lazerの大ヒット曲「Pon De Floor」と、きゃりーぱみゅぱみゅの「PonPonPon」のPVがマッシュアップ!制作はメジャー・レーザーではなく、イギリス・音楽&クラブシーンの人気クリエイターJAKAZiD。海外のアンダーグラウンド・シーンへも飛び火した形となった。

→【2011年12月】海外で初のライブ「ルネ・ブティック・デビューパーティー」。

ルネ・ブティック・デビューパーティー


この度、日本のカワイイ文化のルーツとなったアーティスト“内藤ルネ”さんの遺志を一部引き継がせていただくことになりました。ご遺族の協力の下、カワイイ文化の歴史に新しい1ページを刻みます。(中略)これは、ただのキャラクタープロデュースではありません。”内藤ルネ”さんの精神を継ぐ、多角的な新プロジェクトです。

ルネ・ブティック:増田セバスチャンBLOG より


まずはデビュー曲「PONPONPON」を披露。インターネットでの視聴の半分以上がアメリカで再生されていることもあり、集まったファンはミュージックビデオと同じ振りを完璧に踊り、きゃりーと一緒に歌っていた。続いて新曲「つけまつける」を世界初披露。発売前にもかかわらず、コーラス部分を踊りながら大熱唱するファンもおり、きゃりーにとって初めてのアメリカでのライヴは大盛況のうちに終了した。

きゃりーぱみゅぱみゅ、初の海外ライヴは大盛況:MTV JAPAN より


→【2012年1月】初のシングルCD「つけまつる」発売。【同年3月】スペシャBESTビデオ受賞。


監督の田向潤をはじめ、美術装飾の増田セバスチャンやスタイリストの飯島久美子など、デビューから彼女のクリエイティブを支えているメンバーが制作に携わった自身2作目となるミュージックビデオは、動画サイトにおいて約1年間で2700万回以上も視聴され、“きゃりーぱみゅぱみゅ”の魅力を十二分に伝える作品となった。曲が持つ世界観を見事なまでに具現化した映像作品となっており、日本の音楽・カルチャーが世界に向けて発信するきっかけとなったことに敬意を表して、きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」に年間最優秀作品の贈呈を決定しました。

MVA WINNER:SPACE SHOWE MUSIC VIDEO AWARD 2012 より


→【2012年4月】2ndシングルCD「CANDY CANDY」。本当のアイドルだとこれは出来ない。


きゃりーちゃん自身はアイドルではないんですが、だからこそ逆にアイドルをパロディするっていうことをやってます。本当のアイドルだとこれは出来ないので。

今度のきゃりーぱみゅぱみゅは80年代アイドル! 田向潤監督による「ザ・ベストテン」風のMV「CANDY CANDY」:White-Screen.jp より


→【2012年5月】1stフルアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」発売。アメリカ、フランス、ベルギーで1位!

ぱみゅぱみゅレボリューション(初回限定盤)


オリコンデイリーチャートで1位を獲得したほか、アメリカ、フランス、ベルギーのiTunes Storeエレクトロニックチャートで1位を獲得した。

きゃりーぱみゅぱみゅ新作、海外のiTunesチャートで1位:J CASTニュース より


「ぱみゅぱみゅレボリューション」より「きゃりーANAN」歌詞


個人的にですが、アルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」収録の「きゃりーANAN」。このリリック(歌詞)の短さでライブ会場を爆発させるセンスとスキルに驚きました。ジャマイカのダンスホールレゲエも、近年はサビだけの繰り返しと言われる事も多いけど、この曲には敵わない!


 

→【2012年6月】イラストレーターChoco Mooが「ぱみゅぱみゅレボリューション」ツアーグッズを手掛ける

ぱみゅぱみゅレボリューション ツアー 2012 (Choco Moo)

ロサンゼルス発の女性向けストリートブランドJOYRICHのデザインなど、世界を舞台に活躍する日本人グラフィック・アーティストのChoco Mooさんが、きゃりーぱみゅぱみゅのオフィシャル・グッズのデザインを手掛けた。彼女は我らレゲエシーンとも関わりが深く、TERRY THE AKI-06、RISKY DICE、Cherry Oh Babyなどのデザインも手掛けています。

リルログ:きゃりーぱみゅぱみゅTour Goods
20/20:Cherry Oh! Baby × Choco moo

→【2012年7月】パリ(フランス)でライブ。集客数1万3,000人。


フランス・パリで開催中の「JAPAN EXPO 2012」にて、きゃりーぱみゅぱみゅが7月7日と8日の2度ライブを実施。初日に8000人、2日目に5000人を集客し、2日間で約1万3000人という「JAPAN EXPO 2012」内で最大のライブ動員数を記録した。

きゃりーぱみゅぱみゅ初フランスライブで“KYARY”コール:ナタリーより


 

→【2012年8月】渋谷区から「カワイイ大使」に任命される。


「原宿カワイイ大使」認証式が8月30日行われ、日本のファッションを世界に広げる大使役に”原宿のアイコン”として活躍中のきゃりーぱみゅぱみゅが選ばれた。

きゃりーぱみゅぱみゅ「原宿カワイイ大使」に任命 世界へ発信:Fashion Snap より


→【2012年10月】3rdシングル「ファッションモンスター」発売。

http://www.youtube.com/watch?v=0OniTmQbO8A

世界中で「歌ってみた」が流行る。外国人達が、日本語の歌詞を完璧に歌っているのは不思議で面白い!

→【2013年1月】20歳を迎え、渋谷区の成人式に出席。さらにミニライブも。


大雪に見舞われた成人の日の今日、渋谷公会堂で「新成人を祝う会」が行われきゃりーぱみゅぱみゅがスペシャルゲストとして登場した。自身も新成人のきゃりーぱみゅぱみゅは、式典前に報道陣の前に現れ自らデザインしたという”日本で一番目立つ”振り袖姿を披露。ステージでは新曲の「ふりそでーしょん」など4曲を熱唱するミニライブを行い、新成人の門出を祝った。

きゃりーぱみゅぱみゅ振り袖で渋谷区成人式に登場 ミニライブも:Fashion Snap より


→【2013年2月】パリ(フランス)の街中で突然ゲリラライブ!

きゃりーぱみゅぱみゅ本人ではありません。フラッシュモブと言われる街頭で突然パフォーマンスしだすゲリラ集団です。

→【2013年2〜5月】世界8カ国ワールドツアー「100%KPP WORLD TOUR 2013」。ベルギー、フランス、イギリス、台湾、香港、アメリカ、シンガポール、日本!

世界8カ国ワールドツアー「100%KPP WORLD TOUR 2013」

ナタリー:「100%KPP WORLD TOUR 2013」レポートより


きゃりーぱみゅぱみゅは、2月9日から5月30日まで計18公演のワールドツアー「100%KPP WORLD TOUR 2013」を開催。ベルギー、フランス、イギリス、台湾、香港、アメリカ、シンガポール、日本の8カ国を回り、本人も驚いたのは各国の予想を上回る盛り上がり。会場にはきゃりーのコスプレをした熱心なファンをはじめ多くの人が集まり、“KYARYコール”で彼女を歓迎した。

ワールドツアー「100%KPP WORLD TOUR 2013」レポート:ナタリー より


→【2013年3月】5thシングル「にんじゃりばんばん」発売。


そうなんです! 海外のライブで歌ったときもすごい盛り上がって「フゥー!」みたいな(笑)。「NINJA」は世界共通語なんですよね。

きゃりーの挑戦は続く「にんじゃりばんばん」。きゃりーぱみゅみゅインタビュー:ナタリーより


 

→【2013年3月】6thシングル「インベーターインベーダー」発売。

『おっしゃLet’s世界征服!だ、だ、だ、だ、インベーダー』。世界を視野に動いていると、遂に宣言?!

曲の途中でダブステップの要素も取り入れられています。2分25秒頃。
レゲエは、もっと自由でいいかも!ベースミュージックの祭典「Outlook Festival Japan」出演のTRIDENTインタビュー。

→【同年同月】SF映画「スタートレック」最新作のサントラに参加すると発表。

SF映画「スター・トレック イントゥ・ダークネス」


2013年8月23日に全国公開される映画「スター・トレック イントゥ・ダークネス」の挿入曲「Into Darkness」をJ.J.エイブラムス監督と中田ヤスタカ(capsule)が共同プロデュース。この楽曲にきゃりーぱみゅぱみゅがゲストボーカルとして参加することがわかった。

中田ヤスタカ「スター・トレック」挿入曲にきゃりーも参加:ナタリー より


→【同年同月】アソビシステム中川社長のインタビュー公開

アソビシステム中川悠介社長


「遊び」というワードだったら、世界にも通用するかなと思ったんです。進出や発信というよりは、日本でやっていることがそのまま世界で認めてもらえる状況をつくりたいと思っています。簡単に言うと、L.A.で売るためにL.A.でレコーディングする、とか歌詞を英語にする、という方法論ではなく、あくまで日本のパッケージやクリエイティブのままで、つまり今の形のままでやっていくことが大事だと考えています。

原宿から世界征服──きゃりーぱみゅぱみゅを擁するASOBISYSTEM社長・中川悠介インタビュー:KAI-YOU より


→【2013年6月26日】2ndアルバム「なんだこれくしょん」発売。

なんだこれくしょん(初回限定盤)(予約先着特典「なんだこレターカードセット<2012-2013>」付き)

・・・と、ここまで書いた偶然のタイミングで、タワーレコードさんから宅急便が到着!今日は発売日(6月26日)の前日なのですが、タワレコで予約していたら1日前に手元に。

2ndアルバム「なんだこれくしょん」1stアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」

1stアルバムに続いて、2ndアルバムもDVD付きフォトブック仕様の初回限定版を手に入れました。

きゃりーぱみゅぱみゅポストカード・セット(タワレコ)

タワレコのからの段ボール箱に、特典でポストカードも同梱。「ファッションモンスター」 「キミに100 パーセント/ふりそでーしょん」 「にんじゃりばんばん」 「インベーダーインベーダー」の4種。


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MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2013年 07月号 [雑誌]
ミュージックマガジン (2013-06-20)

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きゃりーぱみゅぱみゅ → Kyary Pamyu Pamyu → Kyary Chan!

外国人が日本語曲のカバーをしたり、一緒に歌っている姿にはビックリしました!そのままの日本が受け入れられているんです。着物や祭の法被を着たり、お茶をたてたり、寿司やうどんをほおばってたり…それ系の最も凄いワンシーンではないでしょうか。クールジャパンを推進する日本政府まで食い付いて来ているのは面白いです。

これらの快進撃は、きゃりーぱみゅぱみゅさん本人のセンスに加え、音楽プロデューサーの中田ヤスタカさん、衣装を手掛ける増田セバスチャンさん、PVの監督田向潤さん、スタイリストの飯嶋久美子さん、ダンサーのテンプラキッズさん、音楽事務所アソビシステムの社長中川悠介さん…などなど、大勢の才能と戦略あっての事でしょう。

記事冒頭でも書きましたが、不況が叫ばれる音楽シーン、アイドルばかりが売れる音楽業界、そんな中できゃりーぱみゅぱみゅの勢いは『夢』を感じます。これまで興味を持っていなかった方も、一度広い視野で俯瞰してみてはいかがでしょうか。