サッチャー元英国首相死去。映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」をみて。

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 [2012年 イギリス / 日本上映2012年3月16日]
「信念をもって生き抜く女性のすがた度」:☆☆☆☆☆


Ex-Prime Minister Baroness Thatcher dies, aged 87世界でもっとも有名な女性首相、マーガレット・サッチャー英国元首相。

2013年4月8日、彼女の死がニュースとなった。ロンドン市内のホテルで起きた脳卒中が死因という。サッチャー元首相の姿をしばらく見ないと思っていたら、2002年頃より病気を患っていたそうだ。

彼女は、1959年に下院議員選挙で当選し政界入り。1975年には保守党の党首に。1979年、第71代首相としてイギリス史上初の女性首相となり、1990年まで11年半もの長きに渡り首相をつとめた。

“鉄の女” という呼び名で知られる彼女は、イギリス経済の立て直し、フォークランド紛争での勝利、アメリカと旧ソ連による東西冷戦の終結に貢献など、多くの実績を残している。

享年87歳。ご冥福お祈り申し上げます。

 

映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙さて、このニュースのタイミングで、昨年2012年に公開された映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を、遅ればせながらブルーレイで観た。

実のところ、サッチャー元首相の名前はよく知っているものの、実際の人物像はほぼ知らない。首相の任期期間である1979年〜90年は、当時自分は小・中学生。リアルタイムでは有名な女性首相としか印象がない。学校の授業でも、世界史の近代史として最後に軽く触れられただけで終わっている。…と思うが、記憶にない。

2時間弱の映画一本だけで人生すべてがわかる訳では無いが、本作を通じて、彼女の信念に満ちた生き様を垣間みることが出来た。

映画の主な舞台は、認知症を患ったマーガレットが、先立った夫デニスの幻覚と共に暮らす、首相引退後の晩年。そこでの人間模様や回顧シーンで、マーガレット・サッチャーの人生が描かれる。

政治家が主役の映画という事もあり、難解さも覚悟していたが、そういった難しさはなく、スッとストーリーに引き込まれた。歴史的背景を知らなくても楽しめるだろう。また本作は、男性中心の世の中で、女性、妻、母、政治家として生き抜く女性の物語ともみれる。

とにかく、彼女の晩年が舞台のこの映画は、そのまま死去のニュースにもつながり、なんとも感慨深い気持ちにさせられた。まだ本作品を観ていない方は、ぜひこのタイミングでみることをおすすめしたい。

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<最後にひとこと>
ヨーロッパ、特にイギリスでは女性進出が早いのかと思ってましたが、映画を観る限り1970年代の政界はまだまだ男性社会だったようです。

日本においては、1986年に男女雇用機会均等法が施行され、雇い入れに関して「男性募集」など男女の区別をしては行けない等が男女平等が言われるようになりました。サッチャー首相は、女性進出の開拓者。世界における女性の地位向上の貢献者でもあるんでしょうね。