福島の子どもを描いたアニメ映画「Abita(あびた)」 ドイツ在住の日本人が制作し話題に

作品名:「Abita」(あびた)
福島の子供たちが、放射能のため外で遊ぶことができない。
彼らの夢と現実について。

“Abita”, animated short film about Fukushima children who can’t play outside because of the radioactivity. About their dreams and realities.

Graduate Thesis film by
Shoko Hara und Paul Brenner,
Sound Design and Music: Lorenz Schimpf

vimeo「Abita from Shoko Hara」より一部引用

ドイツで暮らす日本人女性が制作したアニメーション「Abita」が、国際フィルム祭で受賞するなど話題になっています。

本作品を制作したのは、Shoko HaraさんとPaul Brennerさん。音楽担当はLorenz Schimpfさんです。Graduate Thesis filmとあるので、学校の卒業制作かと思います。

<受賞>

  • Best Animated Film, International Uranium Filmfestival, Rio de Janeiro, 2013
  • Special Mention, Back-up Filmfestival, Weimar, 2013

<ノミネート>

  • Eco-Filmtour, Potsdam, 2014

Shoko Haraさんのウェブサイト(www.shokohara.de)

Shoko Haraさんのウェブサイト(www.shokohara.de *1)によると、1988年岡山県で生まれ、1998年にドイツへ移住。そして、ドイツ・メーアスブルブの高校を卒業し、その後、バーデン=ヴュルテンベルク州の大学でデザインや映像を学んだそうです。

趣味は、ヒップホップダンス、写真、読書。
興味があるのは、音楽、日本文化、芸術、映画。

詳しくは彼女のサイトをご覧下さい。

*1. 【追記】サイト公開が終了していました

福島に暮らす人がいて、その方達の生活を奪った

今、日本では、安倍首相の経済戦略《アベノミクス効果》による、円安、株高、好景気に沸くようすが、ニュースなどで多く報じられています。

『少子高齢化による社会保障費増』『近隣諸国との摩擦による外交費・防衛費拡大』『借金(国債発行)増加』など、将来への不安をたくさん抱えている日本は、「経済こそが大切なんだ」と、問題解決を経済発展に求めています。

そんな中、福島県の原発周辺地域は、いまだ隔離され、切り捨てられています。

原発事故の終息、除染は、思うように行っていません。果てしないようすを見て「福島は諦めた方がいい」という声も耳にします。それは経済的な視点からでしょう。確かにそうかも知れません。

ただ、突然大勢の生活や文化を奪うような政府、国民、そして国が、今後、よりよい素晴らしい日本をつくって行くとは思えません。

Abita(あびた)アニメーション映画

ショートムービー「Abita」は、たった一人、ちいさな女の子の物語です。たった一人のストーリーでも、 すごく悲しい気分にさせられました。

今、原発事故によって、生活が奪われた人達は、いったいどれくらい居るのでしょうか?

決して、無視していいことではありません。

Abitaを観て、大切なことを再認識させられました。

たった3分49秒の短いアニメーションです。

ぜひ、観てみてください。

ハラ・ショウコさん。25歳の作品、すごい!

アニメーションとしてのクオリティーも素晴らしいです。日本的な筆を用いたような線と色。そして映像の躍動感。また、心にすーっと差し込む音もすごく良いです。また効果音ガイガーカウンターは怖かったです。

ちなみに、制作されたハラ・ショウコさんは、1988年生まれで、制作は2013年。25歳の作品でしょうか。すごい! これからの作品も楽しみです。

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読売新聞(2011年3月11日 号外)
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