NHK総合の番組「ガッテン!」では、番組放送開始1995年の「ためしてガッテン」時代から、これまで8回も腰痛に関する特集を行なってきたそうです。今回は9回目の腰痛改善特集。
「もう解決したんじゃないの?」
「まだやるの?」
番組を長らく見ている方にとっては、そんな気になるかと思いますが、番組冒頭で司会の立川志の輔さんが、こうおっしゃっていました。
「いくつもの腰痛があって、原因がいくつもある」
「それがわかるたびに特集を行なっている」
ということで昨夜2017年9月27日の放送回では、「腰痛改善の新たな一手!珍体操で劇的改善SP」というテーマでした。
長引く慢性腰痛に苦しむ僕にとって、これは見ないわけには行きません。なかなか興味深かったので、番組内容のエッセンスをお伝えします。
*番組を見たい方は、NHKオンデマンドで有料配信されています(単品216円・税込み)。
痛いのは腰なのに、原因は股関節?
今回の腰痛対策で着目したのは「股関節」。股関節が原因となる腰痛、「股関節腰痛」についての内容です。
みなさん、股関節は知っていますよね。足の付け根にあり、歩いたり、しゃがんだり、階段を登ったときに動く関節です。
まずは、股関節腰痛であるかどうかのチェックを行います。以下の特徴に当てはまれば、あなたの腰痛の原因が股関節にある可能性があるということです。
股関節腰痛の特徴と見分け方
- あぐらがかけない
- 立ったまま靴下が履けない
- 階段が辛い
- 立ち上がりにくい
- 四つんばいになって、お尻を下げた時に猫背になる
股関節腰痛を改善。体操でなめらか股関節になろう!
股関節が滑らかに動かないと、階段を上ったり、下にあるものを取ろうとしたときなどに、股関節が曲がらず、腰で曲がらざるを得なくなります。
そうすると腰に大きな負荷がかかり、腰痛を引き起こしてしまう、という原理です。
これを改善するには、引き金となる股関節を滑らかにする必要があります。股関節が滑らかに動くようになれば、日常生活において腰への負担が減るからです。
番組では、2週間で股関節をスムーズにする運動が3つ紹介されました。いずれもとっても簡単です!
【股関節腰痛・改善1】パカパカ体操
10回 × 2セット / 1日
- 椅子に座って、肩幅に足を開く。
- つま先を正面に向ける。
- 力を抜いて、ゆっくりとひざを閉じたり開いたりを繰り返す。
コツは、筋肉をゆるめたいので、一番楽な姿勢を取って「力を抜いて」行いましょう。また、無理に広げすぎなくても大丈夫。
【股関節腰痛・改善2】お尻ふりふり体操
10回 × 2セット / 1日
- 立って、肩幅より少し広く足を開く。
- つま先は正面より少し外側を向ける。
- 骨盤を左右にゆっくりと揺らす。
コツは、「ゆっくり」と左右に動かす。股関節が硬い方は、ひざが曲がったり、腰に逃げたりするそうです。
【股関節腰痛・改善3】四股(しこ)スクワット
10回 × 2セット / 1日
- 立って、肩幅よりやや少し広めに足を開く。
- つま先は、正面より少し外側に向ける。
- 背筋を伸ばしながら身体をやや前に傾け、お尻を突き出すようにゆっくりと腰を下ろす。
コツは、
*【注意】いずれも痛みが出た時は中止してください。
四つんばいチェック法で猫背だった方が、2週間で背中まっすぐに
股関節を滑らかにする体操、本当に簡単すぎて拍子抜けしそうですね。特に、1の「パカパカ体操」と。2の「お尻ふりふり体操」は。
これらはとても地味な動きですが、インナーマッスルに効くそうです。股関節の周りは筋肉密集地帯で、23もの筋肉が集まっています。小さな筋肉は、大きな筋肉に頼ってさぼりがち。さぼると筋肉は硬くなります。これらの体操をすることで、股関節周りの小さな筋肉達が仕事をするそうです。
筋肉モリモリになる筋トレではありませんが、これも筋トレのひとつなんですね。
さて、この簡単な股関節なめらか体操を実施したところ、四つんばいチェック法で猫背だった方が、2週間で背中まっすぐになりました。そして、肝心な長引く慢性腰痛が改善したそうです。
冒頭に書きましたが、腰痛には様々な原因があります。今回は「股関節」が原因で引き起こされる腰痛の改善方法でした。ちなみに僕は、股関節はそれほど硬くなく、これ以外が原因なのかなぁという印象です。
とはいえ、股関節が硬くなると腰痛になったり、腰痛が悪化したりすることになりますので、予防のためにも実施してみます。
【おまけ】股関節の柔軟性が高まると、歩幅が広がり運動能力アップ!
股関節が滑らかになると、股関節が原因の腰痛が改善されるだけでなく、「運動能力がアップする」というメリットもあるそうです。
股関節の可動域が広がるので、その分、歩幅も広がりますよね。
これは、転びそうになったとき、パッと足が出やすくなり、転倒を防ぐことにつながるそうです。もし転倒すれば、高齢者の場合は寝たきりのきっかけになりますし、若い方でも骨折などの怪我をすれば腰痛回復どころではなくなってしまいます。
股関節の柔軟性を高めるのは、腰痛回復・腰痛防止の為だけでなく、怪我防止のためにも重要ということですね!
<番組に出演した専門家>
- 京都大学大学院医学研究科・助教、理学療法士の建内宏重さん。
- 神奈川リハビリテーション医院 病院長の杉山肇さん。