DANROの記事をMacBookで読んでいるところ。「石を撮るのは女性のヌードと同じ」元カメラマンが作る「石」専門誌

ひとりを楽しむウェブメディア「DANRO(だんろ)」に、すごく面白い記事がありました。

  • ウェブや雑誌などの「メディア」
  • ライターやカメラマンなどの「フリーランス」

これらにピンと来た方は、年齢・立場を問わず、ぜひ読んで欲しい内容です。小さなカルチャーを支えるための「メディアの役割」や、50歳を過ぎてからの「フリーランスの生き方」に関しての、戦略がヒントが得られるでしょう。

記事を書かれたのは、ライターの土井大輔さん(@douran)です。

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雑誌「愛石」 前の編集長は86歳、廃刊・休刊したらこの世界は終わりだな

河原などで拾った「石」を鑑賞するというディープな趣味の世界があります。雑誌『愛石』は……(DANROより引用)”

記事は、こんな書き出しで始まります。

えっ!?
雑誌「愛石」、そんな本があるなんて。

雑誌には、書店やコンビニなどの小売店で販売するものや、宅配専用のもの、またデジタル版のみのものがあります。雑誌「愛石」は、定期購読者限定の宅配雑誌です。

創刊は1983年、月刊誌で部数は1,000。

書店に並ばない本ですので、知らなくて当たり前なのですが、いずれにせよ「石を愛する者のための雑誌」があることに驚きました。

そして実際、DANROの記事に掲載されている石を見ると、確かに美しい。記事タイトルにある「石を撮るのは女性のヌードと同じ」は、まさにそう感じます。石から艶かしさが伝わってくるのです。

色っぽい石ばかりではなく、山と川の景色のような見事な石もあります。

何十年も、何百年もかけて、自然が石を形作った、と思うと感慨深いですね。

これらの石は、数十万円から数百万円で売買されることがあるそうです。ニッチな世界ですので、相場や市況というのはありません。値段は自分で決めて売ります。逆に「200万円で売って欲しい」と、言われることもあるそうです。

さて、雑誌「愛石」の編集長、立畑健児さん。ご年齢は69歳です。

おそよ10年前に、前の編集長が亡くなったので、同誌を引き継いだそうです。当時の編集長は、85歳か86歳。

80代の編集長。すごい!

現編集長の立畑健児さんが、雑誌「愛石」を引き継いだ想いが、DANROの記事に綴られています。

昨今、部数やページビュー数など、数や売上が注目されがちです。しかし、本記事を読むことで、メディアに携わる者は、「文化を支えている意識を持たないといけない」というのを再認識させられました。メディアの役割やあり方とは何なのか。そんなことを考えさせられる一端がありました。

ーー休刊したり廃刊したりすることは考えなかった?

立畑「やめたらこの世界は終わりだな」って思いましたね。この本がなくなると、石の趣味の世界が衰退するだけだな、と。やっぱり趣味の世界で、マスメディアのない世界はダメだと思うんです。情報源でもありますし、愛好家同士をつなぐ役割もありますし。メディアのない趣味の世界は、衰退するだけだと思います。だから今、使命感を持ってやっています。(DANROより引用)”

フリーカメラマン、50歳をすぎて週刊誌の仕事はきつくなってきた

雑誌「愛石」編集長の立畑健児さんは、かつて週刊誌のフリーカメラマンだったそうです。

週刊誌のカメラマンというのは体力的に厳しく、50歳を過ぎたころから、「この仕事は長くやれないだろうな。どうしようか」と考えていました。

そんな頃、雑誌「愛石」の前編集長と偶然出会ったのです。東京・中野の飲み屋で。

そんな出会いをきっかけに、立畑さんは石の撮影を始めます。

立畑さんは、週刊誌のカメラマン時代、女性のヌードを撮影することがありました。石の撮影は、女性の撮影と同じだったそうです。良い角度とライティング。そして石の良い表情を探す。

フリーランサーが、自分の仕事をどの方向に広げていくかは、その人の自由。会社の方針も、上司からの指示もありません。立畑さんのこの転換は面白いなと、僕は感じました。飲み屋での出会いをきっかけに、大きく舵取りし、そのまま10年以上進み続けているわけですから。

フリーランサーにとって、こうした柔軟性や身軽さは大切ですね。今にこだわって疲弊するより、次の活躍の場を見つけだす。

フリーランスは、企業ができないニッチを攻められる

さて、雑誌「愛石」は、立畑さんがおひとりで編集をされています。

愛石は月刊誌で、公称1,000部。

この規模感は、なかなか企業が手を出せない(出さない)ところだと思います。でも、フリーランスであれば、ここで勝負をすることができます。立畑さんのように、撮影・編集のスキルがあれば、ひとりで出版することが可能だからです。

フリーランスは、大手と仕事をすることもできますが、ニッチにこだわることもできるのです。これは面白いですね。

また、立畑さんのインタビュー記事を書かれた、ライターの土井大輔さんも面白そうな方です。僕は、この記事をきっかけにお名前を知りました。特に、Twitterのプロフィール欄が個人的に最高! 他にもnoteなどもされていて、こちらも面白いです。

“出版社勤務を経て、ゲームメーカーで丸7年。その後独立し、「株式会社たちこぎライダー」としてライティングやシナリオ執筆を請け負っています。チャームポイントは、江戸っ子じゃないのに「宵越しの金は持たねェ」状態が続いているところです。(@douran Twitterより引用)

 

愛石の立畑編集長も、ライターの土井さんも、フリーランサーとして面白い生き方をされているように感じました。いいですね!

【余談】僕の愛石

手のひらに乗せた小さな石

余談ですが、最後がもっとも大切にしている石を紹介します。

これです。このちっぽけな石です。

息子がよちよち歩きだった頃、ふたりで近所の公園に出かけて、そこで息子が見つけた石をパパにくれました。これが、その石。

息子からパパへの、初めてのプレゼントです。

他の方には価値がありませんが、僕にとっての愛石です。