スケートボードのビデオ撮影歴約20年のカメラマン。一眼レフカメラの撮影方法に驚き!

昨日、大阪・難波を拠点に活動を行うスケートボード・ブランドEXPRESSION (expressionclothing.com) の代表、岡本一太郎さんと渋谷のカフェで会ってきました。かれこれ5、6年前、僕がROCKERS channel編集長だった頃に映像編集でお世話になった方です。

今回は、その時以来の再会。「久しぶりっすね〜」「お元気ですか?」といった挨拶はそこそこに、お互いの最近の仕事っぷりについて2時間ほど語り合いました。

そんな中、特に面白かった話題をひとつ紹介します。

スケボー、ビデオ撮影歴約20年。驚きの撮影テクニック!

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EXPRESSIONは、スケートボードやファッション・アイテムなどを展開しているのですが、それ以外にもスケートボードのDVDをリリースしています。自分たちで撮影、編集して、作品として仕上げたものを、1990年代のVHSテープの時代から今に至るまで作り続けているのです。

そして、岡本一太郎さんは、約20年間に渡りスケートボードの撮影・編集を行う、映像クリエイターでもあります。スケートボードの撮影といえば、激しく動く対象物を捉える、映像撮影の中でもかなり高度なレベル。そんな方に、最近の撮影方法について訊いてみました。

 【1】撮影機材は一眼レフカメラ

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkII ボディ

CANON EOS 5D Mark IIの発売以来(2008年11月末)、デジタル一眼レフカメラでの動画撮影がブームになりました。岡本一太郎さんも、スケートボードの撮影に5D Mark IIと7Dを使っています。これにフィッシュアイ(魚眼)レンズをつけることも多いそうです。

デジタル一眼レフカメラでの動画撮影は、「発色が鮮やか」「被写界深度が深く背景がボケる」といった特徴があり、非常に美しい映像を撮ることができます。

ただし、デジタル一眼レフカメラはビデオカメラとは違い、「ピント合わせは基本マニュアルフォーカス」「撮影中は小さな液晶画面で映像を確認するので見にくい」「そもそも写真用なので、ビデオ撮影時は持ちにくい」などのデメリットがあります。

ですので、僕はスケーターなど激しい被写体を撮影するには、カメラとは別に、グリップやスタビライザー、外付け液晶モニターなどが必要だと思っていました。


 


岡本一太郎さんは、こういった機材を使わずに、「カメラ本体とレンズのみ」で撮影するのだそうです。


 

【2】一眼レフカメラを上からわしづかみ!

スケーターの撮影は地面スレスレの映像も多く、下と横からホールドするデジタル一眼レフカメラを、どう持って撮影しているのか気になりました。

 


岡本一太郎さんは、カメラを上からガシッとわしづかみで撮影しているそうです。


 

【3】液晶画面は見えないし、ピントはどうやって合わすの?

カメラを上からつかんで撮影するのはわかりました。

では、その体勢でどうやって液晶画面を確認するのか? CANON 5Dや7Dは、自由な方向に動かすことができるバリアングル液晶ではありません。外付けモニターなしでは、画面が見えないはずです。さらに、画面が見えないと、ピントを合わすこともできません。

うーん、一体どうやってるの??

 


岡本一太郎さんは、撮影ポイントとの距離を見計らい(例えば1メートルとか)、その距離にピントが合うようにセットしてカメラを持つのだそうです。


【4】液晶を見ずに構図はどうするの?

液晶を見ないとなると、どの範囲が撮れているかわかりませんよね。

もしかして直感?!

 


岡本一太郎さんは、液晶を見ていなくても、どの範囲が撮れているのかわかるそうです。


 




マジっすか!!

 

凄すぎる!!!
特別な機材に頼らず、己のテクニックのみで激しいスケートボードのワンシーンを撮りおさめる。スケーターだけでなく、撮影者までもが何というストリート感!!

この撮影方法のおかげで、ポシェットにカメラを入れて、サッと取り出して、いつでも撮影できるんだそうです。大げさな機材だと持ち運ぶのも大変だし、セッティングにも時間が掛かります。スケーターのバイブスをカメラマンがつぶしてしまわないようにする配慮でしょうか。撮影開始ボタンを押せば、あとはカメラを一切見ずにテクニックで撮りきるとは恐るべし撮影スタイルです。

岡本一太郎さん率いる、EXPRESSIONの最新DVDがリリース!

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Expression
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そんなEXPRESSIONが、超豪華ブックレットと一体になった、新作DVD「RIDE PRIDE」をリリースしました。過去の映像から最新の映像まで、一枚のDVDに濃縮したベスト総集編的な内容となっています。

作品の映像は、ほぼ岡本一太郎さんが撮影、編集を行っています。

スケートボード・ファンはもちろんの事ながら、映像制作に興味がある方にも、きっと役立つ内容になっています。ブックレットには、90年代から使用してきた機材も紹介されています。8ミリビデオの時代から、現代のデジタル一眼レフカメラまで。

とにかく、めちゃくちゃカッコイイですよ!

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この内容で2,890円。
めっちゃ安い!
保存用と観る(読む)用に2冊買う方もいらっしゃるんだそうです。

別途Blu-ray版、サウンドトラックCDもあります。


【商品説明より】前作「STREET EXPRESS」から8年、エクスプレッション待望の最新スケートムービー「RIDE PRIDE」が遂に解禁となります。

ハードカバー仕様のブックレットと共にパッケージングされた60分に及ぶ内容は、メンバーはもちろんブランドに関わってきた人たちやオリジナルの楽曲を提供してくれたアーティストたちとのまさにベストの名に相応しい歴史の総集編となっております。

また今作のDVDと合わせ、60ページにわたるB5サイズ(縦265mm x 横 190mm)の超豪華ブックレットが読み応え十分な内容となっています。各ライダーのインタビュー、過去の映像作品、撮影機材の紹介、ローカルスポットの解説やグラフィックデザイン、楽曲のリリックなどエクスプレッションが今までに追求してきたストリートの記録を、活字と写真によってさらに深く掘り下げています。

さらに今回は、通常版DVDに加えBLU-RAY版もご用意しました。BLU-RAYのボーナスには、VHS盤でしかリリースされていなかった1stビデオ「FIRST SEQUENCE」、2ndビデオ「OUTSIDE FOOTAGE」が入った永久保存版となっています。


【STARRING】奥村竜一、薬師神和昭、橋本貴興、VENICE野上、山田晋一
【NEW RIDERS】増田真也、高山零央
【SOUND ARTISTS】CHEHON、RAGGALAB MUSIQ、BOOGIE MAN、VADER、ARM STRONG、FUNKY MIC、AFRA、BES、BEARMAN、SHING02、JUNNOSUKE YONESAKA
【BEAT BITERS】DJ Mr.FLESH、DJ GEORGE、SPIN MASTER A-1、MARUHI PROJECT、ARUZ STUDIO、KAERU STUDIO


「RIDE PRIDE」は、約20年にわたる自分たちのブランドヒストリーそのものであり、エクスプレッションというフィルターを通した大阪のストリートスケートシーンの歴史が詰まった作品となっています。この機会にぜひともチェックして頂きたい自信作です!


 

BGMにジャパニーズ・レゲエ・アーティストが大勢参加していました。このDVD用のダブプレートのようです。スケート・シーンでもレゲエが流行っているんでしょうか!嬉しいです。

撮影方法を知って興味が増しました!

撮影・編集された映像を観る事はあっても、その撮影方法を知る機会というのはなかなか無いもの。岡本一太郎さんの話は、すごく面白く、勉強になりました。

とにかく機材に頼るのではなく、撮影者のテクニック!
リスペクトです!!