座右の銘「旨いモン食わしたろ」

偉人の名言に共感を受けて、自身の「座右の銘」としている方は多いと思います。

たとえば……
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も」
「1%のひらめきと99%の努力」
など。

僕は、兄貴的存在として勝手に慕わせて頂いている、kette★のロットンさんがふと口にした言葉に感動。以来、自分の座右の銘とさせて頂いています。

ロットンさんとは、日本のレゲエシーンを黎明期より支え、今はファッション・ブランド「kette★(ケテ)」の展開、レゲエ・イベントの主催などを行っている方です。僕がかつて業界内で名も無きころ、非常に重要なフックアップをして頂いた恩人です。

そんなロットンさんは食通で、外食する際の店選びは常に慎重にこだわります。せっかくの食事、下手を打ちたく無いのだと思います。対する僕は、ついついやっつけで、いい加減な外食をしてしまう事が多いです。でも、ロットンさんは違います。

飲みの約束をしたときは、常に「どこの店に行くか」を重要視します。また、急きょ「飯に行こう!」となったときは、その街をじっくり歩きながら、店構え、店内の様子などを伺いつつ、「どの店がいいか」を決め込んで行きます。

旨いモン食わしたろ! そんな気持ちが伝わってくるええ店や

kette★

ある日の事、「駅前の高架下の古い店なんやけど気になってるねん。行けへん?」と、誘いを頂きました。

たしかに、誘われなければスルーしてしまうような店構え。要はオンボロな感じの居酒屋だったのです。

……が、食べてみると「おっ、旨い!」。

その時ロットンさんが、満足感タップリの顔で「旨いモン食わしたろ、そんな気持ちが伝わって来るやん。ええ店や」とおっしゃられました。

その言葉が、ジワジワとボディーブローのように効いて来て、「これって、今自分がやっている事全てに通じてる!」と、急に目の前がクリアに広がりました。

  • 「面白いもん見せたろ、どや? これが○○の本質に迫るインタビューや」
  • 「ええ曲聴かせたろ、どや? ○○のニューチューンや。日本語訳もあるから心に伝わるやろ」
  • 「ビックリすること教えたろ、どや? こんな発想無かったやろ」

非常に深く突き刺さる言葉でした。「旨いモン食わしたろ」。
自分に大切なのは、この心意気。ロットンさんの破顔がいつも目に浮かびます。

ロットンさん


<最後にひとこと>
「チャンスは誰にでも訪れていて、それを掴む事で、その人生を変える」といったような事を良く耳にします。それと同じく、人生のヒントも何度も目の前に現れていて、それをつかみ取る事のが大切なんだと思います。目まぐるしく時代が進む世の中ですが、少し立ち止まったり、振り返ったりして、「自分にとって大切な事は何なのか」を考えて、それを意識付けする事も大切な気がします。