ファミコン、PCエンジン、セガなど80年代の日本製家庭用ゲームが世界中で大注目! 中古ゲーム機買取専門店レトロラバーズ取材

ポケモンGOが世界中を席巻していますが、盛り上がってるのは最新技術を駆使したスマートフォン向けゲームだけではありませんよ! なんと、任天堂のファミコンことファミリーコンピュータを筆頭に、NECのPCエンジン、セガのMARK Ⅲ、SNKのネオジオといった、日本製のレトロゲーム機が世界中で超人気なんです。

初代ファミリーコンピュータが発売されたのが1983年。発売から30年以上経って、今でも売れ続けてるってすごいですよね! メイド・イン・ジャパンのゲームたち!!

今回は、そんな中古ゲーム機を世界中へ販売している、大阪の買取専門店「RETRO LOVERS(レトロラバーズ)」のハリアーさんにインタビューさせてもらいました。

  • 海外販売をはじめたきっかけ
  • 海外販売のコツ
  • 国によって違う人気機種
  • 外国人クレーマーに勝つ方法
  • 捨ててはいけない押入れのゲーム機

……などを、ビシバシ質問! あなたの家の押入れに眠っている昔のゲーム機が、お宝の可能性も大いにありますよ!!

初代ファミコンなど国産家庭用ゲーム機の海外販売を始めたきっかけは?

ツインファミコン高額買取
画像参照元:レトロラバーズ

キタノケイタロウ「なぜ、中古のレトロゲーム機を海外へ販売しようと考えたのですか?」

レトロラバーズ「僕はこれまで、ストリートカルチャー業界で20年ほど輸入をメインした仕事をしてきました。そしていつかは、日本製のグッズをアメリカなどの外国でも販売したいと思っていたんです」

キタノケイタロウ「なぜ、中古のレトロゲーム機を海外へ販売しようと考えたのですか?」

レトロラバーズ「僕はこれまで、ストリートカルチャー業界で20年ほど輸入をメインした仕事をしてきました。そしていつかは、日本製のグッズをアメリカなどの外国でも販売したいと思っていたんです。

でも、国産品を海外で売るには価格が合わない。向こうの方が安いですからね。」

 

キタノケイタロウ「逆輸入的というか、アメリカが本場の物を売り込むのは難しいですよね。」

レトロラバーズ「そうなんです。

ただ、ビジネスのバランスをとるために輸出もしたかったんです。輸入と輸出の両方を行うことで、為替変動リスクをヘッジできますからね。

そこで、まずは自分が持っていたカメラやビデオカメラの中古機材を海外に販売し始めました。そんな時、「昔のゲーム機の販売が面白そうだ」と気づいたんです。」

PC98をいじるマイコン少年。好きなゲーム機はPCエンジン!

PCエンジン
画像参照元:レトロラバーズ

キタノケイタロウ「扱う商品ジャンルが、全然違うのもになりましたね。」

レトロラバーズ「もともと子供の頃からゲームやコンピュータが好きで、プログラマーになりたいと思っていたんです。NECのPC-9801というマシンが全盛期で、BASIC言語やMS-DOSの時代です。ゲーム専用機に関しては、PCエンジンが好きでしたね。」

 

キタノケイタロウ「おぉ! 僕も小学生の頃にコンピュータを始めて、マイコンBASICマガジンのプログラムをひたすら打ち込んでいました。」

レトロラバーズ「ベーマガですね。僕も読んでいましたよ! 当時はゲームをするには自分でプログラムを……(話が脱線したので割愛)」

ebayやAmazon USAで、いざ海外へ!

海外へ輸出

キタノケイタロウ「ちなみに、中古のゲーム機はどうやって海外で販売しているのですか?」

レトロラバーズ「eBayやAmazon USAですね。」

 

キタノケイタロウ「なるほど、そこで海外市場を発掘された訳ですね。ちなみに、どういった国の人が買ってくれるのですか?」

レトロラバーズ「すでに40ヶ国くらいに販売しています。アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、ドバイ、アフガニスタン、ブラジル、チリ、オーストラリア、台湾、香港……。日本のゲーム機は世界中で人気があるんです。」

 

キタノケイタロウ「国によって、人気のある機種などトレンドはありますか?」

レトロラバーズ「アメリカは、ファミコンですね。あとは、PCエンジン、NEO GEO、そしてメガドライブ。SEGAはアメリカ市場で成功しているので人気があるんです。メガドライブ以前の、SG-1000、セガ・マークⅡ、マークⅢも人気があります。

面白いのがブラジルで、なぜかMSXが人気なんです。ブラジルは輸入の規制が厳しくて、海外のゲーム機があまり流通しなかったんですね。そんななか、MSXはうまくやって割と流通したんです。SONYのMSX、HiTBiTはよく知られていますね。」

メンテナンスは重要! 修理すればピカピカの完動品に

中古ゲーム機のクリーニング
画像参照元:レトロラバーズ

キタノケイタロウ「20〜30年前のゲーム機って、今でも動くんですか?」

レトロラバーズ「動きますよ。ただ、コンデンサの寿命が20年くらいと言われていて、ここが壊れていることが良くあります。僕たちは、ゲーム機をバラしてオーバーホールしてから販売しています。

パーツを交換したり、接触が悪い部分は、半田ごてやケーブル交換で修理します。そうすることで、ゲーム機が復活したり、ポツポツと鳴るノイズ音を除去したりすることができるんです。」

 

キタノケイタロウ「結構、手間をかけてるんですね。」

レトロラバーズ「他にも、本体のクリーニングも行なっています。世界のコレクターは白いボディを好きな人が多いので、黄ばんでいると印象が良くない。なので、特別な薬品と手法で、白さも蘇らせます。」

超強気でえげつない外国人クレーマーたちとの戦い!

外国人クレーマーと戦う!

キタノケイタロウ「なぜ、そこまで手間を?」

レトロラバーズ「一番の理由は、良いものを届けて喜んでもらいたいということです。珍しいゲームをネットを探して、やっと見つけて、日本から取り寄せたものがボロボロだったら嫌じゃないですか。だから、僕たちから買ってくれた方に対しては、箱を開けた時に驚きや喜びを伝えたいなと思っています。そういった日本人らしさも一緒に込めています。

それと、もうひとつ大きな理由もあります。それはクレーマー対策です。」

 

キタノケイタロウ「外国人相手のクレーム対策ですか。」

レトロラバーズ「はい。海外のクレーマーって、すごいですよ。とても強気なので圧倒されます。商品を送った後に「備品が入ってなかった」ってのはザラで、「全然マシンが動かない」など、がんがんケチをつけてくるんです。結構えげつないですよ。」

 

キタノケイタロウ「それって英語でのやりとりですよね?」

レトロラバーズ「そうです。英語が苦手な日本人出品者は、ここでめげてしまう人も多いようです。

海外の掲示板なんかでは、「日本人セラー(出品者)はカモにできる」と、結構バカにされているんです。」

 

キタノケイタロウ「日本人がカモって、悔しいですね!」

レトロラバーズ「日本人向けの海外セールスマニュアルというのがあって、それによると「クレーマーの要求は飲んで、とにかく回転させるべし」みたいに書いてあるんですね。

これが一番の間違いであって、日本人セラーの立場を低くしている原因です。

クレーマーには絶対に付き合わずに、返品リクエストを行いましょう。」

 

キタノケイタロウ「クレーマーが続くと嫌になりそうですね」

レトロラバーズ「僕たちも最初は戸惑いました。でも、販売回数を重ねるごとに「こいつからはカモれないな」と思われるようになってきて、クレーマーに遭う機会が一気に減ったんです。

基本的に海外のバイヤーはせっかちが多いので、クレームが起きても焦らずにきちんと対応することがキモですね。逆に焦らせて、言っていることの辻褄が合わなくなってきて、自爆するタイミングを作るのも効果的です。笑

最初から強気で交渉内容ばかりを提示してくるバイヤーは、ほぼディスカウント目的ですね。」

あなたの家のお宝を、専門店が高価買取!

レトロラバーズ 中古ゲーム機の買取商品一覧
画像参照元:レトロラバーズ(価格は2016年7月末の表示価格です)

キタノケイタロウ「ところで、もし自分の自宅の押入れに中古ゲーム機が眠っている場合、どういったところに買い取ってもらうのがお得なんでしょうか?」

レトロラバーズ「マンダラケやハードオフではなく、レトロゲーム機の専門店に相談するのが良いでしょう。まずは何社か簡単見積でざっくりと価格を聞くのがいいと思います。そういった時、まとめてザックリと見積を出す業者よりも、一点一点細かく価格をつけてもらえる方を選ぶのがベストですね。一度見積するとすぐに分かると思いますよ。

日本人は満たされすぎているからか、家に眠っている昔のゲーム機のお宝具合に気づいていない人も多い。なので、壊れていても捨てないでくださいね。」

一番好きなレトロゲームは、KONAMIの……

キタノケイタロウ「最後の質問ですが、ハリアーさん自身が一番好きなゲームは何ですか?」

レトロラバーズ「ファミコン向けにリリースされたKONAMIの「沙羅曼蛇(サラマンダー)」ですね。カセット(ソフト)がクリアブルーの透明で、物自体も良いんです! 横スクロールシューティングの名作「グラディウス」の続編で、今やってもかなり面白いですよ。」

 

キタノケイタロウ「久しぶりにやりたくなってきました。当時のゲーム機で!

今日は、楽しいお話をありがとうございました!」

1970年代のゲームウォッチ(2画面タイプ)も人気なんだとか!

ゲームウォッチ(ドンキコング)、ジョイスティック
画像参照元:レトロラバーズ

レトロラバーズのサイトを見ると、PCエンジンDUO(18,000円)、ファミリーコンピュータ(5,000円)、ツインファミコン(12,000円)、セガマークⅢ(12,000円)、ネオジオ ROM(17,000円)など、高額な買取価格がついています。

ゲーム機以外にも、ソフトはもちろんのこと、ジョイスティック(懐かしい!)の買取もしてくれます。また、ゲームウォッチ(知ってるかな?)も7,000円以上で買取してくれます。(*1)

僕もファミコンやゲームウォッチを持っていたのですが、ずいぶん昔に捨ててしまいました……。涙

*1. 完品買取価格 2016年7月末時点

 

家庭用ゲーム機でゲームをする男性

まだ自宅の押入れに昔のゲーム機がある方は、絶対に捨てたらダメですよ! 大損です!!

もっと眠らせてさらに高くなる可能性に賭けるか、それとも人気がある今のうちに売ってしまうか、あるいは一生の宝物として大事にするか。どうしますか?

取材協力:レトロラバース(retrolovers.jp)