少子化で人手不足、日本各地の祭りはどうなるのか? 対策キーワードは、子供と高齢者

渋谷区桜丘町に「お年寄りと子供の為の祭禮」と掲げられた花板(寄付の看板)が設置されていました。

祭といえば威勢のいい若者たちが活気づいているイメージがあるので、思わずハッとさせられました。

 

春木地区・大道町のだんじり
春木地区・大道町のだんじり

僕は大阪南部の出身です。生まれて物心付いた頃から、上京する33歳までのあいだ、毎年欠かさず地元の岸和田だんじり祭に参加してきました。参加といっても祭当日だけではなく、一年間を通じてその準備を行うため、もはや生活の一部ともいえる存在です。

だんじり祭りは幼い子供でも参加することができますが、約4トンもあるだんじりを勇猛に町中で曳きまわすお祭りですので、主役は体力溢れる16歳から40歳頃までの男子となります。

僕は団塊ジュニア世代なのですが、中学時代は1学年に400人以上の生徒がいました。しかし、現在は200人以下と半減しています(岸和田市立春木中学校ホームページ:生徒数)。僕が生まれた頃の日本の出生数はおよそ200万人、現在はおよそ100万人ですので、まぁ岸和田市も例に漏れず順当に少子化しているということです。

岸和田だんじり祭とは、NHKの朝ドラ「カーネーション」にも登場した日本を代表するお祭りですが、近年は参加している若者の減少が顕著に見て取れます。人手不足により、周辺地域からの助っ人頼みの町内会が多々あるのです。

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岸和田に限らず、全国的に「祭」どうするの?

岸和田のだんじり祭り。将来的にはどうなるのでしょうか? 300年以上続く歴史あるお祭りですし、何よりかっこいい! 上京して地元を離れてしまった僕は、偉そうに言える立場ではありませんが、これからも勇壮なだんじり祭りであって欲しいと願っています。

でも、これって岸和田やだんじり祭りだけに限らず。全国的に似たような状況ですよね。

出生数が減少している日本において、祭りに参加する若者が減るのは確実。東京の三社祭、青森のねぶた祭り、長野県諏訪大社の御柱祭など、屈強な若者が大挙して行う系のお祭りは、人手不足は死活問題です。

そこで、冒頭のハッとさせられた「お年寄りと子供の為の祭禮」。

ここにヒントがあるように感じます。

勇壮な祭の主役が若者であり続けたとしても、子供と高齢者をもっと巻き込んで行くことはできるのではないでしょうか。「若者、子供、高齢者で、もっと一体になれないか?」。そういった議論を地域でしっかりと行えば、少子化に負けない明るい未来が見えてくる気がします。