Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で、次は何を読もうかなぁと模索していたときに、偶然見かけた本。これがサクッと読めて、なかなか良い本でしたので、ご紹介します。
本のタイトルは「あと3ヵ月でどうにかお金を稼ぎたいと思ったらスモールビジネス戦略だ!」。著者は中村裕昭さん。一言でいえば、スモールビジネスのプロです。
- 個人事業主
- フリーランサー
- 副業
こういった立場の方で、稼げるビジネスを新たに立ち上げたい方にオススメします。
3ヵ月で稼げるスモールビジネスを作るノウハウ
まず、本書のタイトルに「3ヵ月で」とあるので、「たった3ヶ月で稼ぐことができる秘策が書かれた本」という印象を受けると思いますが、それはちょっと言い過ぎかも。実際、3ヶ月で稼ぐためのノウハウも書かれているのですが、メインはスモールビジネスを成功させる方法です。
書籍タイトルは、出版社が売るために付けたのかもしれませんね。
中村裕昭さんが説くスモールビジネスは、100発100中で成功させるものではありません。試行錯誤しながら稼げるスモールビジネスを構築する方法です。3ヶ月だと試行錯誤するには、期間はかなり短いです。そのため、ワンチャンしか狙えないということになります。
これが1年だと、何度もチャレンジしたり、余裕を持って準備することができるのです。
では、具体的にどのようにして3ヶ月で稼げるスモールビジネスを作るのか。本書より、具体的なスケジュールをご紹介します。
1ヶ月目「タネ銭」「ビジネスの知識」
ビジネスを始めるには【元手】が必要です。
お金が無いと、何かを作ったり、物を仕入れたり、宣伝したりすることができません。そのため、まずは元手、いわゆる「タネ銭」を稼がないといけまん。アルバイトでも何でもいいので、確実にお金を得られることをしてタネ銭を作ります。
ギャンブルや投資などで、お金を得ようとしてはいけせん。確実にタネ銭を稼ぐことが大事なので、不確実なことには手を出さないようにします。
それと同時に【ビジネスの知識】を高めていきます。
身の回りにある商品やサービスを、自分も扱っても良いと思えるか、思わないか? なぜ扱いたいと思うのか、思わないのか? そうしたことを意識して、商品やサービスに対する目を養います。その上で、自分が扱いたい商品・サービスを絞り込んで行きます。
また、書籍や音声コンテンツなどで、ビジネスの知識を得ます。具体的には「マーケティング」「コピーライティング」「顧客心理」に関する知識です。1、2冊ではありません。中村裕昭さんは年間300冊ほどの本を読み、移動中は車や電車の中で音声・動画コンテンツで学んだと言います。
2〜3ヶ月目「テスト」
2ヶ月目から、いよいよ実践に移して行きます。
先に絞り込んだ扱いたい商品・サービスから、消去法で残った商品・サービスをテストで販売して、小さくお金を稼いで行きます。
チラシを使った集客であれば、チラシをテストする。一本釣りで営業するなら、アポイントをテストする。また物販であれば、フリーマーケットや知り合いの店の一角で販売する。こういった具体です。
テストとは試すことです。失敗を含めてのテストです。始めから儲けたいと思うかもしれませんが、いい結果が出たらラッキーだと思って対応します。このテストを繰り返して、ビジネスの可能性を構築して行くのです。
ただ、テストを行うにも元手が必要です。そのため、ビジネスがうまく行くまではタネ銭作りは辞めずに続けてください。
また、インプットも継続します。ただし、アウトプットを意識したインプットです。学んだことを現場で実践し、学びながら答え合わせをします。イメージ通りの結果を手に入れることができるかどうか、ということです。
テストを繰り返しながら、稼げるスモールビジネスを構築して行きます。
【やってはいけない】間違った入口は、魅力的な光を放っている
「なんだ、当たり前の手順じゃ無いか。わざわざ言われなくてもわかってるよ」
上記のステップを聞いて、そう思った方もいるでしょう。
でも、できなかったり、難しかったりするのです。特に多くの人がハマりやすい罠は、「間違った入口」を選んでしまうことです。
本書には、こう書かれています。
間違った入口はとても魅力的な光を放ち、あの手この手で正しい入口に見せかけるのがとても上手なので、多くの人がその罠にかかってしまいます。
ビジネスでお金を稼ぎたいと思ったら、まずは間違った入口を選択しないように、見分ける目を持たなければなりません。
その目を持たずに、商品やサービスやノウハウやテクニックを手に入れようとすれば、光り輝く正しそうに見える間違った入口に引き寄せられ、結果を出せないビジネス難民になってしまうのです。(中略)
間違った入口を選択しないようにすることは、ビジネスで成功をもたらすためには、どんなノウハウよりも大切なのです。なぜなら、ビジネスは何をするにしても常に選択が必要になるからです。
わかりやすく例えると、こういうことです。
例えば、お昼ご飯にハンバーガーとポテトフライとデザートを何個も食べ、夜にはラーメンと餃子とチャーハンを好きなだけ食べて、運動もしない生活を送ったらどうなるか? 確実に体重は増えていくでしょうし、病気になる確率も高まります。
これはハンバーガーやラーメンが悪いのではなく、明らかに良くない食生活を選択したことで、悪い結果という正しい出口に導かれているのです。
ビジネスも同じで、間違った選択をすると、きちんと間違った出口に向かって進んでいきます。裏を返せば、正しい選択をすれば自ずと正しい出口に向かっていくということですが、正しい入口は「ここは正しい入口ですよ!」と教えてくれることはないので、自分で見つけ出さなければなりません。
また中村裕昭さんは「切羽詰まっていると、ただの石ころがダイヤモンドに見えてしまうことがある」と言います。上手い例えですね。
【知っておきたい】問題に対する4つの意識レベル(顧客心理)
では、どういった商品・サービスだと稼ぐことができるのか。
「楽そうだから」「マージンが大きいから」「自分の趣味嗜好とあっているから」など、漠然としたイメージで【入口】を探してはいけません。それでは、タネ銭がいくらあっても足りないし、何年経ってもスモールビジネスを構築することはできないからです。
そこで、この4つの意識レベルを活用します。
- 【1】無知
- 【2】無関心
- 【3】問題意識
- 【4】痛み
たとえば、「太りすぎは健康に悪い」ということを知らない人に、「痩せた方がいいよ」と言っても「どうして?」と言われてしまいます。これは「無知レベル」です。
逆に、太り過ぎが原因で病気が判明した人は、「痛みレベル」にあります。そうした方は、今すぐなんとかしなければ!と考えているので、多くの説明をしなくてもお金を使ってくれるのです。
セールスをする際、顧客心理を理解しておくのは大切です。
失敗・成功の事例
本書「あと3ヵ月でどうにかお金を稼ぎたいと思ったらスモールビジネス戦略だ!」は、中村裕昭さん自身の事例が赤裸々に綴られています。
生活費すらなくて消費者金融に頼っていたこと、儲かりそうだと思ったプロパンガスのセールスで完敗したこと、難しいと思われた放置自転車ビジネスを成功させたこと。
リアルな体験は、実際に戦い抜いてきたからこそ、書ける事実。いずれもすごく良かったです。