Amazon、月額980円で本読み放題サービス。ライブやグッズで収支を得る音楽のように、書籍は生き残れるのか?

音楽業界は、Apple Musicなどの定額制聞き放題サービスの影響で、曲の販売だけでビジネスを成り立たせるのは超困難……というのは、もはや業界内で聞き飽きた話題。曲単体で勝負することは非常に難しくなり、ライブ、グッズ、ファンクラブなど、多角的な戦略がより重要になってきました。

そのため歌手など音楽アーティストは、アルバムのリリースだけをレコード会社と契約するのではなく、ライブ、グッズなど関わるものすべてを全方位的にプロデュースするところと契約する流れになってきているようです。

音楽ビジネスのあり方は急激に変化していますが、それでも時代に合わせて進化しています。

ちなみに映画レンタル業界は、hulu、Netflix、Amazon ビデオなど定額制見放題サービスの影響で、アメリカ大手レンタルショップ、ブロックバスターが2014年に全直営店を閉鎖しました。日本でもツタヤやゲオなどのレンタル店から、かつての活気を感じられなくなりましたね。

出版業界は、電子書籍化されても紙の本は売れ続けてイイね! は、昔話になりそう

書籍業界にも、遂に黒船が大接近しています。


アマゾンジャパンが電子書籍定額読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)」を、8月にも日本で開始することが、複数出版社への取材で明らかになった。

(中略)

利用者が月額980円の料金を支払うと、同サービスに参加するKindle版の電子書籍・雑誌・コミックスなどが読み放題になる。月額9㌦99㌣で、サービス開始当初は約60万タイトルの電子書籍が読み放題となった。

アマゾンジャパン、読み放題サービス8月開始へ:文化通信より一部抜粋
(【追記】記事公開終了しました)


 

なんと、書籍、雑誌、マンガが読み放題になるそうです!

スマホの影響で、雑誌の売上は低迷してしまいましたが、書籍は売上を伸ばしていたりで、本の業界はまだビジネスとして成り立っています。紙の本も、電子書籍も、両方それなりに売れているということです(関連記事)。

しかし、この書籍読み放題サービスはどうでしょう。著者、編集者、出版社、取次、書店は、どう立ち向かうのでしょうか? 音楽業界のグッズやライブのように多角的な戦略がとれるのでしょうか。気になります。

ところで、アマゾンジャパンは先日、誤って(?)電子書籍定額読み放題サービスKindle Unlimitedを一瞬表示してしまったようです。それによると、読み放題だけでなく、本を音読したオーディオブックも聞き放題になると書かれています。国内オーディオブック大手のFeBe(フィービー)さんもピンチです!

ちなみに僕は、月に1万円ほど書籍購入に使っているので、Amazonのこのサービスがはじまったら確実に加入するとおもいます。むしろ早く入りたくてウズウズしています。

【追記】8/3 ほんとにサービスが始まりました!

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■Amazon関連リンク
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→ Kindle Unlimited 読み放題本一覧

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