昨日2016年8月24日、大阪・アメ村にあるレゲエ専門のロッカーズアイランド大阪店が移転のため一時閉店しました。味わいのある手描きの看板、ムラサキさんデザインの巨大壁画など、外装・内装にもこだわった店舗は、大阪レゲエタウンのランドマークでもありました。
7インチレコードが新入荷するたびにセレクター(DJ)が殺到するような時代もありましたが、デジタル時代へと突入し、本場ジャマイカではレコードそのものがプレスされなったのです。当時とおなじコスト(家賃など)でお店をキープし続けるのは、やはり限界はあります。今の時代に合わせて遂に……といったところなのでしょうか。
ロッカーズアイランドのボス、タッカー社長は「儲からなくても、文化のためにやらないといけないこともある」という信念を持っている方ですので、よほどの決断だったと思います。
また、ロッカーズアイランドは僕の以前の勤め先でもありますので、思い出の地がなくなるのは寂しい限りです。移転先はアメリカ村BIG STEP内で、現在店舗施行中で、オープンは少し先になるとのことです。
東京では、渋谷に次いで新宿にもHMVのアナログレコード専門店がオープン
ローソンHMVエンタテイメントは、アナログレコード専門店「HMV record shop 新宿ALTA」を10月1日にオープンすると発表した。アナログレコード専門店をオープンするのは2014年8月の「HMV record shop 渋谷」に続く2店舗目になる。
(中略)レコードを中心に約10万点の在庫を取りそろえるほか、カセットテープコーナーも用意。海外で買い付けたレコードも含む中古レコード約7万枚、中古CD2万枚、カセットテープ1000本以上を展開するという。
さて、東京の渋谷・宇田川町では、2年前にHVMがアログレコード専門店「HMV Records Shop」がオープンしました。僕も時々足を運ぶのですが、なかなか流行っています。
一般的に中古レコードショップというのは、新譜が次々と入荷する新品を扱うCDショップとは違い、どこかしら空気の滞留を感じるものです。しかし、HMV Records Shopは、割と活気を感じるのです。
というのも、その時々の季節や時事ニュースに合わせて、特集コーナーが設置されるからです。たとえば、ジャマイカの陸上選手ウサイン・ボルトが世界新記録を出せば「レゲエ特集」を組んだり、南米で大地震が発生すれば「南米支援コーナー」が設置されたりするということです。
中古屋さんなのに、つねに動きがあります。店内イベントも盛んに行われています。
そうした効果もあってか、売上高は右肩上がりで、前年比3割増で推移しているそうです。これはすごいと思います。
渋谷のHMV record shop、竹中直人×高木完×佐藤剛の店内イベントは面白そうやなぁ! というかえらい豪華 pic.twitter.com/UM6UOB42JU
— 北野 啓太郎 (@KeitaroKitano) 2016年4月14日
レコードジャケットをインテリアにする女性たち
HVM Records Shopは、オープン当初「中高年男性がターゲット」というようなことを言っていました。しかし、それだけにはとどまらず、若者層にも広がっているようです。
HMVは2014年、渋谷に1号店を試験的に出店。当初は30代以上の男性ファンを顧客に想定していたが、レコードを初めて聴く若者や、ジャケットをインテリアにしたい女性客が増加。
HMV、レコード強化=人気復活、新宿に新店舗:JIJI.com
まさにジャケ買い!
デジタル配信世代にとっては、LPレコード(12インチレコード)のジャケットは迫力があるでしょうね。31.5cm四方の大きさなので、パネルやポスター的な感覚なのかも。
そんなこともあって、中高年だけでなく、若者や女性までもがアナログレコードに夢中になっているのだそうです。このトレンドは日本だけではなく、アメリカやヨーロッパなど世界中で起きています。さらに大きなムーブメントになる可能性を秘めていますね。
話は戻りますが、ロッカーズアイランドは閉店ではなく移転です。ロッカーズアイランドは中古レコードをプレミア価格で販売するスタイルではありませんが、アナログレコードファンの心をくすぐるような展開も期待したいですね。