アルバムリリースをシェアと言う、新勢力アーティスト達。ストリーミング配信が収益の50%を上回る

アルバムリリースをシェアと言う、新勢力アーティスト達。ストリーミング配信が収益の50%を上回る

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アルバムリリースをシェアという、新勢力アーティスト達。ストリーミング配信が収益の50%を上回る

フランク・オーシャン(Frank Ocean)という現在28歳のアメリカのR&Bシンガーや、チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)という23歳のアメリカのヒップホップ・アーティストをご存知でしょうか。

彼らの最新アルバムは、2016年を代表する名盤といわれています。

しかし、盤とは言いつつも、いずれもCDはプレスしておらず、ストリーミング配信のみで世界ヒットしているのです。

音楽・映画ジャーナリスト宇野維正さんの未来授業

僕が何年間も愛聴しつづけているラジオ番組「TOKYO FM 未来授業」で、先週、音楽・映画ジャーナリストの宇野維正さんが講師に招かれていました。

宇野維正さんは、1970年東京生まれ。雑誌「ROCKIN’ON JAPAN」「CUT」「MUSICA」の編集部を経て、現在は映画サイト「リアルサウンド映画部」主筆。その他、数々のメディアでの執筆や、「1998年の宇多田ヒカル」など自身の書籍を出版されている方です。

そんな宇野維正さんが、未来授業にて『2016年の音楽シーン』をテーマに語りました。冒頭に書いたふたりのアーティストのエピソードは、宇野維正さんが番組内で紹介したものです。

■関連リンク
未来授業 – TOKYO FM Podcasting
 (vol. 1098 – 1101 に出演)

音楽アルバムの発売。リリースではなく、シェアという

CDは作らずストリーミングのみで大ヒットさせた、フランク・オーシャンとチャンス・ザ・ラッパー。彼らは、アルバムの発売のことを「リリース」や「ドロップ」と言わず、「シェア」という言葉を使っているそうです。

「〇月〇〇日、ニューアルバムをみんなにシェアするよ!」って。

今、アメリカではアルバムを「シェアする」って言うんですよね。もう、もはや作品としてリリースではなくて、「みんなに共有したよ」「いつシェアするよ」っていう。

シェアという言葉が、リリースの代わりになっている。それくらいポップミュージックのあり方がすっかり変わってしまって。

アメリカの場合、収益の半分以上がストリーミングなんですよね。

未来授業 第2回 宇野維正 Vol.1099

日本は、世界的にも珍しく未だにCDが売れている国なのですが、アメリカでは今やアーティストが得る収益の半分以上がストリーミング配信なのだそうです(今年はじめは、CD、ダウンロード、ストリーミングが張り合っていました)。

ちなみにストリーミング配信とは、Apple MusicやSpotify、LINE MUSICといった月額定額制音楽聴き放題サービスのことです。

音楽業界が不景気はウソ

また、番組内にて宇野維正さんは、アーティスト活動の変化についても解説しています。

去年2015年から、CDや音源のセールスの売上よりも、興行(ライブ)の売上の方が上回った。「音楽業界は不景気だ」と近年よく言われるけど、CDが売れなくてレコード会社が不景気になっただけで、音楽業界は全然不景気じゃない。

そんな中、「レコーディング → アルバム発売 → ツアー」というお決まりの流れも変化していて、アルバム発売とは関係なく長いツアーを行ったり、サプライズでアルバムをリリースしたり、アーティストごとに工夫をしている、と語っています。

このあたりは、未来授業 第4回 宇野維正 Vol.1101 で解説されていまので、第1回から4回まで通しでぜひ聴いてみてください。

Frank Ocean「Blonde」 / Chance the Rapper「Coloring Book」

最後に、フランク・オーシャン(Frank Ocean)、チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)がシェアした最新アルバムを紹介します。

以下、全曲視聴できます。めちゃくちゃかっこいいですよ! 特に、チャンス・ザ・ラッパーは23歳。アメリカは若くても才能があればしっかりと評価されるのが良いですね。フィーチャリング・アーティストにも注目です。