インタビュアー初心者3つのコツ。22歳女性ライターからの相談まとめ。

今日、移動中LINEにメッセージが届きました。「相談したい事があるんですけど、Skype出来ますか?」と。今、カナダ・トロントにワーキングホリデー中の後輩、SEIRA(20-20.cc)からです。

「いいよ〜」と、歩きながらiPhoneのSkypeアプリで相談に乗りました。

與那嶺 星羅 (Seira Yonemina)

カナダの日本人向けフリーペーパー「bitsマガジン」

SEIRAはワーキングホリデー先のカナダで、日系フリーマガジン「bits」 編集部で働くことになったばかり。ライターとして駆け出したばかりの彼女にとっては、大舞台の職場ということで、そこでの心構えや疑問点などの相談を受けました。

インタビュアーやライターを始めたばかりの方にも、役に立つかもしれないので、質問と答えた内容をメモしておきます。

【質問1】思い通りの答えが返ってこない時は?

Q. 取材相手に「2013年はどんな年でしたか?」と質問をしたら、ひとつの質問に対してノンストップで30分もの返答を頂きました。どうすればもっとテンポよくインタビュー出来るのでしょうか?

A. 本来であれば質問事項を「2013年で最も印象に残った出来事はなんですか?」など、もっと絞り込む必要があったね。でも、すでに30分語ってもらったあとでは、取り返しがつかない。

そういう場合は、「ということは、○○さんにとって2013年は『海外を攻める年』だったわけですね!」など、話の要点を言い返すと良いでしょう。すると相手は「そうそう!そうなんだよ」と、きっと言ってくれるはず。そこで、もしかしたらもう一言もらえるかもしれない。その言葉が、最も重要なポイントとなるだろうね。

【質問2】取材中のメモは必要?

Q. 取材中のメモが間に合わないんです。どうすればメモの取り方が上手くなりますか?

A. 馴れないうちはメモ禁止! とにかく『相手の話を集中して聞く』に専念してください。メモを取りながら、相手の話も聞いて、さらに次の質問タイミングを考える。そんな高度な技術は、最初は不要です。

聞く!聞く!聞く!

そして取材のキーとなりそうな重要な場面に遭遇したら、自分も喋っちゃうんです。「なるほど!○○さんにとって、朝、歯を磨くことが大切なんですね。そうしながら今日一日をイメージする」など。これがメモ代わりになり、後からボイスレコーダーを聞き返した時に、どこがポイントだったかすぐに把握できます。

さらに取材相手からは、『このインタビュアーはちゃんと話を聞いて、俺を理解してくれているな』と好印象を持ってもらえるでしょう。そうなれば取材相手は上機嫌になり、もっと面白いエピソードを思い出して話してくれるかも!

とにかく、ボイスレコーダーを録音しているのであれば、『聞く』に専念してください。

【質問3】私はラッキーなんでしょうか?

Q. 私はラッキーなんです。ワーホリでトロントに来ている日本人の多くは、大したバイトにしか就けないと言っているのに、私はやりたかった編集部の仕事に参加出来ました。何故なんでしょう?

A.それはセイラが実績を持っているからです。例え経験値が低くても、取材や原稿書きの実績があれば、編集部としては即戦力として雇いたくなります。ましてやトロントにいる日本人で、ライター経験者となれば、ただでさえ数が少なく希少価値も高いでしょう。

トロントにいる期間は、できるだけ大きい仕事にチャレンジしてください。それが帰国後の自分の資産になり、次の新しい仕事に繋がって行くはずです。

最後に。インタビューへ行く前の気構え。

僕は、これまで数百回のインタビューを行いました。

最初の取材は、大阪・堺のレゲエサウンドAlbatross(アルバトロス)のCookieという男性。「サウンド活動についてお話聞かせてください」と初めて連絡をとった際、指定されたのが何とお風呂!初取材はスーパー銭湯の露天風呂だったのです。笑

そして、前職ROCKERS channel時代の最初のインタビューは、レゲエ・アーティストのMoomin(ムーミン)さん。自分にとって初のビデオカメラをまわしての動画取材ということもあって、「映像なのでミスは出来ない!」と、インタビューの準備に2,3日掛けました。しかし、ロケ地を外にしたばっかりに、その日に限って強く吹きつける風が気になって、取材の注意が散漫になり大変でした。

インタビューは、想定どおりにゆく方が稀(まれ)です。

ガッチリ決め込んで行くと、想定外のことになると焦るので、「何が起きてもドンと来い!」という気構えも大切です。

【追記 2/11】

質問事項など、何も決めずに取材へ行った一例です。

・お店の紹介。
・まだオープンしていない。

人生の一部分を、斜め視点から切り取ってみる。そんなインタビューです。

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<最後にひとこと>
SEIRAがいるトロントは、マイナス2桁台になるほどの極寒。彼女の出身は沖縄なので、凍えてしまうのでは……と心配しましたが、案外「馴れた」との事。人間の順応性ってスゴいですね。そのうち「インタビューって面白いですね〜」なんて言う日も、すぐにやって来るんでしょうね。